『ルポ虐待』著者・ルポライター杉山春さんインタビュー【前編】 女の生きる価値とは? 大阪二児置き去り死事件を追ったルポライターが語るシングルマザーの貧困と孤立 2010年夏、大阪のマンションで3歳の女児と1歳9ヶ月の男児の遺体が発見された。子どもを置き去りにしたとして逮捕されたのは23歳の母親。逮捕直後の報道では母親が風俗嬢として働いていたこと、子どもを放置しながらSNSでは遊びまわる様子を投稿していたことなどがセンセーショナルに報じられた。昨年3月、虐待死事件としては異例の重さとなる判決・懲役30年が確定。『ルポ虐待――大阪二児置き去り死事件』(ちくま新書)では、逮捕された母親・芽衣さん(作品中の仮名)の生まれ育った環境や事件前後をつぶさに取材し、芽衣さん自身も過酷な状況に置かれていたことが明らかにされている。彼女のような母親を生んだ社会背景と虐待をめぐる問題点を著者・杉山春さんに話を聞