2010年、野村證券はシステム更改のため、ラップ口座の開発を日本IBMに委託しました。ところがその3年後、ラップ口座開発委託をめぐり、野村證券と日本IBMとのあいだで法廷闘争が始まります。9年におよぶ争いの末、結果は野村證券が敗訴。野村證券がこのような事態に陥ってしまったのは、なにが原因だったのでしょうか? 本記事では、特定非営利活動法人失敗学会理事の佐伯徹氏の著書『DX失敗学 なぜ成果を生まないのか』より、野村證券のDX失敗原因について紐解いていきます。 委託先への仕様丸投げで招いた失敗 ~事例から「他山の石」としていただきたいこと~ システムの更改はどこの業界でも発生していることであるが、お金を出すことでシステム仕様の決定権まで委託してしまった結果、利用者が使えないシステムとなり作り直しとなってしまった。 野村証券「ラップ口座の刷新」 DX戦略…「ラップ口座」の開発委託 野村証券と野村