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  • 250 ──韓国からポンチャックの救世主、イオゴン待望のアルバムが発売開始 | ele-king

    昨年ニュース出ししたところ、あまりの反響の大きさに編集部も驚きの韓国でポンチャック(韓国演歌・ミーツ・テクノ)・リヴァイヴァルを先導する男、250(イオゴン)。これぞ真の韓流なのだと言わんばかりの、とんでもない力作がついに完成した。アルバム名はシンプルに、『ポン ppong』だ。 『ポン』には、電気グルーヴのファンにはお馴染みのイ・パクサも参加。また韓国ジャズ界の大物、イ・ジョンシクをはじめ、韓国大衆音楽における重鎮たちが何人も参加している。コロナに戦争と、こんなとんでもない時代、音楽と笑いをありがとう。まずはこちらで購入可。 ‘ロイヤル・ブルー (Royal Blue)’ 本作には、韓国大衆音楽の象徴的な存在であり、近年欧米でも再評価の機運が高まっているギタリスト・作曲家のシン・ジュンヒョン、韓国の「国民歌手」チョ・ヨンピル(チョー・ヨンピル)の80年代の代表曲「ソウル・ソウル・ソウル」

      250 ──韓国からポンチャックの救世主、イオゴン待望のアルバムが発売開始 | ele-king
    • 映画:フィッシュマンズ | ele-king

      監督:手嶋悠貴 企画・製作:坂井利帆 出演:佐藤伸治 茂木欣一 小嶋謙介 柏原譲 HAKASE-SUN HONZI 関口“dARTs”道生 木暮晋也 小宮山聖 ZAK 原田郁子(クラムボン) UA ハナレグミYO-KING(真心ブラザーズ) こだま和文 配給:ACTV JAPAN/イハフィルムズ 2021/日本/カラー/16:9/5.1ch/172分 ©2021 THE FISHMANS MOVIE 現在上映中 <公式HP> https://fishmans-movie.com <公式Twitter> https://twitter.com/FishmansMovie <公式Facebook> https://www.facebook.com/fishmansmovie <公式Instagram> https://www.instagram.com/fishmansmovie/ ジェイムズ

        映画:フィッシュマンズ | ele-king
      • たった一人のパンク・ロック | ele-king

        最初に結論を──Kazuma Kubota のノイズは人間讃歌である。 本稿はその命題から始められ、その命題に向かって終えられる。 * Kazuma Kubota。日本のハーシュノイズ作家。 フィールド・レコーディングとアンビエント・サウンド、具体音とカットアップ・ノイズを、高度に・複雑に・立体的に──繊細な織物のように──、高い解像度で組み上げたスタイルを築き上げたその作家は、ノイズ音楽シーンに新たな地平を切り拓き、東西南北・老若男女問わず、多くのノイズ作家に影響を与え続けている。 たとえば──伝説的ノイズ・ミュージシャンと言って過言ではないであろう──非常階段/INCAPACITANTS の美川俊治は、Kazuma Kubota の作品集『Two of a kind』に次のような言葉を寄せて絶賛している。 「Kazuma Kubota、この名前は覚えておいた方が良い。年寄りが跳梁跋扈す

          たった一人のパンク・ロック | ele-king
        • interview wuth Geoff Travis and Jeannette Lee | ele-king

          Home > Interviews > interview wuth Geoff Travis and Jeannette Lee - 〈ラフ・トレード〉が語る、UKインディ・ロックの現在 以下に掲載する記事は、2021年7月に刊行された別冊エレキング『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの世界』に掲載の、〈ラフ・トレード〉の創始者、ジェフ・トラヴィスと共同経営者ジャネット・リー(『フラワーズ・オブ・ロマンス』のジャケットで有名)、ふたりへのインタヴューです。現在のUKインディ・ロック・シーンに何が起きているのか、UKインディに起点を作った人物たちがそれをどう見ているのか、じつに興味深い内容なのでシェアしたい思い、ウェブで公開することにしました。 〈ラフトレード〉については日本でも多くの音楽ファンがその名前と、だいたいの輪郭はわかっていると思う。しかしながらこのレーベルが、マルクス主義とフェミ

            interview wuth Geoff Travis and Jeannette Lee | ele-king
          • ジャン=リュック・ゴダールの革命 | ele-king

            ele-king編集部(編) 2023/2/21 本体 1,800円+税 ISBN:978-4-910511-40-5 誰よりもかっこよくポップで常に新しく倫理的だった映画作家 『勝手にしやがれ』での鮮烈なデビュー以来、常に映画を革新してきた戦後最大の映画革命家、ジャン=リュック・ゴダールが2022年9月13日、91歳で自らの意志により生涯を閉じました。 ヌーヴェル・ヴァーグの旗手としての華々しい登場以来およそ60年にわたり、大きな存在感を示し続けたこの偉大な映画作家について、フィルモグラフィー紹介とコラム、対談記事でその全貌に迫ります。 対談:浅田彰+菊地成孔 鼎談:阿部和重+佐々木敦+中原昌也 執筆:堀潤之、後藤護、真魚八重子、渡邉大輔、上條葉月、西田博至、児玉美月、山本貴光、細馬宏通 目次 Biography ジャン=リュック・ゴダールの映画的人生 (堀潤之) 対談 浅田彰+菊地成孔

              ジャン=リュック・ゴダールの革命 | ele-king
            • interview with Nubya Garcia | ele-king

              2010年代後半以降の音楽、その見過ごせない潮流のひとつにUKジャズがある。先日エズラ・コレクティヴがジャズ・アーティストとして初のマーキュリー・プライズ受賞を果たしたのは、かれらの活動だけが評価されたからではないはずだ。それはシーン全体が無視できない成果をあげてきたことの帰結であり、ムーヴメントが成熟に至ったことの象徴だったのではないか。 さまざまなプレイヤーやグループが切磋琢磨し、それぞれの独創性を追求しつづけている。あまたの才能ひしめくなか、サックス奏者のみに的を絞るなら、筆頭はシャバカ・ハッチングスとそして、ヌバイア・ガルシアということになるだろう。まさにエズラ・コレクティヴとも浅からぬ関係にある彼女だけれど、その音楽を特徴づける要素のひとつにダブがある。ブルーノート東京での3日連続公演の中日、10月3日のステージでもそれはひしひしと感じられた。バンドはサム・ジョーンズ(ドラムス)

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              • コロナ恐慌を機に高まった「政府は金を出せ」の声 | ele-king

                実際に、今ほど魅力的で「プログレッシブ」な瞬間もないでしょう。 なぜなら、問題は「どうやって支払うのか」ではないと示されたからです。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員 「財政の絶大な力」を、今こそ発揮させるべきだ。 この国はずっと死にかけていたのに、コロナ恐慌を機に覚醒したかのように、「政府はもっと金を出せ」と言う人たちが突如として増えた。新聞やテレビの報道でも「現金給付」や「消費減税」を求める視聴者や識者、コメンテーターの声が伝えられ、彼らが「ポピュリズム」だと揶揄して憚らなかった積極財政を後押しし、財政の門番ケルベロスのように座して動かなかったプライマリーバランス(基礎的財政収支)を覆そうとしているようだ。NHKでさえ「新たな借金に頼らざるを得ない状況と言えそうだ」として、緊縮財政の宣伝機関としての看板を下ろそうとしている。 しかし、彼ら緊縮財政派の脳内にあった「財政破綻の危機」

                  コロナ恐慌を機に高まった「政府は金を出せ」の声 | ele-king
                • Hi Tech | ele-king

                  いまさら言うことでもないが、90年代とはじつに狂った時代で、ぼくはダンスの現場で何度も何度も衝撃を受けている。たとえば1992年のロンドンのジャングル、1993年のブリクストンでのジェフ・ミルズ、こうしたパーティではDJ/音楽もさることながら、集まっている人間たちの身体から吹き出る大量の汗と、なかば常軌を逸したパワーというかほとばしるエネルギーというか、その場全体の何もかもがぶっ飛び過ぎていた。で、えー、それから、フライヤーなしのイリーガルなレイヴ・パーティ(倉庫でも、あるいは野外でも)とか、ここでは書きたくない驚倒した経験がいくつもある。自分で言うのもなんだけど、そんな経験豊富なぼくにとって、とくに仰天したほどの経験が何だったかと言えば、1997年9月にマイク・バンクスの案内で侵入した、デトロイト市内のゲットーテックのパーティだった。 いや、あれを「経験」とは言えないな。どんなに狂ってい

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                  • Everything But The Girl | ele-king

                    トレイシー・ソーンとベン・ワットによるエヴィリシング・バット・ザ・ガール(EBTG)が新しいアルバム『Fuse 』を4月21日にリリースする。これは1999年の『Temperamental』以来の新作で、EBTGにとっての通算11枚目のアルバムとなる。 先行で発表されたシングル曲“Nothing Left To Lose”は、ハウス・ミュージックの影響下にあった90年代のEBTGの延長にあり、アルバムの内容も、エレクトロニックであり、ソウルであるという。 以下、レーベルの資料からの抜粋です。 2021年の春から夏にかけてベン・ワットとトレイシー・ソーンによって書かれ、制作された『Fuse』は、バンドが90年代半ばに初めて開拓した艶やかなエレクトロニック・ソウルを現代的にアレンジしたものとなっている。 サブ・ベース、シャープなビート、ハーフライトのシンセ、空虚な空間からなるワットのきらめくサ

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                    • キング・タビー――ダブの創始者、そしてレゲエの中心にいた男 | ele-king

                      ティボー・エレンガルト(著)鈴木孝弥(訳) 2024/5/31 本体 3,800円+税 ISBN:978-4-910511-73-3 Amazon 全レゲエ・ファン必読 全世界に影響を与えた彼は、 いったいどんな人物で、 どんな人生を歩んだのか、 ダブ・マスターの謎に包まれた生涯が いま明らかになる…… *未公開写真多数 キング・タビーはラスタではなかった。彼はマリファナも吸わなかった。ジャマイカから一歩も外に出ず、人生の大半をキングストンの狭い域内で送った。そんな彼の人生は、主要なふたつの “共鳴箱” を介して地球の果てにまで “エコー” のように反響している。そのふたつとは、キングストンのウォーターハウス地区と、サウンド・システムの文化的叙事詩だ。彼のジャマイカ人としてのメンタリティが、彼のエスプリを、芸術を、プロジェクトを形作った。ダブはローカルな囃子であり、それが最終的に全世界を揺

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                      • Global Communication | ele-king

                        作品を作るのは作者だというのは、もちろんそれはそうだがぼくは必ずしも正しくないと思っている。パンク、それにハウスやテクノやレイヴ・カルチャーといったムーヴメントを通して音楽を聴いてきた経験からすると、作品を作るのは時代であるという言い方もできたりする。時代はときにとんでもない名作を生んでしまうものだ。グローバル・コミュニケーションの『76:14 』はまさにそうした1枚だと言えるだろう。 『76:14』に関して、ぼくには良い思い出がある。1997年9月に初めてデトロイトを訪れたときのこと、デリック・メイの〈トランスマット〉のオフィス(といっても自宅兼用だったが)の扉を開けて階段を上り、狭いながらもデスクが並んだ事務所に入ったとき、当時そこで働いていたのはニール・オリヴィエラで、かかっていたのは『76:14』だった。配信などない時代だからCDかレコードを再生していたのだろう。考えて欲しい。デト

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                        • 宇宙こそ帰る場所──新訳サン・ラー伝 | ele-king

                          ジョン・F・スウェッド(著)鈴木孝弥(訳) 2023/1/31 本体 3,980円+税 ISBN:978-4-910511-39-9 Amazon 世界で唯一にして決定版、サン・ラー評伝、待望の新訳 近年ますます人気を拡大し、生前以上に聴かれている稀なジャズ・アーティスト インディ・ロック・バンドからクラブ系のジャズ・バンドまでがカヴァーし、 レディ・ガガがその楽曲を引用するほど その幅広いリスナー層はマイルス・デイヴィスに匹敵する 自分は地球人ではないし、ましてや黒人でもない 家族もいないし、生まれてさえいない 生涯をかけて作り上げた寓話を生き抜いた音楽家の 彼が消し去った地球での全人生を描いた大著 モーダルなジャズから電子音、 サイケデリック、大アンサンブル、 フリー・ジャズ、そしてアフロフューチャリズムの原点…… その影響力と功績において 欧州ではマイルス、コルトレーンとならべて語ら

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                          • Moment Joon | ele-king

                            大前至 他人事として聞き流すのか、共鳴することはできるのか? 韓国出身で現在、大阪を拠点に活動しているラッパー、Moment Joon。これまで日本人の親を持ちながら海外で生まれ育った、いわゆる帰国子女のラッパーや、あるいは国籍としては日本人ではないものの、幼少から日本で育ってネイティヴな日本語でラップするラッパーというのは少なからず存在している。しかし、大学への進学を機に韓国から日本へ移住したという Moment Joon の場合はそのどちらにも属しておらず、(本人曰く)「移民者」ラッパーという非常に稀な立ち位置で、日本のヒップホップ・シーンにてその存在感を強烈に示している。日本では留学生という立場ではあるものの、ビザ取得の面など自由に平穏に滞在すること自体も容易なことではなく、また、日本での日常生活の中で直接的な人種差別も受け、その一方で韓国の成人男性にとっては国民の義務である兵役中に

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                            • R.I.P. Wayne Shorter | ele-king

                              モダン・ジャズの黄金時代である1950年代末から1960年代、エレクトリック・ジャズやフュージョンによって新時代を迎えた1970年代、そして現代に至るまで、長きに渡りテナー・サックス奏者の第一人者として活躍してきたウェイン・ショーターが、2023年3月2日に89歳の生涯を終えた。1933年8月25日にニュージャージー州ニューアークで生まれたショーターは、チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ファラオ・サンダースなどとともに、ジャズの歴史を動かしてきた真の伝説的なミュージシャンと言えるだろう。 ウェイン・ショーターの活躍期間は大まかに1950年代末のジャズ・メッセンジャーズ加入から1960年代中盤のマイルス・デイヴィス・クインテット時代、1970年代から1980年代中盤にかけてのウェザー・リポート時代、ウェザー・リポート解散後から現在に至るソロ活動期と分けられる。

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                              • 北中正和 | ele-king

                                音楽が好きなようにぼくはそれにまつわる音楽本も好きだ。それなりにたくさん読んでいる自負もある。ところが、考えてみればビートルズに関してはほんの2~3冊の関連書を読んでいるくらいで、評伝の類は一冊も読んだことがない。 そんなぼくもご多分に漏れずビートルズが嫌いであるはずがなく、世代は違うが影響されている。自慢じゃないがレコードだって所有しているし、まだdiscogs以前の安かった時代には英盤(mono盤)まで集めたりとか、こう見えてもそこそこマニアックな聴き方もしているのだ。 ビートルズから引き出せる真理のひとつは、いい子が悪い子になった音楽ほど多くの人を惹きつけるものはないということだ。作家のハニフ・クレイシが言うように(※)、いい子が悪い子になってたくさんの人を一緒に連れていってしまった。デビュー前のジョンは充分に荒々しいだろうという声もあろうが、彼らは逆境をバネに音楽をやっていたわけで

                                  北中正和 | ele-king
                                • interview with Kassa Overall | ele-king

                                  2019年にリリースされたジャズ・アルバムの中でも、ひときわ新しさと面白さに満ちた作品があった。カッサ・オーヴァーオールによる『ゴー・ゲット・アイス・クリーム・アンド・リッスン・トゥ・ジャズ』である。カッサはニューヨークで活動するジャズ・ドラマーだが、同時にラッパーやトラックメイカーとしての顔を持ち、『ゴー・ゲット・アイス・クリーム・アンド・リッスン・トゥ・ジャズ』にはそうしたふたつの要素が融合されていた。ヒップホップやエレクロニック・ミュージックを取り入れたジャズはもはや目新しいものではなく、そのスタイルも日々更新されている。そうした中で『ゴー・ゲット・アイス・クリーム・アンド・リッスン・トゥ・ジャズ』を見ると、ヒップホップの要素ひとつとってもエクスペリメンタルな要素が強いもので、メインストリーム的な色合いが強いロバート・グラスパーやクリス・デイヴなどとは異なっている。またそれだけにとど

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                                  • 岡田拓郎と増村和彦が語る「ひとりグリズリー・ベア」の魅力とは? | ele-king

                                    Home > Columns > 岡田拓郎と増村和彦が語る「ひとりグリズリー・ベア」の魅力とは?- ──ダニエル・ロッセン初のソロ・アルバムがリリース 初めて聴いたとき、背筋がぞわぞわした。そんな感覚を味わったのは久しぶりだった。ブラジル音楽あるいはフラメンコ、そのどちらでもありどちらでもないような不思議な時間を刻む、ギターにドラム。けれども軸はあくまでインディ・ロック。2019年、アフロなどからの影響をさりげなく、だが斬新にとりいれたグリズリー・ベアの意欲作『Painted Ruins(彩られた廃墟)』の、さらに先を冒険する音楽がここに鳴り響いている。バンド・サウンドのように聞こえるが、これをほぼひとりでつくり上げたというのだからおそろしい。 アニマル・コレクティヴやダーティ・プロジェクターズと並び、00年代後半のブルックリン・シーンを代表するバンドがグリズリー・ベアだ。そこにギタリスト

                                      岡田拓郎と増村和彦が語る「ひとりグリズリー・ベア」の魅力とは? | ele-king
                                    • Grouper | ele-king

                                      Shade=物陰、リズ・ハリスらしいタイトルだ。彼女の音楽はつねに、太陽より月光、月光より月影、そして石よりも水、外的ではなく内的な動きにおけるさまざまなヴァリエーションだった。ハリスの作品は、ぼくがこの10年、ずっと追いかけている音楽のひとつで、今朝、待ち焦がれていたその新作がようやく届いた。先行発表されていた2曲を何度も聴いていたので、いつものこととはいえ今回のアルバムもきっと素晴らしいだろうと思っていた。で、いざじっさい聴いてみるとやはり間違いなかった。 2005年の自主リリースされたCDrがリズ・ハリスの最初の作品だった。タイトルの「Grouper」とは、彼女が育ったサンフランシスコの、ゲオルギー・グルジェフに影響されたカルト・コミューンの名前から取られている。突然両親が変わることさえあったという「Grouper」では、子供はいわば実験対象だった。カルト内では虐待や抑圧も多々あった

                                        Grouper | ele-king
                                      • Cornelius | ele-king

                                        これを待っていた。コーネリアスによるアンビエントをフィーチャーした作品集である。昨今は日本のロック・ミュージシャンがアンビエントに挑むケースも見受けられるようになったけれど、もともと少なめの音数で特異かつ高度な音響を構築してきたコーネリアスだ。相性が悪かろうはずもなく、凡庸の罠にからめとられることもありえない。 布石はあった。ひとりの音楽家として大きな曲がり角を迎えたあとの、重要な1枚。影と光、そのいずれをも表現した復帰作『夢中夢 -Dream In Dream-』は、全体としては彼のルーツを再確認させるようなギター・サウンドに彩られていたわけだけれど、終盤には穏やかなインストゥルメンタル曲が配置されていたのだった。アルバム・タイトルと関連深い曲名を授けられ、アルバム中もっとも長い尺を与えられた “霧中夢”。それは、ここ10年くらいの欧米のアンビエント/ニューエイジの動きにたいする、コーネ

                                          Cornelius | ele-king
                                        • Amazon.co.jp: AMBIENT definitive 増補改訂版 (ele-king books): 三田格: 本

                                            Amazon.co.jp: AMBIENT definitive 増補改訂版 (ele-king books): 三田格: 本
                                          • 別冊ele-king 坂本龍一追悼号「日本のサカモト」 | ele-king

                                            目次 INTRODUCTION 國分功一郎 坂本さんはずっと考えていた INTERVIEW デイヴィッド・シルヴィアン アルヴァ・ノト(カールステン・ニコライ) フェネス テイラー・デュプリー 小山田圭吾 ZAK サイモン・レイノルズ ESSAY 岩井俊二 坂本さんからのメール 北中正和 とりとめもない思い 「日本のサカモト」 近藤康太郎 音が生まれ、響き、消える。 湯山玲子 奢らず、乱用せず、堕落しない。 水越真紀 「人民の音楽」と「人民の森」 「世界のサカモト」 ジェイムズ・ハッドフィールド インターナショナルな坂本龍一 リズ・ワーナー 坂本龍一がデトロイトに与えた永続的な影響 緊那羅デジラ 3つのフェイズ DISCOGRAPHY ディスコグラフィー(デンシノオト、内田学、三田格) 千のサウンド 三田格 ①タイトで、マッシヴに 高橋智子 ②深く、広く 伊達伯欣 ③「音楽」から「音」へ

                                              別冊ele-king 坂本龍一追悼号「日本のサカモト」 | ele-king
                                            • interview with Darkstar | ele-king

                                              ダークスターのデビュー曲“エイディーの彼女はコンピュータ(Aidy's Girl Is A Computer)”は、クラフトワークでは表現できない領域で鳴っている。パソコンの前に長時間座りながら時間を過ごしている、現代の快楽と孤独。いや、孤独など感じさせはしない。画面の向こう側には、刺激的な世界が無限に広がっているのだから快楽である。この、果てしない快楽。 感染に恐怖し、動きが制限された世界では、彼らの新しいアルバムはほどよいサウンドトラックだ。ダークスターの1stアルバム『ノース』を、「2008年の経済破綻以降に偏在している胸騒ぎの感覚をはっきりと伝えている」と評したのはマーク・フィッシャーだが、それに倣えば今作は2020年のパンデミックにおける胸騒ぎにリンクしていると言えるだろう。 作った当人たちによれば、再開発されるロンドンが契機となっているそうで、なるほど忘失されゆくものへの切なさ

                                                interview with Darkstar | ele-king
                                              • ANOHNI and The Johnsons | ele-king

                                                Home > Reviews > Album Reviews > ANOHNI and The Johnsons- My Back Was a Bridge for You to … ぼくの場合、マーヴィン・ゲイの『What's Going On』をちゃんと聴いたのはけっこう遅くて、80年代も後半、ぼくは20代のなかばだった。熱心に追いかけていたポスト・パンク以降がすっかりつまらなくなってしまい、だからレゲエやワールド・ミュージックを聴いてみたり、あるいは、それまでずっとリアルタイムの音楽しか聴いていなかった自分が、過去の黒人音楽を聴いてみようと自分なりに追求していた頃のことだ。 『What's Going On』の説明文には必ず「戦争」や「公害」や「貧困」といった言葉が挿入され、これはプロテスト・ミュージックとされている。ところが、買ったそのレコードは輸入盤だったので、というかまあ、正直

                                                  ANOHNI and The Johnsons | ele-king
                                                • 待望の新作『Again』発売を記念して──10月は3周連続OPNの記事をお届けします | ele-king

                                                  去る9月29日、3年ぶりのニュー・アルバム『Again』を発表したワンオートリックス・ポイント・ネヴァー。大胆なストリングスの導入、リー・ラナルドやジム・オルークの参加、生成AIの使用、「思弁的自伝」のテーマなどなど注目ポイント盛りだくさんの新作のリリースを祝し、今月はOPNにまつわるさまざまな記事をお送りしていきます。まずは第1弾、4人のOPNファンが綴るOPNコラムを掲載。第2弾以降もお楽しみに。 [10/13追記]第2弾、OPNの足跡をたどるディスクガイドを公開しました。 [10/20追記]第3弾、「ゲーム音楽研究の第一人者が語る〈Warp〉とOPN」を公開しました。 第1回 columns [4人のOPNファンが綴るOPNコラム] 4人のOPNファンが綴るOPNコラム 第2回 disk guide [ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー・ディスクガイド] ワンオートリックス・ポイ

                                                    待望の新作『Again』発売を記念して──10月は3周連続OPNの記事をお届けします | ele-king
                                                  • R.I.P. 南正人 | ele-king

                                                    年明けからほどない1月7日夜、シンガーソングライターの南正人氏が亡くなられた。facebookの公式アカウントにご子息泰人氏がよせた動画内の説明によれば、横浜のライヴハウスでの演奏中、2曲目の途中でハーモニカを交換しようと椅子にすわりなおしたさい倒れ、バンドメンバーとしてドラムを叩いていた泰人氏の腕のなかで帰らぬひととなったという。直後からネットにも舞台で息をひきとった南氏をさして音楽家冥利につきるとする投稿も散見できたが、私は自由な反骨のひとがまたひとり、音楽の場を離れることに下唇を噛む思いだった。いや南氏の場合、「離れた」というより「旅立った」というべきかもしれない。なんとなれば、本邦音楽史彼ほど旅を愛し、愛された音楽家はいないからである。 南正人は終戦の1年前の1944年のひな祭りの日に杉並区阿佐ヶ谷で産声をあげた。中学、高校と順調な学生生活をおくるも、東京外語大のスペイン語学科に入

                                                      R.I.P. 南正人 | ele-king
                                                    • Autechre | ele-king

                                                      オウテカが、本当にオウテカらしくなったのは『LP5』(1998)からだろう。それ以前の4枚のアルバムには、シーンからの影響がある程度わかりやすく残されている。『インキュナブラ』(1993)にはエレクトロ/ヒップホップ、『アンバー』(1994)にはアンビエント、『トライ・レパテエ』(1995)と『キアスティック・スライド』(1997)にはインダストリアル……しかし『LP5』にはそうした既存の何かを引き合いに出すことが難しい、いま我々が知るところのオウテカがいる。 ジャケットからしてそうだ。黒いケースにはタイトルの表記はなく、エンボスでautechreとあるのみ。白いステッカーにはこのアルバムにはタイトルがなく、便宜上『LP5』となっている旨が記されている。そこに記録されている音を聴く以外のほかはどうでも良いとでも言いたげなのだが、さらに続いてリリースされた「ep7」は『LP5』とほぼ同じ収録

                                                        Autechre | ele-king
                                                      • interview with Jessica Care Moore | ele-king

                                                        以下は、デトロイトに住む詩人、ジェシカ・ケア・ムーアのインタヴューである。彼女は黒人女性文学者として多くの著作があり、また数々の文学賞も受賞しているが、そのなかにはNAACP(全米黒人地位向上協会)やDetroit Institute of Artsからの表彰もある。オハイオ大学の米文学教授が2005年に編んだ黒人女性文学のアンソロジー『Anthology of African American Women's Literature』にも、アリス・ウォーカー、トニ・モリソン、ニッキ・ジョヴァンニ、オクタビア・バトラーらの作品に混じって、彼女の詩も掲載されている。1971年生まれの彼女は、当時そのなかでもっとも若い。 活動家でもある彼女がこの間忙しかったことは言うまでもない。しかし、いま起きていることを理解するためにも現地の黒人の声を聞きたかったし、それが女性ならなおさら良かった。また、ちょ

                                                          interview with Jessica Care Moore | ele-king
                                                        • Rashinban | ele-king

                                                          80年代後半から90年代前半にかけ、ボアダムズや思い出波止場などで日本のオルタナティヴを切り拓いてきたギタリスト、山本精一。彼が「うた」にフォーカスした羅針盤のファースト・アルバム『らご』(97)がリイシューされる。なんと、初のアナログLP化だ。同時に、セカンド・アルバム『せいか』(98)も復刻される。 羅針盤といえばかつては、LABCRY(昨年なんと18年ぶりに復活!)、渚にてと共に「関西三大歌モノ・バンド」として絶大な支持を誇ったプロジェクトだ。山本精一のキャリアのなかでもっとも慈愛に満ちたバンドであり、日本のインディー・ポップ史にアコースティックな香りを添えた伝説的な存在。2005年にバンドは解散したものの、その後の山本精一&PLAYGROUNDをはじめとした「うた」を主としたプロジェクトに、その精神性はたしかに継承されている。 今回のリイシューは前述の通り『らご』『せいか』という初

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                                                          • interview with Kazufumi Kodama | ele-king

                                                            レゲエにおけるカヴァーというのはちょっと他のジャンルとはちがう、独特の創造性というか、センスが盛り込まれるんです。好きな歌を編曲を変えて歌うカヴァーと、レゲエ・アレンジで演奏するカヴァーというのは。ジャマイカ本国でも素晴らしいカヴァー曲が数え切れないくらいあるんです。その影響もあります。 私は「悲しみ」と向き合うことがつらくなっていた。誰だって多少はそういうところがあるだろう。出かけたり、人と会う機会が激減したコロナ流行の時期に急激に老いていった家族の介護があり、ニュースを見れば戦争で子どもたちが残酷に殺され、嘆くことしかできないおとなたちが嘆く。私には現実がつらすぎる。どこをみても、くるしくて、ある日、息ができなくなって救急車を呼んだ。それでも私の体はどこもかしこも健康体で、きょうも生きている。「悲しみ」と向き合いたくなくて、悲しい歌や楽しいリズムをぼんやりと聴く。 いきなりあまりにもあ

                                                              interview with Kazufumi Kodama | ele-king
                                                            • talking about Brian Eno’s new soundtrack | ele-king

                                                              Home > Columns > talking about Brian Eno’s new soundtrack- 対談:ブライアン・イーノの新作『トップボーイ』の面白さをめぐって イーノの新作は、UKで大ヒットした連続ドラマ、『トップボーイ』のサウンドトラック・アルバムである。イーノ流のミニマル・ミュージック“Top Boy Theme”からはじまるこの作品は、アートワークからもうかがえるように、華やかに見せかけている都市の片隅の、ダークサイドで起きていることのスナップショット集で、UKグライムやダブステップともリンクする、街のにおいを有したインストゥルメンタル音楽集だ。かいつまんで言えば、これまでのイーノ作品とはまるっきり無縁だったストリートを生きる不良たちの世界であって、当然その音楽にはこれまでのイーノ作品にはなかった面白さがある。誤解を恐れずに言えば『ミュージック・フォー・エアポ

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                                                              • Oneohtrix Point Never | ele-king

                                                                喜びたまえ。現代を代表する電子音楽家、大いなる期待を集める最新アルバム『Again』のリリースを今週金曜に控えるワンオートリックス・ポイント・ネヴァー。4度目の来日公演の決定である。しかも、ソウル、ベルリン、マンチェスター、ロンドン、パリ、ニューヨークとつづくワールド・ツアーのスタートにあたる公演とのことで、つまりOPNの最新パフォーマンスを世界最速で堪能できるってこと。 ちなみに前回の来日は5年前、『Age Of』(2018)リリース後で、バンドやダンサーを引きつれてのライヴだった。はたして今度はどんなパフォーマンスを披露してくれるのか──まずは9月29日発売の『Again』を聴いて、妄想を膨らませておきたい。 日程は来年2月28日@六本木 EX THEATRE と2月29日@梅田 CLUB QUATTRO の2公演。時期はまだ少し先だけれど完売必至と思われるので、ご予約はお早めに。 な

                                                                  Oneohtrix Point Never | ele-king
                                                                • 〈AMBIENT KYOTO 2023〉現地レポート | ele-king

                                                                  10月14日正午、ぼくは京都駅から東京方面の新幹線に乗って、余韻に浸っていた。つい先ほどまで、取材者の特権を使い、〈AMBIENT KYOTO〉における「坂本龍一 + 高谷史郎 | async ‒ immersion 2023」をもういちど聴いて観て、感じていたばかりである。京都新聞ビル地下1階の元々は印刷所だったその場所で繰り広げられている、『async』の最新インスタレーションを、ぼくはその前日にも聴き、観て、感じている。音楽も映像も、音響も場所も、すべてが完璧に共鳴し合ったそのインパクトがあまりにも強烈だったので、京都を離れる前にもういちどと、その日の早い時間、午前10時過ぎに同所に行って、「async ‒ immersion 2023」を焼き付けておこうと思ったのである。 この話をしたら長くなるので、後回しにする。まずは、昨年に続いて〈AMBIENT KYOTO〉が開催されたことを

                                                                    〈AMBIENT KYOTO 2023〉現地レポート | ele-king
                                                                  • interview with Mamas Gun (Andy Platts) | ele-king

                                                                    Home > Interviews > interview with Mamas Gun (Andy Platts) - 70年代ソウルをアップデイトするUKのバンド ロンドンに拠点を置くソウル・バンド、ママズ・ガンが2017年発表の前作『Golden Days』から約4年半を経てニュー・アルバム『Cure The Jones』を完成させた。バンドの中心メンバーであるアンディ・プラッツがショーン・リーと組んだヤング・ガン・シルヴァー・フォックスでの精力的な活動(2018年の『AM Waves』と2020年の『Canyons』、計2枚のアルバムを作っている)、そして予期せぬパンデミックの影響も受けて過去最長のスパンを開けてのアルバム・リリースになったわけだが、これは14年に及ぶママズ・ガンのキャリアにおけるマスターピースとして賞賛されることになるだろう。 2009年にアルバム『Routes

                                                                      interview with Mamas Gun (Andy Platts) | ele-king
                                                                    • TESTSET | ele-king

                                                                      TESTSETの曲でいちばん好きなのは “Moneymann” だ。ピキピキときしむ電子音やファンキーなベースがカッコいいのはもちろんなのだけれど、理由はもっと単純で、カネが生み出す関係性やそれが引き起こす状況を歌っているとおぼしきリリックに、日々カネのことばかり考えているぼくはどうしても引きこまれてしまうのだ。さりげなく挿入される日本語の「さりげない さりげない えげつない」には何度聴いてもドキッとさせられる。ほんとに、そうだよね。だから、今回のライヴを迎えるにあたってもこの曲をもっとも楽しみにしていた。 ふだんはフラットな恵比寿ガーデンホールのフロアに段差が設けられ、椅子が用意されている。どうやら着席の公演のようである。にもかかわらず、照明が落とされるやいなや一斉に、オーディエンスのほぼ全員が立ち上がった。まあそりゃそうだろう。ファンクネスあふれるTESTSETの音楽はからだを揺らしな

                                                                        TESTSET | ele-king
                                                                      • Amazon.co.jp: 現代SF小説ガイドブック 可能性の文学 (ele-king books): 池澤春菜: 本

                                                                          Amazon.co.jp: 現代SF小説ガイドブック 可能性の文学 (ele-king books): 池澤春菜: 本
                                                                        • interview with Shintaro Sakamoto | ele-king

                                                                          Home > Interviews > interview with Shintaro Sakamoto - 坂本慎太郎、新作『物語のように』について語る この20年のあいだにリリースされた日本の音楽において、傑出したプロテスト・ミュージックに何があるのかと言えば、ぼくのなかでは、たとえばゆらゆら帝国の『空洞です』と坂本慎太郎の『ナマで踊ろう』が思い浮かぶ。が、その解説はいまはしない。いまはそんな気持ちになれない。イギリスでウェット・レグが売れるのも理解できる。いまは誰もが楽しさに飢えているのだ。 しかしその背景は決して幸福なエデンなどではない。『物語のように(Like A Fable)』——この思わせぶりな言葉が坂本慎太郎の4枚目のアルバム・タイトルで、前作『できれば愛を』が2016年だからじつに6年ぶり、オンラインメディアがそのみだらな馬脚を現す前の話で、ドイツはなかば理想的な環境先進

                                                                            interview with Shintaro Sakamoto | ele-king
                                                                          • DOMi & JD BECK | ele-king

                                                                            年末は今年リリースされた作品を振り返る時期で、『ele-king』誌でも今年の年間ベスト・アルバムのジャズ部門を選出した。そのなかにはいろいろタイミングがズレてしまってレヴューで取り上げなかった作品があり、リリースは夏頃となるがドミ&JDベックのデビュー・アルバムもその一枚だ。ジャケット写真を見てもおよそジャズ・ミュージシャンらしからぬ2人組で、とにかく若い。 ドミ・ルーナことドミティーユ・ドゴールはフランスのメス生まれの22歳で、フランス国立高等音楽院卒業後にボストンのバークリー音楽院に留学。そのままアメリカへ移住して活動しているが、3歳でピアノ、キーボード、ドラムスの演奏をはじめ、5歳でナンシー音楽院に入学してジャズとクラシックを学びはじめたという才女だ。 JDベックはテキサス州ダラス生まれの18歳で、5歳でピアノをはじめた後に9歳でドラムスに転向し、12歳のときには楽曲制作を開始して

                                                                              DOMi & JD BECK | ele-king
                                                                            • bar italia | ele-king

                                                                              イケてるヤツはディーン・ブラントを聴いているが、今年はバー・イタリアも聴いている。 今年ももう1ヶ月を切り、年末の締切やライヴの準備などに忙殺されながらも今年を振り返るとバー・イタリアが記憶に鮮明に焼きついている。 2020年にファースト・アルバムをリリースしてから約3年の活動期間ですでに4枚のアルバムをリリースしている多作なバー・イタリア。前作『Tracey Denim』でばっちり心掴まれた方が多いと思うが今年2枚目のアルバム『The Twits』ではまた趣が違ったツボをついてきた。 ファースト・アルバム『Quarrel』、セカンド・アルバム『Bedhead』は共にディーン・ブラント主宰のレーベル〈World Music〉からリリースされていてギターや露骨な切り貼り、ミックスに至るまでまんまディーン・ブラント節の2枚だった。そんな2枚から2年を置いて今年5月に〈Matador Recor

                                                                                bar italia | ele-king
                                                                              • interview with Kazufumi Kodama | ele-king

                                                                                9月6日に吉祥寺のSTAR PINE'S CAFÉで観たKODAMA AND THE DUB STATION BANDのライヴは強烈だった。個人的に、大好きなじゃがたらの“もうがまんできない”をこだま和文のヴォーカルとTHE DUB STATION BANDの卓越した演奏で聞けたことは大きい。だが、それだけではない。実際にライヴを観ながら心のなかで反芻したからと言って、僕なんかがこう書くのはあまりに恐れ多いのだが、まぎれもなく“いまの音楽”だった。しかしなぜそう強烈に感じたのか? それはわからない。それ故、この、こだま和文とバンド・リーダーでベースのコウチへのインタヴューは、そんな個人的な問いを出発点としている。 トランペット奏者のこだま和文率いるレゲエ・バンド、KODAMA AND THE DUB STATION BANDは、2005年にスタジオ・ライヴ盤 『IN THE STUDIO』

                                                                                  interview with Kazufumi Kodama | ele-king
                                                                                • Billy Nomates | ele-king

                                                                                  NOはもっとも大きな抵抗 あなたを無にすることにNO NOは歩くこと、お喋りではない ノー、それはいいことに思えない YES、私たちが共闘すれば強い しかし、NOはパワー どんなときも、どんな場所でも ビリー・ノーメイツ“No” ノー、ダメですよ、ダメ。洗練された我らが日本においては、権力や富の世界に向かって二本指を立てることなんてことはもう流行らないでしょう。だが、セックス・ピストルズを生んだ国では、2020年はビリー・ノーメイツ(友だちのいないビリー)という名の、ずば抜けた才能と熱いパッションをもったシンガーがデビューしている。夜中にいそいそとスーパーストロングの500mlを買っているような、いつだって財布が薄くて軽い人たちへの励ましの歌、スリーフォード・モッズに続く労働者階級からのみごとな逆襲である。 レスター出身のビリー(本名Tor Maries)は、売れないバンドで歌いながら一時

                                                                                    Billy Nomates | ele-king