8月第1週の週末、真夏の風物詩〈8耐〉こと鈴鹿8時間耐久ロードレースが三重県の鈴鹿サーキットで開催された。今年で44回目を数えるこのレースで、29回の最多優勝回数を誇る陣営がホンダだ。 勝利数は、圧倒的である。鈴鹿8耐はホンダにとって最重要レースのひとつ、と位置づけられているだけに、レース活動を担うHRC(Honda Racing Corporation:ホンダレーシング)の首脳陣も揃って鈴鹿入りする。HRC社長渡辺康治氏も、土曜午前から鈴鹿のレース現場へ入った。日曜の決勝レースではファクトリーチームのTeam HRC with日本郵便が勝利し、2年連続優勝を達成した。 しかし、問題はMotoGPである。この世界最高峰の二輪ロードレース選手権で、ホンダは現在、かつてないほどの苦況に陥っている。 第9戦イギリスGP終了段階で、決勝レースの表彰台獲得は1回のみ。ライダーランキングの最上位選手は
ホンダは市販の四輪車を2040年までにすべてEV(電気自動車)もしくはFCEV(燃料電池自動車)にするという計画を打ち出している。そんな中で内燃機関……つまりエンジンを持つパワーユニット(PU)を使うF1に参戦するのは、方向性があべこべのようにも感じられる。 欧州も2035年までに販売される新車のすべてをEVにするという法案が採択され、一気のその方向へと進んでいた。しかし最近になって、eフューエルを使う内燃エンジンを搭載した市販車の販売を認める方向に舵を切っている。eフューエルは、基本的にはガソリンと同じように既存のエンジンで使うことができる燃料。つまり、従来の自動車が欧州市場に残る可能性が出てきたのだ。 モータースポーツでも、同じような流れがある。一時はEVの世界選手権であるフォーミュラEに、多くのメーカーが注目し、参戦した。F1は廃れ、吸収されてしまうのではないかという趨勢になったこと
中東バーレーンで2023シーズンのF1世界選手権が開幕。スタートで先頭を走るM・フェルスタッペン 3月5日、中東のバーレーンで開幕した2023年のF1世界選手権。昨年、ホンダと共に戦ったレッドブルとM・フェルスタッペンは圧倒的な強さで王座を獲得したが、今シーズンのタイトル防衛の自信は? そして気になるホンダF1の未来は......? ホンダ復活の立役者、浅木泰昭氏と芸能界きってのF1マニアとして知られる堂本光一が熱く語る! * * * ■現行ルールでも性能アップは可能堂本光一(以下、堂本) 今年からレッドブルとアルファタウリのパワーユニット(PU)名が「ホンダ・レッドブルパワートレインズ(RBPT)」となり、ホンダの名前が復活しました。開発の現場では何か変化はあったのですか? 浅木泰昭(以下、浅木) (21年シーズン限りで)撤退する前と現在はお金の流れが違うだけで、技術者のやることはまった
ホンダは、2026年にHRC(ホンダ・レーシング)として“正式”にF1活動を再開する可能性が報じられている。 現在、チャンピオンシップをリードするレッドブル・レーシングは、ホンダが2021年末にF1から正式に撤退した後、ホンダが設計および組み立てたエンジンを使用しており、2025年の現在のルールサイクルが終了するまでこれらのエンジンを使用し続けている。 レッドブルは、2026年に向けて最初の社内F1エンジンを構築するために新しいパワートレイン会社レッドブル・パワートレインズを設立し、その施設はすでに300人以上のスタッフに成長している。 ポルシェは2026年以降、レッドブルとエンジンとチームの面で対等なパートナーになることを望んでいたが、レッドブルが支配権を譲りたくなかったため、交渉は終了した。 正確な順序がどうであれ、状況が大きく変化したのは 2022年の半ば頃だったと推測されている。組
MotoGPに参戦するホンダは、ここ数年苦しいシーズンが続いている。2023年もランキングの最下位のポジションを争う状況になっているが、HRC(ホンダ・レーシング)としても大きな問題と認識し、統合された四輪部レース門の力も使って改善すべく取り組みを進めているようだ。 MotoGPにおけるホンダの苦戦ぶりは、コンストラクターズランキングにはっきりと表れている。2022年は最下位、2021年は4位、2020年は5位とここ数年は下位争いが定位置となっており、2023年も9戦を終えた時点でヤマハと共に最下位を争うポジションとなってしまっている。 今年、ホンダはアメリカズGPでアレックス・リンス(LCRホンダ)が勝利を収めているものの、これは彼のライディングスタイルがCOTAにおけるRC213Vの問題を覆い隠してしまった“例外”のようなモノだ。 そしてそのリンスは、ホンダからのサポートに不満をおぼえ
2021年、レッドブル・ホンダとしてドライバーズタイトルを勝ち取りF1活動を終了させたホンダ。ただ翌年以降もHRC(ホンダ・レーシング)による技術支援という形でF1への関与を続けており、今季も“ホンダRBPT”製のパワーユニットを積むレッドブルが選手権を圧倒しているが、この協力関係も2025年を最後に終了することが決まっていた。 そんな中、ホンダは2026年から新たなパートナーとタッグを組んでF1に参戦することとなった。それがアストンマーチンだ。同チームは現在メルセデス製PUを使用しており、今季はフェルナンド・アロンソがコンスタントに表彰台を獲得するなど上り調子だ。 今回の決定について、三部社長は次のようにコメント。2021年限りでのF1参戦終了の理由であった、社内でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みは継続しているものの、F1を取り巻く環境にも変化があったため、再度の参戦に至ったと
株式会社ホンダ・レーシング(以下、HRC)は、2026年シーズンからのFIA※1フォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)参戦に向けて、F1パワーユニット(以下、PU)のメンテナンスやマネージメントを行うための新会社「Honda Racing Corporation UK Ltd. (ホンダ・レーシング・コーポレーション・ユーケイ・リミテッド 以下、HRC UK)」を英国に設立しました。 Hondaは、Aston Martin Aramco Formula One® Team(アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ・ワン・チーム)※2と、2026年から施行される新レギュレーションに基づくPUを供給するワークス契約を締結しており、HRCがPU開発とレース参戦・運営を行います。HRC UKの設立は、2026年シーズンからのF1参戦準備の一環となります。 HRC UKは、PU開発を担うHRC
株式会社ホンダレーシング(HRC)とFIM※1ロードレース世界選手権 MotoGPクラスに参戦しているマルク・マルケス選手(スペイン30歳)は、2023年のシーズンをもって、両者で締結している4年契約を早期終了させることで互いに合意しました。 HRCとマルク・マルケス選手との4年契約は、まだ1年残っているものの、両者はそれぞれの目標とゴールを達成するためには、別の道を追求することが最善であるとの結論に達し、2023年のシーズン終了をもって、その協力関係を終了することで合意しました。 これによりHRCとマルク・マルケス選手の11年間におよぶ協力関係に終止符が打たれることとなりました。両者はこれまで※2にMotoGPクラスで通算59勝、101回の表彰台登壇、64回のポールポジション獲得を果たしています。また通算6度のライダー・チャンピオン戴冠を果たし、うち5回は三冠(ライダー、コンストラクター
レッドブル・レーシングが1-2フィニッシュで圧勝したF1ベルギーGPの表彰台にHRC(ホンダ・レーシング)の吉野誠さんが登壇。チームを代表してコンストラクターズトロフィーを受け取った。 今年、レッドブル・レーシングはHRCが日本で製造したF1パワーユニットを搭載。吉野誠さんは、サポート業務を行うホンダ側のマネージャーとして、レッドブル・パワートレインズとやり取りしている。レッドブル・レーシングは「パワーユニットチーフ」として吉野さんを紹介している。 レッドブル・レーシングのF1代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、コンストラクターズトロフィーを受け取るスタッフを各レースにちなんだスタッフを登壇させており、今回は吉野誠さんが選ばれた。 今年のレッドブル・レーシングは、伝統的に弱かった直線スピードで優位に立っており、それはホンダの2022年型のパワーユニットが貢献していると言っても過言ではない
ホンダは、レッドブル・グループとモータースポーツのさらなる発展を目指して2022年以降にF1を含めたモータースポーツ領域を中心とした新たな協力関係について合意したことを発表した。 2020年10月2日に発表した通り、ホンダは2021年シーズンをもって、F1へのパワーユニットサプライヤーとしての参戦を終了し、F1で培った技術と人材を将来のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みにシフトしていく。 一方、モータースポーツ活動は変わらずホンダのDNAであり、参戦しているカテゴリーでのNo.1を目指しチャレンジを続けていくと同時に、モータースポーツそのもののさらなる振興に努めていく。今回のレッドブル・グループとの新たな協力関係は、そのホンダの取り組みのひとつとなる。 この合意では、ホンダがレッドブル・グループからの要請のもとに、ホンダのパワーユニット技術をレッドブル・グループが2022年以降のF1
マックス・フェルスタッペンが鈴鹿初優勝を遂げ、ドライバーズタイトル2連覇を確定させた2022年のF1日本GP。表彰式が終わってほどなく、HRC(ホンダ・レーシング)のスタッフがレッドブルガレージのピットレーン前に集結した。表彰式で受け取ったばかりの優勝トロフィを高く掲げた浅木泰昭氏(HRC四輪レース開発部長)を中心に、全員が歓喜の雄叫びを上げた。 その数、総勢11人。浅木氏ともう一人レッドブルに転職したスタッフを除けば、さらに9人に減る。レッドブルとアルファタウリに搭載されるホンダが技術支援をしたパワーユニットを、たったこれだけのスタッフがレース現場で担当しているのだ。ただし撤退前の去年も、「せいぜい2人多かった程度」だと、レッドブルを担当するHRCの湊谷圭祐エンジニアが教えてくれた。以前からずっと、少数精鋭だったということだ。
レッドブルF1は、2022年のF1世界選手権を戦うF1マシン『RB18』をお披露目した。 2021年のF1ワールドチャンピオンとなったマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスが2022年もコンビを継続するレッドブル・レーシングは2月9日(水)にRB18の発表イベントを開催して、2022年F1マシンを公開した。 昨年、マックス・フェルスタッペンが最終戦までタイトルを争ったことでメルセデスF1とは対照的にシーズン後半までアップデートを投入し続けたレッドブル・レーシングだが、エイドリアン・ニューウェイ率いるデザインチームは新レギュレーションの解釈に自信をみせている。 2021年は前年のシャシーを使用したため『RB17』という名称は欠番にして『RB16B』というマシン名を使用。RB18は18台目のマシン。エンジンはレッドブル・パワートレインズの名称となるが、中身はホンダF1が開発を続けているホ
2020年はマルク・マルケスの怪我による長期離脱もあり、未勝利に終わるなど非常に苦しんだホンダ。HRCのレース運営室室長である桒田哲宏は、2021年は飛躍の一年としようと意気込んでいたものの、計画通りには行かないシーズンだったと振り返っている。 今年1月、メディア取材に応じた桒田室長は2021年シーズンのマシン開発において、競争力の不足からマシンを大きく変えていくことになったと明かした。 なお2021年型マシンの開発に際しては、2月に予定されていたセパンテストがコロナ禍によって中止されてしまったこともあり、結果的に開発を前倒しするという展開に繋がったという。 「テストもコンディションが悪く、準備したアイテムを評価できず、シーズンが始まってからそれらの評価をしていったので、出遅れてしまったというところはあると思います」 桒田室長はそう語っている。 「(2021年型マシンに)色々なアイテムを投
2021年限りでF1活動を終了したホンダだが、2022年もレッドブルグループへの支援は継続して行なう予定で、それらもHRCで担う形となる。 HRCに四輪部門が追加されることによる変化は、これまで具体的には語られてこなかった。ただこれまで別組織で動いていた四輪と二輪部門の交流が加速し、技術的なメリットが出てくるのではないかという考えも浮かんでくる。 HRCの取締役であり、レース運営室室長である桒田哲宏は1月13日にメディアからの取材に応じ、四輪レース機能追加に際し、以前から四輪部門の技術で目をつけていたモノなどはあったのかと尋ねられた。 すると、彼は今すぐには無いが、エンジン開発のノウハウは何か活かせるモノがあるのではないかと答えた。 「今までも、我々は互いに技術的な交流はしていて、現時点でこれ、というモノは無いと思います」と、桒田室長は語った。 「彼らは今エンジンの開発を基本でやっているん
12月12日に来季2024年のスーパーGT、および全日本スーパーフォーミュラ選手権のドライバーラインアップを発表したホンダ/HRC(ホンダ・レーシング)。既報のとおり、スーパーフォーミュラにデビューすることになった木村偉織や、GT500クラスに初参戦する佐藤蓮、大草りきといった若手ドライバーの起用が注目されるなか、メディア向けブリーフィングにおいて、このような体制を敷いた理由が渡辺康治HRC社長の口から語られた。 来シーズンのスーパーGTでは5台の『ホンダ・シビック・タイプR-GT』を新たに導入しGT500デビューイヤーでのチャンピオン獲得、2020年以来の王者奪還を目指すホンダ陣営においては、同じく12日(火)に国内モータースポーツの体制発表を行なったTOYOTA GAZOO Racingに移籍した大湯都史樹と福住仁嶺の後任ドライバーが誰になるかが焦点となっていた。
The LCR Honda CASTROL Team are pleased to announce the signing of Álex Rins on a two-year contract with Honda Racing Corporation. The 26-year-old from Barcelona has established himself as a consistent front-runner in all Grand Prix classes and finished 3rd overall in the 2020 MotoGP World Championship. Making his debut in 2012 with Honda in the Moto3 World Championship, Rins battled for the lightw
HRCとマルク・マルケスは遂にその袂を分かつ。両者は2024年末まで4年契約を結んでいたわけだが、両者の合意により2023年末でその契約を終了する。HRCとマルク・マルケスはこの4年契約を1年早く解消することが、両者にとって互いのゴール、ターゲットを達成するために最適な決断であると合意に至った。[adchord] ホンダとマルク・マルケスとのコラボレーションは実に11年間に渡った。マルク・マルケスはホンダと共に6度のMotoGPクラスの世界タイトルを獲得しており、現在までに5回の3冠達成、59勝、101回の表彰台、64回のポールポジションを獲得している。 マルク・マルケスがMotoGPクラス初優勝を飾ったのは2013年のアメリカズGPで、これは最高峰クラスの最年少優勝となり、その年の終わりに最年少での最高峰クラスチャンピオンに輝いた。 2014年はマルク・マルケスにとって最高の1年となり、
ホンダのお膝元、三重県・鈴鹿サーキットでのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のチャンピオン連覇を受け、渡辺康治HRC代表取締役社長が祝福のメッセージを贈った。 10月9日に行われたF1第18戦日本グランプリではフェルスタッペンがトップチェッカーを受け、2年連続2回目のドライバーズチャンピオンを獲得した。 Courtesy Of Red Bull Content Pool 優勝してチャンピオンを勝ち取ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にシャンパンをかけるセルジオ・ペレス、2022年10月9日F1日本GP ホンダは昨年末を以てパワーユニット・サプライヤーとしての活動に終止符を打ち、F1世界選手権の表舞台から姿を消した。 ホンダの撤退を受け今年、レッドブル・レーシング及びスクーデリア・アルファタウリにパワーユニット(PU)を供給しているのはレッドブル・パワートレインズ(RBPT)
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