(本稿は「読むふるさとチョイス」からの転載である。) 1日に700人のゲストが訪れる都心のホテルマンから、人口700人の村の宿へキャリア転換を図った「NIPPONIA 小菅 源流の村」のマネージャーの谷口峻哉さん。オーストラリアへの留学を通じて、パーマカルチャーに出会い、帰国後はその感覚を体現できる場所を活動拠点に選んだ。現在は、日本の原風景が色濃く残る山梨県小菅村で、「700人の村がひとつのホテルに。」をコンセプトにした宿を切り盛りしている。自らの生き方を見つめ直す中で、小菅村という心の故郷に出会った谷口さんの村を見つめる視点に迫る。 ■過疎化に直面する村に、未来を感じて 天然記念物のカモシカや野鳥、多様な野草が自生する自然豊かな環境が残る小菅村。一方で、村の人口はピーク時の3分の1となる700人まで減少するなど、深刻な過疎化に晒されていた。加速する高齢化もあいまって、村内の旅館や民宿は