IHIは次世代の小型原子力発電事業に参入する。米新興のニュースケール・パワーに出資し、まず米国での小型原発プロジェクトに中核機器を供給する。ニュースケールには日揮ホールディングス(HD)も出資している。原発は電力に由来する温暖化ガスの排出削減につながるとして、国際連携を通じ新たなノウハウを確保する動きが日本企業に広がってきた。ニュースケールは米北西部アイダホ州に出力60万~70万キロワット級の
「あと10年もたつと新設プラントの経験者はほとんどいなくなる」。IHIの緒方浩之原子力SBU長は危機感を募らせる。ピーク時の1980年代には原発事業の社員は約1000人いたが、足元ではほぼ半減(協力会社除く)した。設計よりも溶接や機器の組み付けなど技能系の落ち込みが深刻だという。 「実際に出荷する機器のものづくり現場で仕事をしてはじめてどんな経験が不足しているか分かる。その機会を少しでも作らないと技能維持はおぼつかない」(緒方SBU長) 技能を守り抜くため工員が汗をかくのが、地下鉄工事などに使われるシールド掘削機の製造だ。前方に取り付けられた刃先を回転させて地中をモグラのように掘り進む。独自の厚板加工や分割した構造物の組み付けノウハウなど、原発にも求められるものづくりがぎっしりつまっている。もちろん安全基準や検査の厳しさは原発の方が格段に高いが、「実地トレーニングには持ってこい」(大久保工
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