わたしたちの心の奥底まで見透かすグレアム・グリーンの目/グレアム・グリーン(小津次郎訳)『第三の男』ハヤカワepi文庫:目次 人間の暗黒面を見つめる物語 無垢な存在としてのマーティンズ ウィーンの街という舞台 この物語について 参考リンク 人間の暗黒面を見つめる物語 グレアム・グリーン『第三の男』は、第二次世界大戦直後のウィーンを舞台に、人間の暗黒面を見つめる物語。この『第三の男』は、単なる事件の真相を暴いてゆくだけの謎解き物語の範疇には収まらない。 特に、ウィーンの街の地下に張りめぐらされた大下水管でのクライマックスは、人間の抱える闇の奥底にまで入りこむようで、ゾクゾクとした恐ろしさに似たものすら感じる。そういった意味で、この物語は人間の暗黒面を見つめる物語でもある。 物語の主人公はロロ・マーティンズ。彼は”バック・デクスター”というペンネームで、安いペーパーバックに西部劇を書く作家。け
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