研究チームは2015年から野生のベニガオザルの観察調査を続けている。23年1月の調査中、死んだオトナのメスの個体を偶然発見したある個体が交尾行動を始め、その様子の記録に成功した。その後3日間観察を続けたところ、計3頭のオスが死んだメスの個体と交尾行動をする事例を4例記録できたという。 (a)1匹目のオスの個体(TRD-M48)がメスの死体の顔をのぞき込み、かみつきながら交尾に及んでいる様子、(b)TRD-M48が交尾する際に、交尾中によく見られる表情(Teeth-chattering)を示している様子、(c)2匹目のオスの個体(TNG-M13)が死体に向かって膣内視察行動を行った後、Teeth-chatteringを示しながら交尾を開始する様子、(d)TNG-M13が腰を浮かせて遺体を抱きかかえるようにして交尾を行う様子、(e)3匹目のオスの個体(NDM-M49)が遺体の背中を突き、膣への