末継 昌代 卒業論文要旨 エチエンヌ・スーリオにおける芸術作品の存在分析 本論文はフランスの美学者であるエチエンヌ・スーリオ( SOURIAU、1852~1979)が『諸芸術の照応』(La Correspondance des Arts、1947年初版)において提唱した『芸術体系の図表』( du des Beaux-Arts)の理解の為に、図表の基盤となっている四つの存在様相の分析を試みたものである。 第一章では彼の経歴を紹介した。彼はやはり美学者であったポール・スーリオ(Paul SOURIAU1852-1926)の子として1892年に誕生、1979年に永眠した。エコール・ノルマル(Ecole Normale )を経て、1920年には難関と言われる哲学の教授資格()を取得、大学にて哲学の教鞭をとる。1941年にパリ大学ソルボンヌの哲学一般及び美学の教授となって以来フランス美学の指導的地位