一握りの富裕層が富の大半を握り、そのほかの多数の人々はつましい暮らしを強いられる経済格差は日本でも着実に拡大している。しかし、少なくない富裕層が相応の税金を自国に納めていない可能性が高いと、元国税調査官でフリーライターの大村氏は指摘する。「パナマ文書」という言葉とともにすっかり有名になった海外の「タックスヘイブン」に巧妙な手口で資産を移している可能性だ。国税当局も捕捉に必死だが、対策は後手に回っている。それはなぜなのか。大村氏がその実態にメスを入れる。 マルサも手出しできない脱税とは? 先日、テレビ各局や新聞各紙で、「マルサ」(国税局査察部)の事績が報じられました。 それによると、2015年度、全国で摘発された脱税件数は181件。総額はおよそ138億円と、41年ぶりに140億円を下回ったということです。これは、もちろん「脱税する人が少なくなった」ということを意味するものではありません。 一
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