ロックでパワフルでセクシーなシーナさんのボーカル、鮎川誠さんの圧巻のギタープレイ。1970年代から日本のロック界を色あせることなく駆け抜けてきたシーナ&ロケッツだが、2015年、衝撃のニュースが走った。シーナさん急逝。最高のボーカル、最愛の妻を失った鮎川誠さんは、しかし、ステージに立ち続けることを心に決める。(文=中津海麻子、トップ写真=山田秀隆) (前編から続く) 「シーナ&ロケッツ」を結成 ――シーナさんと一緒にバンドをやろうと? うん。どういう音楽をやろうかと、二人の夢が膨らんだね。とにかく、全部自分たちで決めて自分たちでやろう、と。大きな会社やプロダクションに所属し、大勢が寄ってたかって作る音楽じゃなくて、ストリートでインディーズな雰囲気がある音楽。そして当時、パンクロックがイギリスでもアメリカでも大きなムーブメントを起こしていた。考えてみれば僕は久留米時代からそういう音楽をやって