今回ご紹介する本はこちら。 磯﨑憲一郎『往古来今』(文春文庫、2015年) 往古来今 (文春文庫 い 94-1) 作者: 磯?憲一郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/10/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る この本をはじめて目にした時、なにかが違うような違和感を抱いた。往古来今? 古今往来ではなく? この違和感は単に自分の語彙力の無さに起因するらしいことが文庫の解説を読んでわかった。参考までに書いておくと、往古来今という言葉は前漢に編纂された思想書『淮南子』斉俗訓「往古来今、之を宙と謂い、四方上下、之を宇と謂う」とあるそうだ(金井美恵子さんによる文庫の解説によると「新明解四字熟語辞典」(三省堂)に載っているとのこと)。往古来今、時間と空間の限りない広がりを表すこの言葉ほど、この短篇集を的確に表現したタイトルはないのではないだろうか。金井美恵子は解説でこの小
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