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  • アップルの“厳格さ”から解放されたジョナサン・アイブの新しいデザイン | 「134億円自腹投資」の新規事業とは

    ジョナサン・アイブ(57)がアップルのCDO(最高デザイン責任者)を退いて、まもなく5年が経つ。 現在アイブは、米サンフランシスコに拠点を構える。アイブが所有する建物群はハンノキの木々に囲まれている。 私たちはそのうちのひとつで、ジャクソン・スクエアにある築115年の2階建ての建物にいた。1840~50年のゴールドラッシュの時期に発展したジャクソン・スクエアは、チャイナタウンと金融街の間に位置している。 「最初にこの物件を買って、それから気づいたんです。ここは広いし、街の中心部にあるじゃないかとね」と、仏高級眼鏡ブランドであるメゾン・ボネの老眼鏡をかけたアイブは言う。 そこはもともと駐車場だった。がらんとした土地を目の当たりにすると、そこにないものが見えるとアイブは言う。たとえば庭、そしてアイブが愛するロンドンのリバー・カフェのように、人が集まって交流できる場所──アイブは次々と近隣の物件

      アップルの“厳格さ”から解放されたジョナサン・アイブの新しいデザイン | 「134億円自腹投資」の新規事業とは
    • MIT経済学者アセモグルが思い描く「AI物語の展開、3通りの筋書き」 | 人工知能に乗っ取られるのは全仕事のたった5%?

      人工知能(AI)は、喧伝されているほどの期待には応えられないとMIT経済学教授のダロン・アセモグルは主張する。だから、AIに闇雲に投資するのはリスキーだと──。AIをめぐる物語は今後どう展開していくのか。アセモグルが3通りの筋書きを提示する。 人工知能には何の反感も持っていない──ダロン・アセモグルは、真っ先にそのことをはっきりさせようとした。AIのポテンシャルを理解するアセモグルは、インタビューに入ってから数秒でこう断言した。 「私はAI悲観論者ではありません」 では、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の有名なアセモグル教授を、この先高まる経済・金融の危機を見据える予言者然とさせているものは何なのか。 それは、AI技術をめぐる執拗な誇大宣伝があり、その煽りをうけて投資ブームが生まれ、テック株式市場が激しく上昇していることにある。 AIはたしかに有望かもしれないが、誇大宣伝どおりになる

        MIT経済学者アセモグルが思い描く「AI物語の展開、3通りの筋書き」 | 人工知能に乗っ取られるのは全仕事のたった5%?
      • ハラリ史上“最も手厳しい”新著に、米誌記者が感じる「ハラリ的思考の限界」 | 新著『ネクサス』の内容を読み解く

        シリコンバレーのグル 「いまからおよそ一四〇億年前、いわゆる『ビッグバン』によって、物質、エネルギー、時間、空間が誕生した」 イスラエル人歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの著書『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(2011年)はこのように始まる。そしてこの一文によって、21世紀のアカデミアにおいて最も目覚ましいキャリアのひとつが始まった。 『サピエンス全史』はさまざまな言語に訳され、全世界で2500万部を売り上げている。その後もハラリは数冊の著書を出版し、さらに数百万部を売り上げた。現在ハラリは15人ほどの職員を雇い、仕事のマネジメントや自身のアイデアを発展させるのを手伝ってもらっている。 アシスタントの雇用はハラリにとって不可欠だった。滅多にオンライン上に登場しない著名人として、ハラリはダライ・ラマの次に有名だろう。 彼はスマホを使わない(「時間と集中力をとっておきたいんです」とのこと

          ハラリ史上“最も手厳しい”新著に、米誌記者が感じる「ハラリ的思考の限界」 | 新著『ネクサス』の内容を読み解く
        • 英誌が憂う「日本の官僚の凋落」と「霞が関のブラック度」 | そこは正気では働けない場所

          かつて強大な権力を握っていた日本の官僚は、いまや憧れの職業ではなくなった。その過酷な労働環境から「ブラック霞が関」とも呼ばれ、若く優秀な人材がスタートアップ企業へ流出していると、英誌「エコノミスト」が報じる。 日本の官僚は「冬の時代」を迎えている 「おれたちは国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」 小説『官僚たちの夏』の主人公、風越信吾は誇り高くそう言う。通商産業省(現・経済産業省)の官僚である風越は、階級がわずかに高いだけの政治家である大臣に対し、挨拶のために立ち上がることを拒んだ。 1975年に出版されたこの小説は、戦後の高度経済成長期、名門大学の卒業生がこぞって一流官庁の仕事を求めた時代に、日本の官僚がいかに権力を持っていたかを物語っている。当時の高級官僚は、エリート銀行員に匹敵するステータスと権力を有し、日本の国家機構を動かしていた。 しかし、このようにかつて強大

            英誌が憂う「日本の官僚の凋落」と「霞が関のブラック度」 | そこは正気では働けない場所
          • あいつらは寄生虫だ─中国を脅かす「世襲エリート」と「新たな階級闘争」 | 革命でしかこの不条理を解決できない

            日本でも「親ガチャ」という言葉が話題になったが、経済が停滞する中国でも、親から既得権益を受け継ぐ富裕層への反感が高まっているという。中国で格差が急激に拡大する社会背景を英誌「エコノミスト」が取材した。 高まるエリート層への反感 中国ではSNS上で、「タバコ企業の3代」という言葉が広く使われるようになった。この言葉は、「国有タバコ企業の管理職といった優良な仕事を代々受け継ぐ特権エリート層」を指す。 85万人以上のフォロワーを持つあるブロガーは、ミーム化したこの言葉を引き合いに出して次のような投稿をした。 「世襲制のせいで、限られた人しか支配階級の恩恵にあずかることができない。彼らがそれ以外の階層の機会を奪っているため、底辺にいる人たちはそこからはい上がることもできない」 この投稿に、数百人が賛同した。 ある人は「支配階級は固定化されつつある」とコメントし、またある人は「エリートの子供は出世す

              あいつらは寄生虫だ─中国を脅かす「世襲エリート」と「新たな階級闘争」 | 革命でしかこの不条理を解決できない
            • 世界一学費が高いスイスの高校の生徒に話を聞いたら「想像以上」だった | 「プライベートジェットしか乗らない」

              超富裕層の子供たちは、どんな生活をして、どんな大人になっていくのか。社会の不平等について研究する、ドイツとデンマークの大学の社会学者が、世界トップクラスに学費が高いスイスの高校の生徒たちを調査した。 学費世界トップの学校に通う子供たち 超富裕層の子供たちというのは、テレビドラマの格好のテーマだ。しかし、彼らの生活や考え方、野心などが本当はどんなものかは知られていない。そこで、年間の学費が12万スイスフラン(約2000万円)という世界で最も学費が高い高校の生徒たちから話を聞いた。インタビューは在学中と、その5年後に実施した。 富裕層の子弟のための、その学校は全寮制で、スイスのアルプス山中にある。まず初めに、在学中の生徒らを15ヵ月にわたって観察し、インタビューをした。話を聞いたのは、それぞれの生い立ちや背景、学校の環境、将来の計画などだ。 それから5年後に同じ生徒たちに再び質問し、卒業後に起

                世界一学費が高いスイスの高校の生徒に話を聞いたら「想像以上」だった | 「プライベートジェットしか乗らない」
              • 旅行者の「質」も低下… オーバーツーリズムで“犠牲”となる「日本人のマナー」 | お手頃価格の国ニッポン

                円の下落を受けて、旅行するのに「安い国」となってしまった日本には、大量の観光客が押し寄せている。そのせいで、日本人が重視する公共の場でのマナーが脅かされていると、スペイン紙が報じている。 公共の場における極端なまでの礼儀正しさとマナーの良さが、日本のオーバーツーリズムの“被害者”となっている。日本の通貨が下落するにつれ、文化よりも買い物に関心がある観光客のあいだで、日本の評判が高まっているのだ。 「最近は、文化に関する予備知識は皆無で、行き当たりばったりにやってくるお客が増えています」とエンリケ・メディナは嘆く。マドリード出身の写真家の彼は、観光ガイドとして、とくにスペインとラテンアメリカからのグループを連れて日本を巡っている。 「少し前までは、外国人観光客はいつも『予習ができた』状態で日本にきていました」と彼は続け、4月に満開の桜を見るために訪れた観光客らを例に挙げる。桜の開花は毎年お待

                  旅行者の「質」も低下… オーバーツーリズムで“犠牲”となる「日本人のマナー」 | お手頃価格の国ニッポン
                • 経済ブーム中のインド企業はみんなブラック? 26歳女性「過労死」の悲劇 | 日本より圧倒的に長時間労働で劣悪

                  過重労働で失われた命 英紙「ガーディアン」によると、経済ブームに沸くインドで、ある若い女性の「過労死」事件が波紋を呼んでいる。 7月20日、大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)で勤務していた公認会計士のアンナ・セバスチャン・ペライユ(26)が、入社から約4ヵ月後に亡くなった。英通信「ロイター」は、その死因を急な心肺停止であったと報じている。 それに対し、彼女の母親はEYインドの会長、ラジブ・メマニに手紙を送り、娘の死は「圧倒的な仕事のプレッシャー」のせいだと非難した。この手紙は9月にソーシャルメディア上で拡散されて大きな議論を引き起こし、同社は政府の調査を受けている。 手紙には次のように書かれていた。 「彼女は息つく暇もなく、週末さえ夜遅くまで働いていました」 「絶え間ない要求と非現実的な期待に応えなければならないというプレッシャーは持続可能なものではありません。そうして多くの

                    経済ブーム中のインド企業はみんなブラック? 26歳女性「過労死」の悲劇 | 日本より圧倒的に長時間労働で劣悪
                  • 「活け締め」─それは美食の国フランスが恋した、日本の伝統技法 | 価格は普通の魚の倍、偽物も出回る…

                    魚を締めるための日本固有の技術「活け締め」。この技法を用いれば、魚を長時間苦しませることなく、鮮度もより良く保つことができる。海を超えて輸出されたこの日本の技がいま、フランスの美食家たちを魅了している。 午前10時30分、静岡県焼津市──小さな店の前で、競りから戻ってくるライトバンの到着を十数人がいまかいまかと待っている。がっしりした身体つきの男が顔を輝かせて車から降りてくると、喜びの声が一斉に上がった。 その男の名前は、前田尚毅(まえだ・なおき)。彼は、市長などといった地元の名士というわけではなく、魚屋「サスエ前田魚店」の5代目で、迎えに出ていた小さな一団はわざわざ車を4時間走らせて京都からやって来た料理人たちだ。彼らはここで、「どうやったら海産物の良さを最大限に引き出すことができるのか」を会得しようというのである。 「前田さんの技術は、唯一無二のものなんです」と地元のシェフ、井上靖彦が

                      「活け締め」─それは美食の国フランスが恋した、日本の伝統技法 | 価格は普通の魚の倍、偽物も出回る…
                    • ノーベル経済学者ユージン・ファーマに「バブルは本当にないか」聞いてみた | 株価は常に「適正」であるとの自身の理論に変化はあるのか?

                      英紙記者がランチをしながら著名人にインタビューをする連載「あの人と昼食を」。現代金融経済学の第一人者であるユージン・ファーマは、株価にはすべての情報が正確に反映されるとする「効率的市場仮説」を提唱してノーベル経済学賞を受賞した。ファーマはこれまでバブルは存在しないと主張してきたが、AIブームで歴史的な水準に沸く株式相場についてファーマはやはりそれでも、「株価は適正」と言うのか。 世界でもっとも影響力のある経済学者の視点 金融経済学者ユージン・ファーマとのランチが、株式市場で大もうけすることと同じくらい困難だということは承知していた。初めてインタビューを申し入れたのは2021年で、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンが継続中で断念した。 それならばとビデオ通話を提案すると、断固拒否された。ファーマから、「ものを食べながら話をする人をズーム画面で目にすることは我慢がなりません」というメー

                        ノーベル経済学者ユージン・ファーマに「バブルは本当にないか」聞いてみた | 株価は常に「適正」であるとの自身の理論に変化はあるのか?
                      • 企業が長期的に成功するためには「日本流のリーダーシップ」が必要だ | 旭化成、カインズ、味の素などの大企業をウォートン校が分析

                        『断固たる日本──企業を復活させるリーダーたち』(未邦訳)の著者である早稲田大学の池上重輔教授、そして米ウォートン・スクールのハービル・シン教授とマイケル・ユジーム教授は、日本の大企業のCEOや幹部たち100人以上にインタビューを実施し、成功の秘訣を尋ねた。 めざましい成長を遂げたビジネスリーダーたちのエピソードから浮かび上がる「持続可能な会社を創るリーダーシップ」とは? 長期の目標に短期の目標を組み合わせる 『断固たる日本──企業を復活させるリーダーたち』(未邦訳)のなかで、池上たちは次のように書いている。 「私たちが出会った強い意志を持つ日本のリーダーたちは、欧米に比べてより長期的な計画に集中しつつも、短期の目標設定を組み合わせていることがわかった。 同時に彼らは、投資家だけでなく顧客たちを重視している。一方で米国企業は、投資家によって支配されている。日本のリーダーたちは、リスクを恐れ

                          企業が長期的に成功するためには「日本流のリーダーシップ」が必要だ | 旭化成、カインズ、味の素などの大企業をウォートン校が分析
                        • 夫婦間の会話が少なくなるのは、自分の話ばかりするからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                          【今回のお悩み】 「最近、夫婦間の会話が少ない気がします。どうしたら会話を増やすことができますか?」 最近、夫婦で話すことがあまりなくなった。家ではテレビを見ていたり、外出先でも沈黙が続いたり。時間を惜しむように夢中で話していた時代はどこへやら。どうしたら、そんな状況を好転させることができるのでしょうか。哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 本当のところは、会話が少ないのは今に始まったことではなく、前からそうだったのかもしれません。結婚当初からずっと会話が少ない夫婦もいると思います。ですが夫婦間の会話が少ない気がするのは、以前多かった時と比べて、今は少ないと感じているということです。 以前は今よりも会話が多かったとすれば、まず、付き合い始めた頃とは違って、長く一緒にいると、いちいち細かなことまで説明しなくても話は通じ、相手が次に何をするかもわかるようになるからです。 会話が少ないことは快

                            夫婦間の会話が少なくなるのは、自分の話ばかりするからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                          • 中国とロシアが開発に乗り出す「月面原発」 その安全性は…? | 人類が「惑星間種」になるために必須の技術なのか

                            2028年までに完了予定 ロシアと中国が共同で月面に原子力発電所を建設するプロジェクトが進行しており、インドメディア「ミント」は、インドもこのプロジェクトに参加する可能性があると報じている。 月面では夜が14日ものあいだ続くため、太陽光発電などに頼らず電力を継続的に供給できる原子力発電への期待は大きい。 将来的に月面居住地を建設した際に電力を確保することがこのプロジェクトの目的だ。最初のミッションは2026年に予定されており、2028年までに完了する予定だという。 同プロジェクトを主導するロシアの国営原子力エネルギー企業ロサトムは、この月面原発は小規模な地域を賄うほどの電力(最大0.5メガワット)を供給する計画を発表している。 ロサトムのプロジェクト責任者アレクセイ・リハチェフは、月面原子力発電所の構築に関して、「中国やインドのパートナーもこのプロジェクトに強い関心を持っている。国際宇宙プ

                              中国とロシアが開発に乗り出す「月面原発」 その安全性は…? | 人類が「惑星間種」になるために必須の技術なのか
                            • ベトナム帰還兵の父は、自分がボロボロに傷ついていると気づかなかった | 爆発する怒りの根本にあるものは

                              父は些細なことで突然怒りを爆発させ、怒鳴り散らかす。子供のころから怒鳴り声に浴びながら育ってきた筆者だが、そんな父の怒りの奥で横たわる痛みに気づき──。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 名前のない傷 僕は“怒れる世界”に生まれた。子供の僕が最初に学んだことは、家の至る所にある目には見えない引き金の存在を理解して、それに触れないようにすることだった。 母は、しょっちゅう父に対して怒っていた。兄は両親の離婚と、6年間一人っ子だったあとに生まれた僕の存在に動揺すると同時に、しょっちゅう僕に対して怒っていた。そしてベトナム帰還兵の父は、絶えず、僕たちの誰かに怒鳴り散らしていた。 絶叫とわめき声の形で訪れる父の怒りは、ほんの些細なことで誘発された。それは、兄が夕食のときに

                                ベトナム帰還兵の父は、自分がボロボロに傷ついていると気づかなかった | 爆発する怒りの根本にあるものは
                              • スペイン紙が危惧「気候変動で松尾芭蕉の世界が消えてしまうかもしれない」 | 地球温暖化は、俳句にも影響

                                俳句を詠む際に使われる「季語」。その季節を表す言葉であるはずだが、気候変動の影響を受けてズレが出てきているという。スペイン紙記者が、この環境の変化が俳句の世界にもたらす影響を考えた。 地球温暖化によって引き起こされた気候サイクルの乱れが、日本の伝統的な詩形である「俳句」に影響を与えはじめている。俳句は、ときの流れや自然のリズムに着想を得て、儚い世界を創り出す詩である。世界で最も短い詩形の一つとして知られ、典型的な形式は、5音、7音、5音で構成された3つの句からなり、「季語」と呼ばれる季節を表す言葉を含むことが求められる。 その役割は、描写される場面の季節感を伝えることにある。国際俳句協会理事で、日本大学で英文学を教える木村聡雄はこう説明する。 「この規則の起源は、私たちの日常生活にあります。誰かと会うと、私たちはたいてい天気について話します。『暑いですね』や『雨はやむでしょうか』といったよ

                                  スペイン紙が危惧「気候変動で松尾芭蕉の世界が消えてしまうかもしれない」 | 地球温暖化は、俳句にも影響
                                • 国際社会から批判される“日本の刑務所の過酷さ”がもたらす「善と悪」 | 英紙記者が日本の刑務所で見た現実

                                  受刑者が受刑者を介護 刑務所に行けば、その国が犯罪者をどう扱っているのかがわかる。世界には、音楽スタジオやトレーニングジムまで備えた人道的な刑務所もあれば、衛生管理が行き届かず、劣悪な環境に囚人たちが詰め込まれている刑務所もある。 英紙「オブザーバー」は、日本最大の刑務所である府中刑務所を訪ねた。ガラス張りの「市役所に間違えられるような」玄関と、FC東京を応援する垂れ幕のかかった受付エリアを通って独居房のエリアに行くと、そこには「穏やかで、整然とした雰囲気」が漂っていた。シミひとつないミントグリーンの壁の独居房には、きれいにたたまれた寝具や山積みの本が置かれている。 府中刑務所には1700人ほどの受刑者がいる。そのうち370人は外国人で、彼らは英語と中国語のラジオの視聴を許可されている。近年、刑務所全体の受刑者数が減少しているため、外国人受刑者の割合はわずかに上昇している。だが、それ以上に

                                    国際社会から批判される“日本の刑務所の過酷さ”がもたらす「善と悪」 | 英紙記者が日本の刑務所で見た現実
                                  • 先進国の美しいバナナやパイナップルのためにいまも産地が払う「代償」 | 隠される健康被害と生態系破壊

                                    毎日、目の痛みに苦しむ もう20年以上、農薬散布の飛行機の音がリデス・ゴメスの日々の生活のリズムを作っている。コスタリカの、カリブ海に面したリモン州の都市マティーナ。明け方と夕方には、その上空に大量の飛行機が飛ぶ。バナナ農園に、粘着性のある農薬を噴霧するのである。 ゴメスの質素な木造住宅を囲む、どこまでも続く緑のバナナ農園は、グルーポ・アコーンの傘下、リモフルーツ社の所有物である。この会社は、コスタリカのバナナとパイナップル輸出産業の主力に数えられる。 ゴメスは3人の子供を育てるシングルマザーであり、コスタリカ国立大学の地域毒性物質研究所(IRET)の研究に協力した、451人の女性のひとりだ。バナナに用いられる殺虫剤への暴露に関するこの研究は、足かけ14年にもわたり、甲状腺や妊婦の胎児生育への影響を明らかにしてきた。

                                      先進国の美しいバナナやパイナップルのためにいまも産地が払う「代償」 | 隠される健康被害と生態系破壊
                                    • ハラリとは「シリコンバレーがチャットボットに期待する理想の姿」だ | AI問題の役者らをうやむやにする語り

                                      真の報道がない世界 情報時代の経済は油断ならないものだ。そこでは、安く消費できるが、利益の少ないコンテンツが生み出される。 たとえば、ターゲティング広告付き無料コンテンツがジャーナリズムに与えた影響を考えてみよう。2005年時点と比較して、米国ではすでに全体の約3分の1の新聞、3分の2以上の新聞関連職が失われ、新聞関連の被雇用者のおよそ7%がニューヨーク・タイムズという単一の企業に勤めている。 21世紀の米国──情報革命の頂点にして中心──において、我々は「ニュースの砂漠」、すなわち報道が実質的に消滅する場所について語らなければならない。 AIはこの状況を悪化させる危険がある。優れたチャットボットがありさえすれば、各プラットフォームは外部コンテンツへのリンクを必要としなくなる。チャットボットが同じコンテンツを合成できるからだ。 グーグル検索はユーザーを外部サイトに送り出すことになるが、チャ

                                        ハラリとは「シリコンバレーがチャットボットに期待する理想の姿」だ | AI問題の役者らをうやむやにする語り
                                      • ジョナサン・アイブがOpenAIと開発中の「新型デバイス」を語る | 50代で「過去の成功」を捨て、再出発

                                        アップルではやり尽くした アップルを離れてからの5年間、ジョナサン・アイブは何をしていたのか──彼が所有する土地にそのヒントが眠っている。 数億ドルもの資産を持つアイブは、サンフランシスコのジャクソン・スクエアにある複数の不動産を、4年かけて手に入れた。 最初の物件を購入したのは、新型コロナのパンデミックが始まったばかりの頃だった。当時、IT業界の大物はこぞってサンフランシスコを脱出していた。だがアイブには、1990年代に移住してきたこの土地を去るという選択肢はなかった。 「サンフランシスコは、たくさんの優秀な人材を惹きつけてきた土地です。ところがパンデミックで社会が停滞したとたん、多くの人が離れていきました。しかし私は、この街に恩義を感じていました」 白い長袖のパーカーとチノパン、クラークスのワラビーシューズといういで立ちで取材に応じるアイブは、このエリアにクリエイティブな人々を集めたい

                                          ジョナサン・アイブがOpenAIと開発中の「新型デバイス」を語る | 50代で「過去の成功」を捨て、再出発
                                        • 「孤独のエピデミックが起きている」が、人々の友人の数は減っていない | 関係を維持することが大変に

                                          「友達」と呼べる人はいるのに、関係が希薄で孤独を感じてしまう──そんな人もいるかもしれない。米誌「アトランティック」によれば、そうした孤独を感じている人が米国に大勢いるという。 もっと深い仲になりたい 公衆衛生総監や何十人もの研究者によれば、米国人は「孤独のエピデミック」に悩まされているという。そう聞くと、誕生日パーティーに呼ぶ相手もいない、友達のいない世捨て人ばかりの国家を思い浮かべるかもしれない。 だが2つの新しい調査によれば、米国の孤独はもっと複雑だ。平均的な米国人は、ソファでひとりでTikTokを見る前に「集まろうよ!」と数人に連絡し、そのまま寝落ちしているらしい。つまり、米国人には友達がいる。ただし本当に会うことはない。 7月に発表された研究のために、コロラド州立大学のナタリー・ペニントン教授と論文の共著者たちは、米国の成人約6000人を対象に、友人関係に関する調査をおこなった。

                                            「孤独のエピデミックが起きている」が、人々の友人の数は減っていない | 関係を維持することが大変に
                                          • イーロン・マスクがトランプ政権に関与するなかで「危惧されること」 | 連邦航空局(FAA)と環境保護庁(EPA)が標的になるか

                                            マスク氏が「トランプ政権」で仕掛ける戦い もし米実業家イーロン・マスク氏が第2次トランプ政権に参加し、官僚主義の打破を主導する立場に就くとすれば、同氏はこれから起きることを既に予感させている。 ドナルド・トランプ氏は大統領に返り咲いた場合、政府組織の縮小と規制緩和を任務とする「政府効率化委員会」を設置すると表明している。その責任者にマスク氏が登用されれば、精査の標的は連邦航空局(FAA)と環境保護庁(EPA)になることを同氏の最近の発言は示唆している。 マスク氏は9月24日、FAAを訴える計画を明らかにした。マスク氏のロケット企業スペースXが規制に違反したとして、FAAが同社に約63万3000ドル(約9000万円)の罰金支払いを求めたことについて、同氏はFAAが「法律を乱用した戦い」と「行き過ぎた規制」を行っていると主張した。同氏は1週間前、EPAに対して同様の批判を展開していた。

                                              イーロン・マスクがトランプ政権に関与するなかで「危惧されること」 | 連邦航空局(FAA)と環境保護庁(EPA)が標的になるか
                                            • 「母乳の恩恵」を受けるのは赤ちゃんだけじゃない─その驚くべき可能性 | 大人がかかる病を治してくれるかも

                                              近年、他の分野に比べて後れているとされてきた母乳の研究が進み、その成分が解明されつつある。それに伴い、がんをはじめとする数々の疾患に、母乳の成分が有効であることが明らかになってきた。母乳研究の最前線を、英誌「エコノミスト」が報じている。 進化してきた母乳 アリゾナ州立大学の生物学者ケイティ・ハインドは、2016年におこなった講演で、母乳に対する科学的関心の低さについて嘆いた。「いまのところ、ワインやトマトの研究のほうがはるかに進んでいる」と彼女は訴えた。8年経ったいまでも、残念ながらその状況は変わらない。 さらに、科学者たちが宝の山を見過ごしてきたことも事実であり、これはハインドの講演の要点でもあった。ワインやトマトと違い、母乳の生理学的特性は進化の過程で、人の健康を促進する方向へと最適化されてきたのだ。 乳児の体内で、母乳は炎症を抑え、病原菌を殺し、免疫力を強化する。結果として、いまや母

                                                「母乳の恩恵」を受けるのは赤ちゃんだけじゃない─その驚くべき可能性 | 大人がかかる病を治してくれるかも
                                              • 中国の一人っ子政策で“推計2400万人の少女”が消え、家族は引き裂かれた | 幼少期には食料品袋に隠されたこともあった

                                                「消えた少女」中国一人っ子政策に引き裂かれた家族 リッキー・マッドさんが生まれた1993年の中国では一人っ子政策が実施されていた。彼女は幼少期のことを断片的にしか覚えていないが、袋に隠されていたこともあったと聞いている。 マッドさんは5歳の時に中国の孤児院から養子として米国のある一家に迎えられた。中国から外国に送られた子どもは(過去30年の累計で)15万人を超え、その大半は女児だった。欧米では、中国の一人っ子政策の特に目に見える結果の一つが、こうした子どもたちだった。一人っ子政策は2016年に廃止された。中国政府は今月、国際養子縁組を禁止した。 中国は、少子化と急速な高齢化という人口危機に直面している。人口抑制政策は反対方向の新たな政策に取って代わられた。だが一人っ子政策は、出産適齢期の女性の不足という負の遺産を生んだ。 強制的な中絶・不妊手術につながった政府の法令により、何百万人もの女児

                                                  中国の一人っ子政策で“推計2400万人の少女”が消え、家族は引き裂かれた | 幼少期には食料品袋に隠されたこともあった
                                                • 【時事英語】“Plagued by”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                                  最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年10月7日(月)の「BBC」に次の一文がありました。 The mayor of a Mexican city plagued by drug violence has been murdered less than a week after taking office.

                                                    【時事英語】“Plagued by”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                                  • 米カリフォルニア州では「知性の高い生物」であるタコの養殖が違法に | 食用に売ることも許されない

                                                    倫理と環境のために「タコ禁止」 「日本人は──そしてスペイン人も──タコが大好きだ。大阪ではたこ焼きが人気だし、東京の小さな居酒屋では、タコの唐揚げや刺身が食べられる。スペインのガリシア地方では、茹でた触手をパプリカで味付けしたポルポ・ア・フェイラが文化として深く根付いている」 そう報じるのは、米紙「クリスチャン・サイエンス・モニター」だ。同紙によれば、日本におけるタコの総輸入量(1万トン以上)の約40%を占めるのは、モーリタニア産のものだという。そのため、同国ではタコのことをフランス語でもアラビア語でもなく、日本語で「タコ」と呼ぶ。そして最高基準値を満たすタコは「ジャパン・クオリティー」とされるそうだ。

                                                      米カリフォルニア州では「知性の高い生物」であるタコの養殖が違法に | 食用に売ることも許されない
                                                    • 日米間の「対中外交の圧倒的な差」を石破政権は埋められるか | 薬師寺克行「今月の外交ニュースの読み方」

                                                      米中関係は表向き緊張していても、裏側では密な接触が続けられている。対照的に日本は中国と、そうした「大人の外交」ができていない。石破政権の誕生で、その差は埋まるのか。元朝日新聞政治部長の薬師寺克行氏が解説する。 独自の国家観や世界観を振りかざし、協調的な姿勢を見せない中国とどう付き合うか──。中国との外交は、西側の主要国にとって最重要課題のひとつとなっている。 なかでも日米両国は、対中関係で深刻な懸案を数多く抱えている。だが、中国との向き合い方は正反対だ。 裏で接触し続ける米中外交 米国では議会や国民のあいだで反中ムードが高まり、トランプ政権時代に長年の「エンゲージメント(関与)政策」から、対立や競争を前面に出す強硬策に大きく転換した。 中国からの輸入品に対してトランプ政権が課した高率の追加関税は、バイデン政権でも引き継がれ、新たに先端半導体技術の対中輸出禁止措置も実施された。だからといって

                                                        日米間の「対中外交の圧倒的な差」を石破政権は埋められるか | 薬師寺克行「今月の外交ニュースの読み方」
                                                      • 『日本製鉄のUSスチール買収で、米国人「徴用工」問題が再燃 | 遺族らが奴隷労働への謝罪を要求』へのコメント

                                                        ブックマークしました ここにツイート内容が記載されます https://b.hatena.ne.jp/URLはspanで囲んでください Twitterで共有

                                                          『日本製鉄のUSスチール買収で、米国人「徴用工」問題が再燃 | 遺族らが奴隷労働への謝罪を要求』へのコメント
                                                        • テスラがついに発表した「ロボタクシー」を海外メディアはどう報じた? | イーロン・マスクがAI搭載の無人ロボタクシー「サイバーキャブ」で登場

                                                          テスラは何を発表したの? 電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOは10月10日に、一度は延期したロボタクシーの発表会をカリフォルニア州のワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの映画スタジオでおこなった。この発表会でマスクは、人工知能(AI)を搭載した無人のロボタクシー「サイバーキャブ」の試作車に乗って登場し披露した。 「サイバーキャブ」はハンドルやペダルは装備されておらず、完全自動運転を想定している。テスラはこの「サイバーキャブ」を無人タクシーとして実用化することを目指していて、価格は3万ドル(約450万円)程度。2026年までに生産開始したいと発表した。 そのほか、一度に20人が搭乗可能な自動運転大型車「ロボバン」や、人型ロボット「オプティマス」を披露した。「オプティマス」は発表会で、来場者にお土産を手渡したり、飲み物を注いだりと動く様子も実演された。

                                                            テスラがついに発表した「ロボタクシー」を海外メディアはどう報じた? | イーロン・マスクがAI搭載の無人ロボタクシー「サイバーキャブ」で登場
                                                          • 【解説】バイデン政権は中東の紛争をなだめているのか、煽っているのか | 相反する見方

                                                            2023年10月7日、イスラム組織ハマスがイスラエルを急襲し、その報復としてイスラエルがハマスの拠点であるガザ地区を攻撃しはじめてから1年が経った。 この間、カタールやエジプト、米国が仲介国として停戦交渉にあたってきた。なかでも米国のバイデン政権は、停戦合意は近いとたびたび述べてきた。だが、ガザでの停戦はおろか、この戦争は近隣のレバノンやイランにまでも飛び火し、地域紛争の様相を呈しはじめている。 10月1日にはイランがイスラエルに報復攻撃し、イスラエルはこれに応酬しようとしている。米国のジョー・バイデン大統領は9日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談し、イランへの対抗措置について緊密に連絡を取り合うことで合意したと報じられている。 しかし、バイデン政権の中東地域への影響力は限られていると見る向きもある。 米シンクタンク「カーネギー国際平和基金」の上級研究員アーロン・デビッド・

                                                              【解説】バイデン政権は中東の紛争をなだめているのか、煽っているのか | 相反する見方
                                                            • テクノロジーの危険性を訴えるハラリの視点に「欠けているもの」 | その態度は「太陽系を見て森を見ず」

                                                              印刷機の歴史的意義 AIにつながる先例として、可動式印刷機を挙げる人は多い。彼らいわく、この発明はヨーロッパに書物を氾濫させ、それが科学革命へとつながった。 ハラリはこの物語を怪しいと見ている。印刷が科学のために用いられることを保証するものは何もなかった、と彼は述べる。1543年にコペルニクスが発表した『天体の回転について』は、初版わずか500部を売り切ることもできなかった。それは「オールタイム・ワーストセラー」だったと、作家アーサー・ケストラーが冗談にしたくらいだ。 逆に売れた本といえば、ハインリヒ・クラーマーの『魔女に与える鉄槌』(1486)が挙げられる。これは魔物と番い、人間の男のペニスに呪いをかけるという性に貪欲な女たちが、悪魔的な陰謀を企てていると喧伝した書物である。 歴史家テイマー・ハージグは、この本を「前近代において印刷されたもののうち、おそらく最も女性嫌悪的なテクスト」と表

                                                                テクノロジーの危険性を訴えるハラリの視点に「欠けているもの」 | その態度は「太陽系を見て森を見ず」
                                                              • フランス映画界に根づいた“見えない差別”をなくす─日本人撮影監督の挑戦 | 多様性促進団体 Divé+ の創設者が語る「次世代への責任」

                                                                「業界で働く多様な人材が、心から安心できる場所を作りたかった」。Netflix大ヒットシリーズ『トップボーイseason3』のほか、トロント国際映画祭に正式出品された『Inshallah A Boy』の撮影監督を務めた小野山要がはじめたのは、排他的とされるフランス映画業界に多様性を生み出す試みだ。 構造的差別が存在するというフランス映画業界の実態と、その改革に取り組む小野山の歩みを、『それでも今の居場所でいいですか』著者・蓮村俊彰が聞いた。 多様性なきフランス映画業界 蓮村  前回は、日本で生まれた小野山さんがフランスで映画を学び、ロンドンで活躍されるまでの経緯をお話しいただきました。現在は、映画業界の多様性を広げる活動もなさっていますね。背景を教えていただけますか。 小野山  フランス映画業界における多様性の欠如を改善し、差別のない仕事環境を作るために、2021年に「Divé+」(ディヴ

                                                                  フランス映画界に根づいた“見えない差別”をなくす─日本人撮影監督の挑戦 | 多様性促進団体 Divé+ の創設者が語る「次世代への責任」
                                                                • 【時事英語】“Deadlocked”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                                                  最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年10月6日(日)の「BBC」に次の見出しがありました。 Trump and Harris are deadlocked – could an October surprise change the game?

                                                                    【時事英語】“Deadlocked”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                                                  • 【時事英語】“Bird flu”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                                                    最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年10月3日(木)の英「ガーディアン」紙に次の見出しがありました。

                                                                      【時事英語】“Bird flu”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                                                    • 【時事英語】“Lose consciousness”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                                                      最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年10月9日(水)の「CNN」に次の一文がありました。 Pilot İlçehin Pehlivan, 59, lost consciousness at some point after flight 204 took off from Seattle on Tuesday night, Turkish Airlines spokesperson Yahya Üstün said in a statement.

                                                                        【時事英語】“Lose consciousness”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                                                      • メキシコ初の女性大統領の就任演説を聞いて、「日本の現在地」を考える | Words Move the World ~この言葉で世界が動く

                                                                        メキシコで史上初の女性大統領が誕生した。男性優位主義が根強い同国だが、女性の政界進出は日本よりはるかに進んでいる。メキシコは女性の地位向上のためにどんな制度改革をおこなってきたのか、かたや日本のジェンダー平等の現状はどうか──シェインバウム新大統領の就任演説の言葉から、元NHK解説主幹の池畑修平氏が考察する。 「503年間で初めての女性リーダー」 10月1日、メキシコでクラウディア・シェインバウム大統領が誕生した。6月に実施された大統領選で左派与党「国家再生運動」から立候補して大勝した彼女は、この日の就任演説で、女性がメキシコを率いるのは「503年間で初めて」と述べた。 確認してみると、スペインの植民地となった1521年から独立を果たした1821年までの300年、そして独立から現在までの203年の合計というわけだ。 スペイン語で「大統領」は「presidente(プレシデンテ)」だが、女性

                                                                          メキシコ初の女性大統領の就任演説を聞いて、「日本の現在地」を考える | Words Move the World ~この言葉で世界が動く
                                                                        • パリで出会った美しい女性に、私も父も同時に落ちた | 関係は友愛と憎悪に揺れたけど…

                                                                          旅先で出会った女性は、お手本にしたくなるような素敵な人だった。思いがけないことが発覚するその時までは。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 女性としてお手本にしたい人 13年前、中庭で催されたあのパーティーがなければ、パリで過ごした父娘の春休みは平凡なものになっていたと思う。初めてオードリーを目にしたとき、彼女のことをセクシーだと思った。そして父もやはり、そう思っていたらしい。銀食器の触れ合う音が鳴り、シャルル・アズナヴールのプレイリストが流れるなか、私たちの未来は静かに塗り替えられようとしていた。 30代半ばのオードリーは気品と芸術的センスの塊で、オペラのプロダクション・デザイナーとして数々の賞を受賞していた。「フランス系ベトナム人美女」の定義のような人だ。彼女の

                                                                            パリで出会った美しい女性に、私も父も同時に落ちた | 関係は友愛と憎悪に揺れたけど…
                                                                          • 江戸時代の将軍たちの「献立」を覗いてみたら… | 豪華の献立の内容は

                                                                            ※本記事は『江戸の食空間――屋台から日本料理へ』(大久保洋子)の抜粋です。 将軍の日常食 江戸も後期の将軍一二代家慶(在職1837~1853年)の場合、起床は比較的早く、朝六ツというから今の五時頃である。 うがいをして歯磨きは歯医師の調製した歯磨き粉と房楊枝と舌コキを使う。お湯と糠袋で洗顔し、まず先祖の位牌に拝礼してお茶を飲む。係りの小姓はこのお茶の毒味をする。この時のお茶は薄茶か煎茶である。 次にいよいよ食事である。以下、永島今四郎・太田贇雄『千代田城大奥』(1892年、朝野新聞社)を参考として述べることにする。 御膳所にて用意したものを器物に入れ、御膳立の間(笹の間という)運ぶ。ここにて御膳奉行の毒味あり、御膳番の御小納戸が、これを受取り、さらに「お次」へ運ぶ。ここに七輪のごとき大きな炉があり、鍋など幾個となく掛け、御膳番取り揃えて御前へ出す。御膳を運ぶのはすべて御小納戸の役で、御給仕

                                                                              江戸時代の将軍たちの「献立」を覗いてみたら… | 豪華の献立の内容は
                                                                            • 自国では禁止、しかし輸出をして、自分のために危険な農薬を使わせる欺瞞 | 「化学植民地主義」は続いている

                                                                              当局も企業も被害を無視 2023年6月23日、サンタ・リタ・デ・リオ・クアルトにあるIDAラ・ヴィクトリア小学校の児童と教員は、吐き気をもよおすような化学薬品のにおいに気づいた。 「それはひどいものでした。我々は子供たちを外へ避難させたのですが、室内より外のほうがもっとにおいがきつかったのです。ほとんどの児童が数分のうちに過呼吸に陥りました」と語るのは、校長、ロザリン・シバハ・ゴメスである。 この学校は8月にも同じ事態に見舞われ、病院に搬送された児童と教員の数は、2つの事件をあわせて38人にも及んだ。 「ガーディアン」がコスタリカ国立大学の地域毒性物質研究所(IRET)と保健省の資料を調べたところ、この学校で見つかった農薬のほとんどが欧州では禁止されているものだと判明した(アメトリン、ダイアジノン、クロルピリホス、オキシフルオルフェン、テルブホス、カズサホス)。 農薬噴霧を担当するアグロイ

                                                                                自国では禁止、しかし輸出をして、自分のために危険な農薬を使わせる欺瞞 | 「化学植民地主義」は続いている
                                                                              • 2035年までに高齢者人口4億人! 中国で「シルバーエコノミー」が絶好調 | 子供用施設は次々と閉鎖

                                                                                Text by Claire Fu and Daisuke Wakabayashi Photographs by Gilles Sabrié 出生率の低下が止まらない中国では、子供向けのビジネスが立ちいかなくなっている。そこで、彼らが目をつけたのがシニア向け事業だ。幼稚園は老人ホームへと形態を変え、スクールでは子供にダンスを教える代わりに、高齢者にモデルウォークを教え、インフルエンサーになる方法を伝授する。米「ニューヨーク・タイムズ」紙が、中国で盛り上がる「シルバーエコノミー」の最前線に迫る。 リー・ドンメイ(36)は10年以上、中国の出生率低下という現実に耐えながら、幼稚園や幼い子供向けスクールの系列を運営してきた。ついにその結果を引き受けねばならなくなったのは、2020年のことだった。 子供の数が減るということは、彼女の学校に入学する赤ちゃんや幼児の人数も必ず減るということだ。新型コロ

                                                                                  2035年までに高齢者人口4億人! 中国で「シルバーエコノミー」が絶好調 | 子供用施設は次々と閉鎖
                                                                                • 戦時下のウクライナ人を癒し、励ます「モフモフ」な存在 | 空襲や停電をともに耐え抜く相棒たち

                                                                                  人々の「日常」を守る 9月、ロシアのドローンやミサイルによって定期的に攻撃される都市の中心部に、犬の楽園が現れた。 晴れた空の下、ウクライナの首都キーウにある旧ソ連時代の工場で開催されたこのイベントに、さまざまな種類の犬たちが集まった。彼らは砂場やビニールプール、ボールプールで遊びまわっている。屋内やテントには、アーティストによる犬の似顔絵コーナーや、ペット用の柄入りパジャマの販売、トリマーがブラシやローションで毛並みを整えてくれるコーナもある。 これは、ウクライナ語で「犬」を意味する言葉にちなんで名付けられた「PesDay」フェスティバルだ。主催者によると、2日間で約1万3000匹の犬、そしてそれとほぼ同数の飼い主が集まったという。 このイベントは、2022年2月のロシアによる侵攻以来、ウクライナ全土に広がっている犬ブームを如実に表している。困難な時期の仲間と癒しを求めて、犬を飼う人が増

                                                                                    戦時下のウクライナ人を癒し、励ます「モフモフ」な存在 | 空襲や停電をともに耐え抜く相棒たち