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現代アメリカに関するq52464のブックマーク (16)

  • 中二階 - 年間で最も多く思いを巡らせていることは何ですか?... おちつく超マイペース小説。 - あのトモ

  • 「ロリータ、わが腰の炎」   ーウラジーミル・ナボコフの小説世界へ - イデアの昼と夜

    ところで、芸術と倫理のあいだの相克というこの問題については、暴力についで性の領域についても見ておく必要があることは、いうまでもありません。この領域においては、芸術はたえずスキャンダルを巻きおこしては、倫理の顰蹙を買いつづけてきました。 今回からの記事で取り扱いたいのは、20世紀のアメリカで活躍したロシア人作家、ウラジーミル・ナボコフの傑作『ロリータ』です。最初に、この小説の作者であるナボコフについて、少しだけ解説を加えておくことにしましょう。 ソビエト連邦を生みだした革命により、ロシア貴族の家庭に生まれたナボコフが大西洋を越えてアメリカへと亡命せざるをえなかったことは、彼自身にとっては不幸なことでしたが、ひょっとするとこのことは、芸術の歴史にとってはまたとない僥倖であったといえるかもしれません。この人は、来ならばあのマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』のような小説を書いていたかも

    「ロリータ、わが腰の炎」   ーウラジーミル・ナボコフの小説世界へ - イデアの昼と夜
  • 捨て鉢の飛翔―ナサニエル・ウエスト『いなごの日 / クール・ミリオン―ナサニエル・ウエスト傑作選―』 - 言葉でできた夢をみた。

    今回紹介するはこちら。 ナサニエル・ウエスト 著、柴田元幸 訳『いなごの日 / クール・ミリオン―ナサニエル・ウエスト傑作選―』(新潮社、2017年) いなごの日/クール・ミリオン: ナサニエル・ウエスト傑作選 (新潮文庫) 作者: ナサニエルウエスト,Nathanael West,柴田元幸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 1930年代にアメリカで活動したナサニエル・ウエスト。あまり有名な作家というわけではなく、大戦後アメリカのブラックユーモア文学ブームの際に再評価されるまで長らく過小評価されていたらしい。私も今回初めて手に取った。主な作品に『バルソー・スネルの夢の生』『孤独な娘』『クール・ミリオン』『いなごの日』などがある。 今回紹介するにおさめられている作品は「いなごの日」「クール・ミリオン」と短篇の「ペテン

    捨て鉢の飛翔―ナサニエル・ウエスト『いなごの日 / クール・ミリオン―ナサニエル・ウエスト傑作選―』 - 言葉でできた夢をみた。
  • スティーヴ・エリクソン「アムニジアスコープ」 翻訳:柴田元幸 - 本棚のすき間でつかまえて

    タイトル「アムニジアスコープ」、アムニジアとは記憶喪失とか健忘を意味し、スコープは視野とか範囲とか……、あと他には銃器の照準器という意味にも使われる。どの組み合わせが著者の意図したニュアンスに近いのかは解らないけれども、僕個人としては「過ぎ去ってしまい真偽が定かではなくなっていく曖昧な記憶としてでしか過去を留めておくことの出来ない人間が、いざ自らを振り返り、その人生を覗きこもうとしたときに自分の歩んだ道のりの不確かさに愕然とする話」なのだと思った。時が経つにつれて何かが抜け落ちて記憶が曖昧となっていく様を「アムニジア」と表現し、それを今現在にて思い返して(覗きこんで)いる視線を「スコープ」と表現しているのかなぁと思った……。人間はもともとの設定からして記憶を喪失しながら生きているのかもしれない。むしろ雑多な世の中ではそうとしか生きられない存在なのかもしれないと思わされた。 過去、現在、未来

    スティーヴ・エリクソン「アムニジアスコープ」 翻訳:柴田元幸 - 本棚のすき間でつかまえて
  • チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』(2013) - 海外文学読書録

    アメリカーナ 上 (河出文庫) 作者:アディーチェ,チママンダ・ンゴズィ 発売日: 2019/12/06 メディア: 文庫 ★★★★★ イボ人のイフェメルはナイジェリアからアメリカに渡って13年が経っていた。帰郷する予定の彼女はヘアサロンで髪を結ってもらい、その最中に過去の出来事が語られていく。ラゴスで共に過ごしたオビンゼとの恋だったり、奨学金を得てアメリカに渡って大学に入るも仕事探しに苦労したり、新たな恋人とオバマ大統領の誕生を祝ったり。彼女は人種問題を題材にしたブロガーとして有名になっていた。 「僕がアメリカを読むのは、アメリカが未来だからさ、母さん。あなたの夫はそこで教育を受けたんだろ」(p.79) 全米批評家協会賞受賞作。 これは素晴らしかった。アメリカ文学、あるいはアフリカ文学の枠組みに収まらない、広い意味での黒人文学の傑作といったところだろうか。作を一言で要約するならば、

    チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』(2013) - 海外文学読書録
  • ソール・ベロー「犠牲者」 翻訳:大橋吉之輔 - 本棚のすき間でつかまえて

    ユダヤ人であるレヴィンサールは、ユダヤ人であるがゆえに世間から偏見を持たれていた。ジュー(ユダヤ人=ジューイッシュの略)と呼ばれ、怒りっぽい、傷つけられると復讐する、金にうるさい、と世間から思われていた。時々「ジューのくせに」と理由もなく揶揄されることがあり、ユダヤ人であるがために何かとおかしな目で見られることがあるとレヴィンサールは感じていた。 業界紙の編集として活躍するレヴィンサール。彼は下積みを重ね、これまでに実績を上げてきたこともあり、会社からはいなくてはならない存在として認められている。今現在籍をおいている会社は規模からいって望み通りというわけではない――、しかしその昔、職探しに苦労した記憶があるレヴィンサール――、彼は野心や向上心を持ちながらも、現状にはそれなりの満足を覚えていた。 ある時にレヴィンサールに浮浪者風の男が語りかけてきた。それは昔の知人のオールビーという男だった。

    ソール・ベロー「犠牲者」 翻訳:大橋吉之輔 - 本棚のすき間でつかまえて
    q52464
    q52464 2017/05/10
    これは面白そう。探して読んでみなければ。
  • アリス・ウォーカー「カラーパープル」 翻訳:柳沢由美子 - 本棚のすき間でつかまえて

    話題になることには、どんな意味があるのか? 黒人女性初のピュリッツァー受賞作品――、そのニュースがアメリカを駆け回った時に著者であるウォーカーは言っている。「黒人であること、女性であることに話題性が生まれる意味は何なのか?」と。 というのも今作で描いているのは1900年代前半の黒人女性について。この時期、差別のヒエラルキーでは相当下に位置していた黒人女性を描いた話であり、内容はもちろん差別を問うものになっている。栄誉ある賞を受賞したのが黒人女性――、そこに話題性が生まれるということは「あいかわらず……」とウォーカーは言いたかったのでしょう。今作が描かれたのは1983年なので世間の空気は現在とは違います。 というか……、周りに日人しかいない環境で暮らしている僕にとっては黒人に対する差別がどういうもので、どう変化を遂げていったのかの詳しいところは解りません(知っているのは映画の内容程度)

    アリス・ウォーカー「カラーパープル」 翻訳:柳沢由美子 - 本棚のすき間でつかまえて
  • ゴーレム100(ゴーレム100乗) - 紙面を通したトリップ体験 - あのトモ

  • ビラヴド - ビラヴドであって欲しかった物語 - あのトモ

  • コ―マック・マッカーシー「チャイルド・オブ・ゴッド」 翻訳:黒原敏行 - 本棚のすき間でつかまえて

    文学的に美しく描かれる殺人 今作は1960年代にアメリカで実際に起きた連続殺人事件をモチーフにした作品です。この手の事実を元にした小説はいろいろあると思いますが、僕が読んだ作品のなかでパッと思いだせるのはトゥルーマン・カポーティの「冷血」。マイケル・ギルモアの「心臓を貫かれて」あたり。ちなみにこの2作は徹底した取材によって作りあげられたノンフィクション・ノベル(ちなみに「心臓を貫かれて」に関しては殺人者である兄を実の弟が描くというもの)――、なのでドキュメントタッチであり、真実に則して描こうとする意図を強く感じる作品だったけれども、今作「チャイルド・オブ・ゴッド」は、どちらかというと著者の創作の面が強いと思う。というのも描写がとても文学的、かつ美しい。非道な殺人者を描くのだからこそ、人間の根底にある衝動を描こうとする――、おぞましい殺人を「成せる」ことの意味は人間を創造した者の意志であるこ

    コ―マック・マッカーシー「チャイルド・オブ・ゴッド」 翻訳:黒原敏行 - 本棚のすき間でつかまえて
  • コラム・マッキャン『世界を回せ』(2009) - 海外文学読書録

    世界を回せ 上 作者:コラム・マッキャン 河出書房新社 Amazon ★★★★★ 1970年代。ダブリンで生まれ育った「僕」は、修道士としてニューヨークに渡った弟コリガンを追うように渡米する。コリガンは売春婦への慈善活動と介護施設で老人介護をしていた。あるとき、コリガンは売春婦を乗せてバンを運転中に予期せぬ事故に見舞われる。 ニューヨークを訪れた当初、彼はこの街が気に入らなかったというーーゴミだらけの、せわしない街だとーーけれどもだんだん慣れてみると、ぜんぜん悪くなかった。この街にやってくるのは、トンネルに入るようなものなんだ。しばらくすると、大事なのは出口の光じゃないと分かって驚くことになる。時には、トンネルのおかげで出口の光に耐えられるんだと分かることもある。(上 p.237) 全米図書賞受賞作。 読み始めは退屈で正直凡作だろうと思っていた。ところが、無関係と思われたエピソード群がほの

    コラム・マッキャン『世界を回せ』(2009) - 海外文学読書録
  • ブレット・イーストン・エリス『アメリカン・サイコ』(1991) - 海外文学読書録

    アメリカン・サイコ〈上〉 (角川文庫) 作者:ブレット・イーストン・エリス 角川書店 Amazon ★★★★ 80年代。ウォール街で働く26歳のパトリック・ベイトマンは、ブランドものに身を包み、仲間たちとレストランで会したり、女たちとセックスしたりする生活に明け暮れていた。その一方で、彼は殺人嗜癖を満たすべく、無差別に人を殺している。 いまラスティーズでチャールズ・マーフィーと酒を飲んでいて、これで勢いをつけてから、イヴリンのクリスマスパーティーに顔を出すところだ。私が着ているのは、四つボタンでダブルのウールとシルクのスーツ、ボタンダウンカラーをつけたヴァレンチノ・クチュールのコットンシャツ、連続模様の絹ネクタイがアルマーニ、キャップトウの革のスリップオンマフラーがアレン・エドモンズ。マーフィーが着ているのは、六つボタンでダブルのウールギャバジンのスーツで、これはクレージュのもの。タブ

    ブレット・イーストン・エリス『アメリカン・サイコ』(1991) - 海外文学読書録
  • ベン・ファウンテン『ビリー・リンの永遠の一日』(2012) - 海外文学読書録

    ビリー・リンの永遠の一日 (新潮クレスト・ブックス) 作者:ファウンテン,ベン 新潮社 Amazon ★★★★ イラク戦争。19歳のビリー含む8人のブラボー分隊の兵士たちは、英雄としてテキサスのスタジアムに駆り出されていた。彼らはフットボールの試合で、芸能人たちと戦意高揚の見世物になっている。兵士たちはこれが終わったら中東に帰任することになっていた。 彼らの年齢がいくつであれ、人生での地位がどうであれ、同胞のアメリカ人たちのことをビリーは子供であると考えずにはいられない。彼らは大胆で、誇り高く、自信たっぷりだ。自尊心に恵まれすぎた賢い子供のようであり、どれだけ教え諭しても、戦争が向かう先の純然たる罪の状態に彼らの目を開かせることはできない。(……)アメリカ人は大人になるために――そしてときには死ぬために――よそに行かなければならない子供なのだ。(p.62) 全米批評家協会賞受賞作。 アメリ

    ベン・ファウンテン『ビリー・リンの永遠の一日』(2012) - 海外文学読書録
  • ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』(2010) - 海外文学読書録

    ならずものがやってくる (ハヤカワepi文庫) 作者:ジェニファー・イーガン,Jennifer Egan 早川書房 Amazon ★★★★ 盗癖を治すべく精神科医にかかっているサーシャは、かつて有名音楽プロデューサーであるベニーのもとで働いていた。ベニーは元パンクロッカーで、サーシャも彼に負けない数奇な人生を歩んでいる。物語は2人を軸に様々な人物に焦点を当てていく。 「お前にはやれる、スコッティ……やらねばならん」とベニーが言った。いつも通りの穏やかな声だが、その薄くなった白髪の隙から、頭皮が汗に光るのが見えた。「時間ってやつはならずものだ。そうだろ? そのならずものたちを、のさばらせておくつもりか?」(p.421) ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞受賞作。 作は全部で13章あるのだけど、どれも主人公が違っていて、なおかつ語りの形式も変えてある野心的な内容だった。語りについては、一人称

    ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』(2010) - 海外文学読書録
  • スティーヴ・エリクソン『ルビコン・ビーチ』(1986) - 海外文学読書録

    ルビコン・ビーチ (ちくま文庫) 作者:エリクソン,スティーヴ 筑摩書房 Amazon ★★★★ (1) 刑務所から仮釈放されたケールは、図書館で働くことになった。ある日、彼は女が男の首をナイフで切断するところを目撃する。(2) 南米のジャングルで生まれたキャサリンは、村人たちの不信を買い、勝手に賭けの対象にされる。村人たちは賭けに負け、キャサリンは船乗りに連れて行かれることに。(3) 第二次世界大戦前。ジョン・マイケルが今まで誰も見つけなかった新しい数を発見する。その後、彼は数奇な出会いを果たすのだった。 私はアメリカに捕まったんだわ、とキャサリンは思った。アメリカでは人びとは自分の顔を知っていて、その顔は自分のものだと信じているんだわ。最初はおそらく彼らの顔も夢の奴隷だったのでしょう。やがて、彼らの顔が夢を奴隷にするのではないかしら。(p.237) スティーヴ・エリクソンの小説を読むの

    スティーヴ・エリクソン『ルビコン・ビーチ』(1986) - 海外文学読書録
  • エドワード・P・ジョーンズ『地図になかった世界』(2003) - 海外文学読書録

    地図になかった世界 (エクス・リブリス) 作者:エドワード P ジョーンズ 白水社 Amazon ★★★★★ 19世紀のヴァージニア州マンチェスター郡。黒人農場主のヘンリー・タウンゼントが31歳で急死する。彼は両親ともども白人農場主の元奴隷で、父親が貯めた金で自由になっていた。ヘンリーは自由になった後、自分も黒人の奴隷を持ったので、奴隷制に否定的な父親と折り合いが悪くなっている。 「ヘンリー・タウンゼントなら知っている。だから、死んだ奴隷の賠償が必要になれば必ず払ってやる」とロビンズは言った。彼はイライアスの顔から三センチのところに銃を構え、もう一度殴った。イライアスは倒れた。「百歳まで生きるつもりなら、白人と揉めないことを知るんだな」(p.95) ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞受賞作。 これは凄かった。当初は時系列が行き来して主要人物の過去と現在を語っていて、正直なところいまいち乗り

    エドワード・P・ジョーンズ『地図になかった世界』(2003) - 海外文学読書録
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