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  • 米国で児童婚を合法のままにしておきたい勢力と、その「論理」 | 「個人の選択」や「自由」の歪んだ解釈

    見て見ぬふりをする大人たち 前編のコートニー・コズニックは、お金が必要だからという理由で結婚を選んだ。そして、それは夫からの「絶え間ない肉体的、精神的暴力にもかかわらず結婚生活を継続した」理由でもある。 「私は結婚から1年もしないうちに完全に打ちのめされてしまいました。まだ18歳にもなっていませんでした」と彼女は回想する。 「出口はありませんでした」 サラ・タスニームも、15歳の時に児童婚に陥り、抜け出すことができなくなった。1997年の夏、彼女はロサンゼルスで父親と過ごしていた。父親は離婚しており、タスニームは母親とデンバーで暮らしていたが、父親は、タスニームが過激派と呼ぶ「スーフィーカルト」に入信していた。そこでは、男性は若い女性と結婚することが推奨されていた。 タスニームに恋人ができたことを知ると、母親はタスニームを父親のもとに送ったのだ。父親は、婚外性交渉の罪について説教した。 そ

      米国で児童婚を合法のままにしておきたい勢力と、その「論理」 | 「個人の選択」や「自由」の歪んだ解釈
    • 英社会心理学者「スマホ禁止では子供を守れない─本当に必要な2つのこと」 | デジタル環境での危険とリスクを抑制

      子供たちのスマホ依存と、ソーシャルメディアの影響によるメンタルヘルスの悪化が世界中で問題視されている。子供たちを守るための方法についてさまざまな議論がなされており、厳しい使用制限を訴えるジョナサン・ハイトの主張についても、「クーリエ・ジャポン」では伝えてきた。 しかし、それとは異なる主張をする専門家もいる。英国政府にアドバイスを重ねてきたソニア・リビングストン教授に、子供たちをデジタル環境のなかでどう守ればいいのか、英紙「フィナンシャル・タイムズ」が聞いた。 分裂しがちな「子供のスマホ依存」への対処法 子供のスマートフォン利用に関する議論は、両極端にわかれがちだ。 一方は、テクノロジーによって壊れやすくなった世代に着目する。彼らが重視するのは、ソーシャルメディアがメンタルヘルスの悪化の原因になっているという研究だ。彼らの主張する解決策は、米国の社会心理学者ジョナサン・ハイトによって示されて

        英社会心理学者「スマホ禁止では子供を守れない─本当に必要な2つのこと」 | デジタル環境での危険とリスクを抑制
      • あれが娘と会える最後の日になるなんて、私はまったく知らなかった | 【モダン・ラブ】夫と傷を見つめる日々

        大事な人を失うのは突然なことも多く、いつが「最後」になるかはわからない。実家に帰ってきた娘は、母である筆者と一緒にアートブックを読み、一緒に写真に写ると、それきり永遠に去ってしまった──。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 蘇る明るい思い出が苦しい 2023年12月、クリスマスの数週間前、ジムに水筒を忘れた。家に帰る途中、運転していた夫が「戻ろうか?」と言った。 「ううん。明日取りに行く」 そう言ったけれど、戻らないエリックに私は腹を立てていた。そして1分後、私は泣いていた。 「戻るよ」と言う彼に、「いい!」と答えた。なぜなら、私に不安をもたらしていたのは水筒ではない。それをもたらしたのは娘が亡くなったという事実であり、この喪失感にもう耐えられないと思う日があるの

          あれが娘と会える最後の日になるなんて、私はまったく知らなかった | 【モダン・ラブ】夫と傷を見つめる日々
        • ウェブはコンテンツを「永久保存」するどころか消しまくっていた | 貴重な文書のデジタル化はむしろ危険?

          10年前のウェブの約40%は「すでに存在しない」 英紙「インディペンデント」によれば、「史上最大の容量を誇る図書館である『インターネットアーカイブ』(デジタル情報をアーカイブしている非営利法人)には、8350億のウェブページが収蔵されている」という。 一方、世界最大の「物理的な図書館」は米国議会図書館であり、収蔵されているアイテムは約1億7500万点だ。 言うまでもなく、ウェブのほうが現実世界よりも情報が多い。文章や画像、動画など、膨大な量のコンテンツが日夜ウェブに上がっている。そしてウェブはコンテンツが永久に残る場所だと思われがちだ。 だが、米シンクタンク「ピュー・リサーチ・センター」の最新の調査によれば、そうでもないらしい。ウェブページやオンラインコンテンツはどんどん失われ、インターネットは「消滅」しているのだという。

            ウェブはコンテンツを「永久保存」するどころか消しまくっていた | 貴重な文書のデジタル化はむしろ危険?
          • 学生のデモの背景─米国の「イスラエルの捉え方」が変わりつつある | もう「虐殺の犠牲者」には見えない?

            イスラエルによるガザへの攻撃に抗議するデモを米国中の学生たちが展開した結果、約2000人が拘束される事態にまで発展した。いまではヨーロッパでも同様の抗議活動が広まっている。 イスラエルと緊密な関係を築いてきた米国だが、若い世代はイスラエルに対し、これまでの米国人とは違った感情を抱いているようだ。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が、この問題の背景についてまとめている。 次世代は別の道を選ぶのか 76年前、ユダヤ人によってイスラエルが建国されて以来、同国と米国の関係はほぼずっと緊密であり続けてきた。 イスラエルは米国の資金、武器、外交や防衛を頼りながら存続・繁栄している。米国のこうしたイスラエルを支援する姿勢は、超党派の議会や政治家、多くの有権者から支持されており、最近までは揺るぎないものだった。 ホロコースト生存者の避難所として形成されたイスラエルは、しばしば犠牲者とされてきた。そして国際的に

              学生のデモの背景─米国の「イスラエルの捉え方」が変わりつつある | もう「虐殺の犠牲者」には見えない?
            • 爽やかグリーンが目にも鮮やか「焼きブロッコリーとくるみ、ミントのパスタ」 | 【レシピ】Blistered Broccoli Pasta With Walnuts, Pecorino and Mint

              【レシピ】Blistered Broccoli Pasta With Walnuts, Pecorino and Mint 爽やかグリーンが目にも鮮やか「焼きブロッコリーとくるみ、ミントのパスタ」 Photo: Andrew Purcell for The New York Times, Food Stylist: Carrie Purcell

                爽やかグリーンが目にも鮮やか「焼きブロッコリーとくるみ、ミントのパスタ」 | 【レシピ】Blistered Broccoli Pasta With Walnuts, Pecorino and Mint
              • 目覚めたら突然、「行ったことのない土地の訛り」でしか話せなくなっていた | 「外国語様アクセント症候群」とは

                ゾーイ・コールズはウェールズに一度も行ったことがないにもかかわらず、強いウェールズ訛りでしか話せなくなってしまう。この「新しい話し方」のために、彼女は日常生活で思いがけない困難に見舞われ、性格まで変わってしまったという。彼女の「突然の変化」はなぜ起こったのか──。 私はいつも自分の訛りを意識してきた。1996年、8歳のときに、一家でケントからリンカンシャーのスタンフォードに引っ越したが、私の河口域英語(英国の上流階級の英語と、ロンドンの労働者階級が話すコックニーと呼ばれる英語の中間的存在。テムズ川河口域で話されている)はひどく目立っていた。 私には他の人たちの話し方が北部人のように聞こえたし、彼らは私を「(テレビドラマの)『イーストエンダーズ』の話し方」だとからかった。 訛りを真似するのにも苦労した。14歳のとき、スペインのランサローテ島に行き、そこでリバプールとバーミンガムから来た2人の

                  目覚めたら突然、「行ったことのない土地の訛り」でしか話せなくなっていた | 「外国語様アクセント症候群」とは
                • イスラエル・ガザ戦争で試される「ユダヤ人とムスリムの親友たちの絆」 | 宗教・歴史を超えた結びつき

                  パレスチナとイスラエルにそれぞれつながりを持つムスリムとユダヤ人女性の2人は、ロサンゼルスで両教徒の対話の場を共に作り上げてきた。しかし、10月7日のハマスによるイスラエルでの大規模攻撃以降、2人は深い苦しみにさらされている。そんな2人には、確かな支えがあった。 かつてないほどの恐怖 2人の女性は膝を突き合わせて座った。 敬虔なムスリムであるアジザ・ハサン(43)は、周囲に集まった人々を見渡して語りはじめた。イスラエルとガザ地区で亡くなった愛する人たちについて話し、コーランの第1章の朗読を始めた。 「慈悲あまねく慈悲深きアッラーの御名において……」 「われらを真っすぐな道に導き給え。あなたが恩寵を垂れ給うた者たち、怒りを被らず、迷ってもいない者たちの道に」 それに続き、彼女の隣にいたアンドレア・ホドス(57)は、ヘブライ語で歌を歌った。彼女は敬虔なユダヤ教徒である。彼女はその歌詞を英語に訳

                    イスラエル・ガザ戦争で試される「ユダヤ人とムスリムの親友たちの絆」 | 宗教・歴史を超えた結びつき
                  • 京都の「芸妓さんの一日」に海外メディアが密着取材してみたら… | 「食事は一口サイズでしか食べれません」

                    芸者の世界に興味津々な香港紙が、京都で若い芸妓の一日を取材。厳しいお稽古、長時間労働、恋愛事情、お姉さんたちとのシスターフッドについても根掘り葉掘り聞いてみた。 特別な夜のもてなし 日本の芸者には謎めいた魅力がある。芸の師匠が「人間国宝」に認定されたこともあるほど、敬愛を集める存在だ。 しかし、本物の芸者に会うのはそう簡単ではない。京都市のホテル「ダブルツリーbyヒルトン京都東山」のアン・カン総支配人は、芸者を呼ぶ宴席にどれくらい費用がかかるかこう説明する。 「料金は時間単位で、往復のタクシー代を支払わなければなりません。演舞を披露してもらいたい場合は、畳のステージがあり、楽器が備わっているスペースの料金を払わねばならず、すべて込みで数千ドルはかかります」 さらに、芸者を呼ぶ席には入ることすら難しいという問題がある。そうした店やレストランの相当数は、紹介がない限り一見客の入店を断っている。

                      京都の「芸妓さんの一日」に海外メディアが密着取材してみたら… | 「食事は一口サイズでしか食べれません」
                    • 恐怖の感情がなくなってしまった男性に、世界はこう見えている | 高所から飛び降りても心臓はいつも通り

                      「恐怖を感じない」というのは、まるで超能力のように聞こえるかもしれない。だが、実際にそのような悲劇に見舞われた男性によれば、それは人々が想像する以上の苦しみだ──。 最近、満席の飛行機に乗っていたときのことだ。上空6000メートルを旋回中、飛行機が大きな音を立てはじめた。周りの人たちは怖がっていたが、僕自身は何も感じなかった。 2005年、僕はクッシング症候群と診断された。何年間も誤診され続け、ようやくついた診断だった。医者にはよく、「太りすぎなだけ」と言われたものだ。 クッシング症候群は稀な病気で、英国では1年で100万人に1~2人しか罹患しない。原因は、コルチゾールの過剰分泌。コルチゾールは、ストレス反応など、さまざまなプロセスを制御するホルモンだ。そのため、この病気を放っておくと、とても危険な状態になりうる。症状は、深刻な体重増加から高血圧まで多岐にわたる。 診断が下ってから6年間、

                        恐怖の感情がなくなってしまった男性に、世界はこう見えている | 高所から飛び降りても心臓はいつも通り
                      • あなたが「重い」と感じるパートナーには、劣等感があるのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                        【今回のお悩み】 「パートナーが重くて息苦しくなってしまいます」 何をするにも一緒にしたがる、「過保護」ともいえるほど世話を焼いてくるパートナー。悪気があるわけではないのはわかっていても、次第にその存在を鬱陶しいと感じるようになってしまったら、どうしたらいいのでしょう。 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 フランソワーズ・サガンの『ブラームスはお好き』の主人公は、ポールという室内装飾家の女性ですが、弁護士の助手をしているシモンという若い男性に心惹かれていきます。ポールは「十二時に電話するわね」と言い残して、まだ半分眠っているシモンを置いて出かけます。ポールが電話をすると、シモンはすぐに電話に出ました。 「起きてた?」 「十一時から。今、一時だよ。電話局に、この電話が故障してないか訊いちゃったよ」 連絡がなければ心配になるのはわかります。しかし、相手のスマートフォンに電話ができなかった時

                          あなたが「重い」と感じるパートナーには、劣等感があるのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                        • 店員が「注文を間違えるカフェ」は日本の新しい高齢社会対策だ | 認知症の理解を深める場に

                          東京都調布市仙川に「注文を間違えるカフェ」があるという。ここでは認知症を患った人が月1回、家族とともに社会で活躍する場を求めて働いている。米有力紙が、このカフェ店員とお客との優しい心の交流を報じた。 「注文を間違えるカフェ」 その85歳のウェイターはやる気満々で勤務を開始し、心のこもった挨拶とともにお客をレストランに迎え入れた。「いらっしゃいませ!」 だが、いざ注文を取るとなると事態は少しばかり混乱した。そのウェイターはテーブルに向かって歩いて行ったが、注文票を忘れてしまった。慎重にケーキを運んだ先は間違ったテーブルだった。ある客は席に着いてから水が届くまで16分も待たされた。 だが、誰ひとり苦情を言うことも騒ぎ立てることもなかった。失敗があるたびに、常連客はそれを受け入れ、ウェイターとともに笑った。それが「オレンジデイSENGAWA(センガワ)」、またの名を「注文をまちがえるカフェ」のい

                            店員が「注文を間違えるカフェ」は日本の新しい高齢社会対策だ | 認知症の理解を深める場に
                          • ハーバード卒、競技歴6年で金メダルに輝いたサイクリストの経歴がすごい | 「補欠選手」がパリ五輪で世界一に

                            補欠から金メダルを獲得 8月4日、パリ五輪の女子自転車ロードレースで、米国に金メダルをもたらしたクリステン・フォークナー選手(31)の経歴が驚異的だ。 米メディア「CNBC」によると、彼女の競技歴はわずか6年で、パリ大会への参加は当初予定されていなかった。7月初旬、女子ロードレースの代表だったテイラー・クニブ選手がトライアスロンに専念するために参加を辞退したことで、補欠だったフォークナーにチャンスが巡ってきた。 それから代表チームに合流した彼女は、8月4日のレース当日、経験豊富な世界のトップ選手と互角に渡り合った。米メディア「NBCニュース」によると、パリ中心部をスタートしてからしばらくすると、フォークナーは先頭グループに食い込んだ。158キロメートルのコースのうち、ラスト3キロ地点でフォークナーは攻撃を仕掛け、集団から抜けてトップに立った。そのまま差を広げたフォークナーは、2位の選手と1

                              ハーバード卒、競技歴6年で金メダルに輝いたサイクリストの経歴がすごい | 「補欠選手」がパリ五輪で世界一に
                            • 余命を宣告された20人が見つけた「本当に人生で大切なこと」 | 病気になる前に気がついていたら…

                              「死」と隣合わせで生きる人々の目に、人生はどう映っているのか。これまでの後悔と新たな気づき──彼らの言葉に耳を傾けてみよう。人生における優先順位のつけ方が変わるかもしれない。 「もうつまらないことでくよくよしない」 マリ・イズデール(40) 英国 2015年、31歳だったイズデールはステージ4の腸がんと診断され、余命1年半と宣告された。170回の化学療法を受け、寛解した時期があったものの、がんはリンパ節に転移した。 私はいつも「仕事が軌道に乗ったら次は結婚して子供をもうけ、そして旅行に行こうか」などと思っていました。そこへ、まさかのがん宣告です。今後の自分を思うと悲しくなる。持つことができなかった子供やキャリアの夢を考えるとね。もし明日死ぬことになったら、口から出るのは「もっと家族と一緒に過ごしていればよかった」という後悔の言葉でしょう。だからいまは、家族中心の生活を送っています。 私には

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                              • 死んだ夫のAI音声と話したとき、私はまるで煉獄にいるようだった | 【モダン・ラブ】残ったのは誘惑と虚無

                                もういない夫ともう一度だけ話せるなら、何だって差し出すのに。27歳を迎えるはずだった夫の誕生日に、筆者は人工知能に手を伸ばす。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 夫の存在が遠のいてゆく 昨年、夫のイーライの27歳の誕生日に、私はホテルの一室で昔の写真や映像をスクロールしていた。 彼がハイキング中の事故で亡くなってから約2年、私はこれらの写真や映像を何百回も見ている。そしていま、カメラロールは変曲点を通り、イーライが写っている写真よりも写っていない写真のほうが多くなっていた。 このアンバランスさは増す一方だろう。アーカイブにイーライの新しい写真やビデオが追加されることはない。活気ある私の生活はすべて写真に撮られ、記録され続ける。だがイーライは静止したまま、過去のピク

                                  死んだ夫のAI音声と話したとき、私はまるで煉獄にいるようだった | 【モダン・ラブ】残ったのは誘惑と虚無
                                • 「心理戦ではハマスのほうがロシアよりずっと上手」と専門家が考えるわけ | 社会の結束を傷つけ、レジリエンスを崩す

                                  2023年10月7日の奇襲攻撃に始まった、パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルとの紛争。イスラエル、ハイファ大学社会科学部コミュニケーション学の名誉教授で、マスメディアと政治キャンペーン、サイバーテロリズムなどを専門にするガブリエル・ワイマンは、ハマスによる「心理戦略」は10月7日以前から綿密に練られていたという。仏誌「レクスプレス」が詳しく聞いた。 「戦争の分析」には通常、民間の犠牲者数や物理的被害、軍事的損失といった尺度が用いられる。しかし、『サイバー空間におけるテロリズム』(未邦訳)の著者で、コミュニケーション学の教鞭をとるハイファ大学名誉教授ガブリエル・ワイマンは、ガザでの戦争における「心理戦」という側面に注目する。 ワイマンは、社会心理学者である娘のダナ・ワイマン・サックスとの共著論文「ガザでの戦争におけるハマスの心理戦への対抗」において、イスラエル社会に心理面から打撃を与

                                    「心理戦ではハマスのほうがロシアよりずっと上手」と専門家が考えるわけ | 社会の結束を傷つけ、レジリエンスを崩す
                                  • テスラの会長に言い分を聞く「私はイーロン・マスクのお目付け役ではない」 | マスクの巨額報酬を巡って、会長が語ったこととは?

                                    テスラは2024年6月に開催した定時株主総会でイーロン・マスクCEOの560億ドル(約8兆8000億円)の巨額報酬案を承認した。報酬額は米国で史上最高額となる。一方、この巨額の報酬を巡っては米国デラウェア州の裁判所が無効との判断を下し、そのゆくえが注目されていた。株主総会を前に、テスラのデンホルム会長に英紙が単独取材。これまであまりメディアの前に登場しなかった彼女は、イーロン・マスクの巨額報酬についてどう語ったのか。 イーロン・マスクをどう思っている? テスラの会長でシドニー在住のロビン・デンホルムは、CEOであるイーロン・マスクの予期せぬツイートで目覚めることに慣れている。「もし私に魔法の杖があれば、ツイッター(X)なんて消してしまうのに」と、彼女は本紙「フィナンシャル・タイムズ」のインタビューで冗談を飛ばした。 マスクがXに投稿する挑発的な発言は、規制当局や政府とのトラブルを引き起こす

                                      テスラの会長に言い分を聞く「私はイーロン・マスクのお目付け役ではない」 | マスクの巨額報酬を巡って、会長が語ったこととは?
                                    • 「自分の性別っぽい職業」の人のほうが異性には人気? 研究でわかったこと | 個人の嗜好はいまだ保守的

                                      恋愛市場においてはジェンダー規範と職業がいまだに強く結びついているようだ Photo: Oscar Wong / Getty Images 小学校教員や看護師は女性の仕事、工学エンジニアやコンピュータサイエンティストは男性の仕事というように、ジェンダーの規範と職業を結びつける発想は時代遅れになりつつある。多くの職業において雇用機会を男女で分けたり、誰かの職業を指して「男っぽくない」「女っぽくない」などと評価したりすることは、社会的にはあまり受け入れられなくなった。 しかし、個人レベルではどうだろうか。特に個人のパートナーを選ぶ際、多くの人は無意識のうちに、いまだに職業とジェンダーを結びつけているかもしれないことが研究で判明した。マッチングアプリを中心とするいわゆる「恋愛市場」においては、性別のイメージに合った職業についている人のほうが「成功する」傾向にあると示されたのだ。 マッチング率に大

                                        「自分の性別っぽい職業」の人のほうが異性には人気? 研究でわかったこと | 個人の嗜好はいまだ保守的
                                      • ジョナサン・ハイト「SNSはタバコ産業より陰湿な方法で依存を生む」 | Z世代は「スマホ中心の生活」を好んではいない

                                        本稿は社会心理学者ジョナサン・ハイトの未邦訳書『The Anxious Generation(不安な世代)』の抜粋である。第一回はこちらから。 スマートフォンによる多くの弊害 Z世代の幼少期に訪れたSNSやスマホがもたらした弊害はメンタルヘルスの域を超えている。社会的な不器用さや自己肯定感の低下、座りっぱなしの子供時代などに加え、ここでは、さらに3つの弊害を紹介しよう。 注意力の分断、学習の中断 前頭前皮質が充分に発達した大人にとっても、コンピュータを前にして作業を続けるのは難しい。思春期の子供が宿題をしようとコンピュータの前に座るのは、もっと難しい。彼らはおそらく、タスクに集中しようという内発的動機づけが弱いのだろう。 子供たちは前頭前野が未発達であるゆえ、アプリを提供する企業にとっては、共感や娯楽で彼らを誘い出すのは簡単なのだ。 若者たちは、楽しみが多く、労力の少ないデジタル体験の可能

                                          ジョナサン・ハイト「SNSはタバコ産業より陰湿な方法で依存を生む」 | Z世代は「スマホ中心の生活」を好んではいない
                                        • 【時事英語】“Cross-border incursion”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                          最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年8月11日(日)の「CNN」に次の一文がありました。 Ukrainian President Volodymyr Zelensky has confirmed Kyiv’s troops are fighting inside Russia, days into the surprise Ukrainian cross-border incursion into Russia’s Kursk region that has become a major embar

                                            【時事英語】“Cross-border incursion”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                          • フランスの人気哲学者が伝授する「職場で幸せになるのに必要な3つのこと」 | 現代人は「承認欲求」を誤解している

                                            シャルル・ペパンはフランスの哲学者だ。パリ政治学院とパリ経営大学院を卒業した後、哲学の大学教授資格を取得。哲学を万人にわかりやすく解説するベストセラーを何冊も書いてきた。ベルクソンといった哲学者の言葉だけでなく、サッカー選手のズラタン・イブラヒモビッチの言葉も著作に引用するのが特徴だ。 ペパンの言葉に通底するのは、思考するきっかけを人に与え、人が物事に疑問を持ち、ときには自分の考え方自体にも疑問を持てるようにするところだ。フランスのビジネス誌「クーリエ・カードル」が、ペパンに「仕事で生きる哲学」を聞いた。 ──哲学を学ぶことは、仕事に役立ちますか。 哲学を学ぶと、自分がいまやっていることが何なのかについて考え、その意味を問えるようになります。それは必ずしも仕事にとってプラスではありませんよね。世のなかには意味を見つけるのが難しい仕事が多くありますし、その仕事をする意味を知ったら、「そんな仕

                                              フランスの人気哲学者が伝授する「職場で幸せになるのに必要な3つのこと」 | 現代人は「承認欲求」を誤解している
                                            • 【時事英語】“Pass the torch”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                              最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年7月25日(木)の英「ガーディアン」紙に次の一文がありました。

                                                【時事英語】“Pass the torch”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                              • 横暴な客から従業員を守れ!─日本で「お客さま」が「神さま」ではなくなる日 | 相次ぐ「カスハラ問題」に、企業もついに動き出す

                                                2023年5月、那須塩原温泉の日本旅館に、チェックイン時間の30分前に到着した客がいた。彼らは「午後3時まで車のなかでお待ちください」との掲示を見て、「早くきたのに部屋のキーを受け取れない理由を説明しろ」と従業員に詰め寄った。 客はたちまち激昂し、大声を上げた。防犯カメラはその一部始終を捉えていた。最後は旅館の若旦那が出てきて、旅館前の舗道上にひざまずき、深くお辞儀して詫びた。 これは、顧客による嫌がらせ行為の最も極端な例だ。日本では英語風にカスタマーハラスメント、またはそれを省略して「カスハラ」と呼ばれることが多くなっている。 このような迷惑行為はどこの国でも起きているが、とりわけ日本ではサービスに対する期待値が高く(そのぶん期待を裏切られたときの反動も大きい)、「お客さまは神さま」と崇める有名な表現もある。高級小売店の店員は店を出る客をお辞儀して見送り、ウェイター、バリスタ、ホテル従業

                                                  横暴な客から従業員を守れ!─日本で「お客さま」が「神さま」ではなくなる日 | 相次ぐ「カスハラ問題」に、企業もついに動き出す
                                                • 4人の著名レストラン評論家が実践する「必死の健康維持法」 | 「世界最高の仕事」に殺されないために…

                                                  Text by Grace Dent, Chitra Ramaswamy, Fay Maschler and Leonie Cooper 米「ニューヨーク・タイムズ」紙で、12年間レストラン評論家として活動したピート・ウェルズは7月16日付の紙面で、健康の悪化を理由に仕事を離れると公表した。それはおおむね、日常的に飲食店で暴飲暴食を繰り返した副作用だという。 健康診断を受けたあと、「私のコレストロール数値、血糖値、高血圧の数値が目を疑うほど悪かった」とウェルズは書いている。「前糖尿病、脂肪肝、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といった用語が飛び交った」。そして「病的な肥満になっていた。このままではいけないことはわかっていた」と続けた。 レストラン批評は「世界最高の仕事」ともてはやされがちだが、この仕事がもたらす健康リスクを当の批評家たちはどのように軽減させているのか。著名な女性のレ

                                                    4人の著名レストラン評論家が実践する「必死の健康維持法」 | 「世界最高の仕事」に殺されないために…
                                                  • 米中学校の副校長は、どうやって全校生徒の「スマホ中毒」を止めたのか? | スマホを手離し、会話を始めた生徒たち

                                                    スマホやソーシャルメディアが子供たちに害を与えているという懸念が高まっている。スクリーンを見つめつづける生徒たちに、米国の学校も困惑しているが、そんななかで、生徒のスマホ使用の制限に成功した副校長がいた。 米国の中学校副校長の挑戦 2年前、レイモンド・ドルフィンがコネチカット州のあるイリング中学校の副校長になったとき、生徒たちの様子がおかしいのは明らかだった。 問題はスマホだった。校則で禁止されているにもかかわらず、生徒たちは授業中に携帯電話を使っていたのだ。ソーシャルメディアによって、生徒間の対立はほとんどすべて悪化していた。廊下やカフェテリアを見ると、スクリーンにかじりつく生徒がほぼ必ず目についた。 そこで2023年12月、ドルフィンは思い切った決断をした。携帯電話の使用を禁止したのだ。生徒や保護者の一部からは反発を受けた。しかし、この実験はすでに予想以上に大きな成果を生んでいる。

                                                      米中学校の副校長は、どうやって全校生徒の「スマホ中毒」を止めたのか? | スマホを手離し、会話を始めた生徒たち
                                                    • 新しい「働き方」だけでなく、新しい「余暇の過ごし方」を考えてみよう | リンダ・グラットン「新時代のワーク&ライフ」

                                                      『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT──100年時代の人生戦略』の著者リンダ・グラットンが、変化の激しい現代のワーク・ライフ・バランスを論じる連載。 生成AIによる仕事効率アップや働き方改革の影に隠れた、「働き方」と同じくらい重要なこととは? 私たちはそれに充分に向き合えているのだろうか──。 古代ローマ人の「余暇の哲学」 ポンペイに行く人は多いが、ヘルクラネウムを訪れる人は少ない。 ローマ帝国のビーチリゾートだったこの街は、西暦79年のベスビオ山噴火によって、火山灰と火砕流に埋もれてしまった。そのため当時の様子がそのまま残っており、私たちはそこを散策することができる。じっくり遠回りするのがいいだろう。 ガイドが言うように、この街はカントリークラブの特徴をすべて備えている。壮大なプール、リラックスにもってこいの浴場施設、それにきらめく地中海の景色が楽しめるテラス。 目立つ場所には、古代

                                                        新しい「働き方」だけでなく、新しい「余暇の過ごし方」を考えてみよう | リンダ・グラットン「新時代のワーク&ライフ」
                                                      • LA超高級スーパー「エレウォン」がカルト的な人気を得たビジネス戦略 | スムージーが一杯3000円でも列が絶えない…

                                                        米国ロサンゼルスにある高級スーパー「エレウォン」がカルト的な人気を得ている。一杯3000円のスムージーを買う客も列が絶えない。その大きな人気を得ている背景にはビジネス上の戦略があった。 噂は本当だった。絶大な人気を誇るロサンゼルスの超高級オーガニックスーパー「エレウォン」で買い物している客は皆モデルのようにおしゃれで美しい。 その美しい客たちはハイリー・ビーバーやケンダル・ジェンナーがデザインした20ドル(約3000円)のスムージー、エレウォンのロゴが付いたトートバッグを買うために次々とやってくる。まるで客はみな、芸能人やTikToker、ニポベイビー(親のコネクションでセレブの名声を得た人たち)のようだ。

                                                          LA超高級スーパー「エレウォン」がカルト的な人気を得たビジネス戦略 | スムージーが一杯3000円でも列が絶えない…
                                                        • エアコンなしでも室温を大幅に下げられる「驚くべき古代の建設技術」とは | 灼熱の南スペインで再び導入

                                                          92年のセビリア万国博覧会時に建設された施設に、古代の冷却技術を導入 Photo: @cartujaqanat / X 古代ペルシアの冷却技術 スペイン南部の街セビージャでは、夏には40度を超えるような暑い日々が続く。そんな同市には、エアコンを使わずに室温を10度近くも下げられているエリアがあると、米メディア「ブルームバーグ・グリーン」は報じる。 市の中心部から2キロほどのところにある「カルトゥーヤ・カナート」という場所だ。サッカー場2つ分の広さの敷地に、円形劇場、講堂、緑地、遊歩道、ベンチが設けられ、あちこちに日陰ができている。ここでは太陽光発電を使って、空気と水を循環させることで気温を下げているという。 地区全体に日光を遮り、熱をためこまないようにするさまざまな技術が導入されているが、特に注目すべきは、古代ペルシアの技術が応用されていることだ。3000年前、ペルシア人は地下20メートル

                                                            エアコンなしでも室温を大幅に下げられる「驚くべき古代の建設技術」とは | 灼熱の南スペインで再び導入
                                                          • 英選挙戦に出馬している人工知能の候補者「AIスティーブ」って何者? | 「有権者はAIを恐れるべきではない」

                                                            7月4日に投開票がおこなわれる英国の総選挙に、かつてない候補者が出馬している。その名も「AI Steve(AIスティーブ)」、人工知能の政治家だ。 「格言にもある通り、政治は政治家に任せておくには重大すぎる問題だ。イングランド南部のビジネスマンが、英国総選挙で初のAI国会議員として立候補するという斬新な解決策を提案しているのは、このためかもしれない」と英紙「ガーディアン」は報じている。 AIスティーブを作ったのは、AI音声企業「ニューラル・ボイス」の会長であるスティーブ・エンダコット(59)だ。エンダコットの政党「スマーターUK」は、選挙管理委員会の都合によって登録が間に合わなかったため、AIスティーブは無所属で立候補することになる。 「すべての有権者と話せる」候補者 AIスティーブは、エンダコットの姿や声を再現したアバターだ。有権者はAIスティーブに24時間いつでも意見を伝え、質問をし、

                                                              英選挙戦に出馬している人工知能の候補者「AIスティーブ」って何者? | 「有権者はAIを恐れるべきではない」
                                                            • 【時事英語】“Revamp”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                                              最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年7月28日(日)の「CNN」に次の見出しがありました。 US to revamp military forces in Japan in ‘historic’ move as regional tensions mount

                                                                【時事英語】“Revamp”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                                              • 「ISのテロリストの妻たちは、しばしば男たちより残酷だった」 | 地獄に積極的に加担した女たち

                                                                行方知れずの子供たち 生還者たちはいまもフラッシュバックに悩まされ、その意味において、過去に閉じ込められたままだ。若いシリン・カレフが顔を隠して証言するのは、いつの日か、ISが別の形で復活するのを恐れてのことだ。 彼女の話は、2014年8月4日の恐怖の夜に、ヤジディ教徒たちが暮らす土地がISの手に落ちるところなど、ほかの女性の話と重なる部分が多い。話の脈絡が追えなくなるときもあったが、話の核となる部分は、子供と引き離されたときのトラウマがいまも頭を離れないことだ。 「いちばんつらかったのは、二人の子供と引き離されたときでした。子供たちはイラクへ、私はシリアへ連れていかれました。シリアにはハーレムがあり、女性が売買される市場がありました」 シリンはシンジャール近郊のドメスという場所で、二人の子供とともにISに捕まった。妊娠中だった彼女は、ランブシ村に連れていかれ、そこで3日過ごした後、イラク

                                                                  「ISのテロリストの妻たちは、しばしば男たちより残酷だった」 | 地獄に積極的に加担した女たち
                                                                • “反・脱成長的”な米国で、斎藤幸平の脱成長理論が直面する「厳しい批判」 | そのマルクス解釈は本当に正しいのか

                                                                  資本主義とは相いれない 斎藤はベルリンのフンボルト大学に留学し、エコロジーに関するマルクスの視座についての研究で博士号を取得した。2016年には、マルクスの「エコソーシャリズム」に関する学術書を出版。同書の英訳版は、マルクス主義の伝統に基づいた著書に対して与えられる権威ある賞、ドイッチャー記念賞を受賞した。 同時期、環境活動団体のあいだで数十年にわたり議論されていた脱成長理論が、ヨーロッパでブームとなった。斎藤はティム・ジャクソンやギオルゴス・カリス、ケイト・ラワースなどの著作を読みはじめたが、これらの理論家はみな、地球という惑星には限界があり、人類がそれを超えてしまえば大きな混乱は避けられないと主張している。 それまでも、トマス・マルサス以降の思想家たちは人口拡大の限界について語ってきたし、ときにはそこに物議を醸す主張が含まれていた。たとえば、ポール・エーリックは1968年のベストセラー

                                                                    “反・脱成長的”な米国で、斎藤幸平の脱成長理論が直面する「厳しい批判」 | そのマルクス解釈は本当に正しいのか
                                                                  • イスラエルのアラブ系住民はいま「殺されるかもしれない恐怖」を抱えている | 仕事にも行けず、経済的にも困窮

                                                                    アラブ系住民に対する激しい仕打ち イスラエル紙「ハアレツ」によると、10月7日のハマスによる大規模攻撃後、イスラエルではアラブ系住民への差別が強まり、さまざまな事件が起きている。 2023年のイスラエル統計局のデータによると、イスラエルの人口の21%をアラブ系住民が占める。しかし、少数民族である彼らはこれまでも差別されてきた。同国政府は2018年、同国を「ユダヤ人の国」とする法律を可決し、彼らの話すアラビア語は公用語から外された。過去にイスラエルとハマスが衝突した際にも、アラブ系住民に対する嫌がらせや暴力事件が急増していた。 現在、イスラエルのアラブ系住民は、ユダヤ系の住民との接触を恐れている人が多いという。なかには罵声を浴びせられて脅されたり、襲撃されたり、殺人の脅迫を受けたりする人もいる。暴力を恐れて仕事に行けなくなったり、解雇されたりして、経済的にも不安定な状態に追い込まれる人が増え

                                                                      イスラエルのアラブ系住民はいま「殺されるかもしれない恐怖」を抱えている | 仕事にも行けず、経済的にも困窮
                                                                    • 【解説】国際社会が「無視」するスーダンの内戦では何が起きているのか | 数ヵ月以内に23万人が餓死する可能性

                                                                      世界の目がイスラエルとハマス、そしてロシアとウクライナの戦争へ向いているなか、2023年4月から続いているスーダンの内戦は状況が悪化し続けている。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は同国で「大量虐殺がおこなわれている可能性が高い」と警告し、支援の必要性を訴えた。 誰が戦っているの? スーダン政府軍(SAF)と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」の間で衝突が起きている。首都ハルツームで戦いが勃発し、国中へ広がった。 米メディア「ヴォックス」によれば、なかでも西部のダルフールでは「アラブ人が多数派であるRSF戦闘員が、地域の少数民族を標的にした殺人と性的暴力をおこなったとして告発されている」という。

                                                                        【解説】国際社会が「無視」するスーダンの内戦では何が起きているのか | 数ヵ月以内に23万人が餓死する可能性
                                                                      • 長続きする恋愛関係を築きたいなら、まずはこの性格診断を受けるべし | 【モダン・ラブ】愛とは複雑なもの

                                                                        占星術や血液型など、自分の性格や人との相性を診断する方法は、無数にある。そんななかでも筆者が信頼を置くのが、半世紀以上前に米国で提唱され、現在も使われているマイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標(MBTI)だ。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 性格診断に夢中になったワケ 3度目のデートの後、クレアに診断を受けてほしいと言った。 私たちの関係は順調だった──手と手が触れ合い、膝と膝がかすめ、頭と頭が近くにあった。家に帰ってひとりでベッドに倒れ込む頃には、これはいけるんじゃないかと思って顔が火照った。かなり酔ってもいたけれど。 クレアは16性格診断に興味をもったみたいだったから、彼女にそのリンクを送った。それからメモアプリを開いて、診断結果を予測して「クレア、INFP」

                                                                          長続きする恋愛関係を築きたいなら、まずはこの性格診断を受けるべし | 【モダン・ラブ】愛とは複雑なもの
                                                                        • 中国の脅威に備える「在日米軍の司令部」設立で日米の関係はどう変わる? | 「マッカーサーを思い出させる施策だ」

                                                                          在日米軍と自衛隊の連携を円滑にするための「統合司令部」の創設が、日本と米国それぞれで進んでいる。英誌「エコノミスト」はこの軍事連携を「マッカーサーを思わせる施策だ」と報じる。中国の脅威を受け、両国は今後どのように協力を図るのだろうか。 平時の体制が一変 太平洋最大の米軍基地である嘉手納基地は、中国がミサイルを発射した中国沿岸から約650キロの位置にある。 公園で遊ぶ子供たちの頭上を、パトロール中の軍用機がひっきりなしに横切っていく。とはいえ、日本国内の米軍はベトナム戦争が終結してからというもの、ずっと平時編制だった。 しかし、状況は7月28日に一変した。米国防長官のロイド・オースティンが、在日米軍に作戦指揮権を持つ「統合軍司令部」を新設すると発表したのだ。日本の防衛力強化がねらいだ。 これは、オースティンの言葉を借りれば「歴史的」な大ニュースだった。日米両国が中国の軍事力に危機感を抱いてい

                                                                            中国の脅威に備える「在日米軍の司令部」設立で日米の関係はどう変わる? | 「マッカーサーを思い出させる施策だ」
                                                                          • メディアが弱体化して民主主義が揺らげば、日本の国力はさらに低下する | 『報道弾圧』は対岸の火事ではない

                                                                            生き残るためには「取材」をすべき ──生成AIが急速に普及するなか、メディア業界でもこの技術をどのように活用していくかという議論が起きています。AIが記事を作成するようになった場合、記者の存在意義が薄まる可能性も指摘されています。また、情報の正確性の見極めが難しくなるという懸念もあります。こうした状況をどのように見ていますか? 個人的には、生成AIは慎重に使うべきだと考えています。記者の役割はできる限り一次情報に近づき、自分で見聞きしたことを、自分の言葉で伝えることで、その基本はいまも変わっていません。 そこを安直にAIに頼れば物事の本質を見誤る可能性がありますし、記者の存在価値を自ら下げることになります。出所がはっきりしない情報を使ってフェイクを流すという行為は、記者として、メディアとしてあってはならないことです。 翻訳やリサーチなどの作業を効率化するといった活用方法はよいと思いますが、

                                                                              メディアが弱体化して民主主義が揺らげば、日本の国力はさらに低下する | 『報道弾圧』は対岸の火事ではない
                                                                            • 【解説】民主党の副大統領候補に選ばれた「素朴なおじさん」は何者? | あらゆる点で「ちょうどいい」

                                                                              米大統領選挙の民主党の副大統領候補として、カマラ・ハリスはミネソタ州のティム・ワルツ知事(60)を指名した。名前をほとんど知られていなかった彼が、約二週間のあいだにメディアやSNSで露出を増やし、副大統領候補に選ばれるに至ったのはなぜなのか。 中西部に影響力あり 副大統領候補選びにおいて重要視されるポイントの一つは、激戦州における影響力だ。 だがハリス陣営は、激戦州ではないミネソタ州知事のワルツを選んだ。ウィスコンシン州やミシガン州などの重要州で、中西部を地盤とするワルツが、白人労働者層や地方の有権者にも影響力を発揮することを期待しているのだろう。「ハリスはやや競争力のある州の出身者を選んだ」と米紙「ワシントン・ポスト」は報じている。

                                                                                【解説】民主党の副大統領候補に選ばれた「素朴なおじさん」は何者? | あらゆる点で「ちょうどいい」
                                                                              • 【時事英語】“Desert”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける

                                                                                最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年7月21日(日)の「CNN」に次の一文がありました。 Biden reached the decision to end his campaign after days in isolation at his Delaware beach house with Covid-19 and after watching many Democrats desert the president who led them to power just four years a

                                                                                  【時事英語】“Desert”ってどういう意味? | ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける
                                                                                • ジョナサン・グレイザー「人間性を奪われているのは加害者のほうだ」 | 『関心領域』監督が語るガザとイスラエル

                                                                                  「ナチスの家のビッグ・ブラザー」という手法 ジョナサン・グレイザーが『関心領域』(2024年5月24日から公開)の制作において困難だと感じたのは、自分自身が恐怖を感じる主題を映画にするための適切なアプローチを見つけることだった。 「ホロコーストの映画を撮ろうとする人たちに、私はかなり懐疑的です。自分自身に対しても例外ではありませんでした」と彼は言う。 結局、グレイザーは無駄を削ぎ落とした表現に落ち着く。これはユダヤ系ドイツ人哲学者テオドール・アドルノの、「アウシュビッツの後で詩を書くことは野蛮である」という言葉を思い出させる。『関心領域』には詩的な味付けはなく、救いになるような感傷もない。グレイザーは本作に「ドラマを入れたくなかった」と語る。 「ある男が、自分の愛する仕事から転属させられそうになる。この映画で起こるのは、ただそれだけのことです。男はそれに腹を立て、妻も家を離れたがりません」

                                                                                    ジョナサン・グレイザー「人間性を奪われているのは加害者のほうだ」 | 『関心領域』監督が語るガザとイスラエル