新緑の間を走るトロッコ。旧国鉄美幸線のレール上を往復10キロ走行し、廃線した鉄路から見る大自然を体感できる=北海道美深町で2024年7月8日、貝塚太一撮影 「日本一の赤字ローカル線」といわれ、1985(昭和60)年に廃線となった美深町の旧国鉄美幸(びこう)線(21・2キロ)。遺産を生かそうと、98(平成10)年に本物のレール上をエンジン付きのトロッコに乗って楽しむ観光施設「トロッコ王国美深」が誕生した。それから四半世紀――。全国で廃線が増える中、廃線を活用した先駆的な取り組みに他自治体からの視察が増えている。 トロッコの走行区間は、路線の終着駅だった旧仁宇布(にうぷ)駅からの廃線区間で往復10キロ。トロッコを用いる「鉄路体験乗車」としては、日本一の長さを誇る。普通自動車運転免許があれば、運転ができるため、手軽に楽しめると評判だ。夏休みや連休は王国にある18台のトロッコがフル稼働することもあ