「日本政府は謙虚な立場を取らなければならない」 「これまでの問題とは次元が違う」 1月10日夜、翌日の会見の文案を秘書官らと練っていた菅義偉官房長官。「遺憾の意」のような常套句ではなく、韓国側に日本の強い憤りをどう伝えるか、腐心していたという。 猛反論する菅官房長官 ©共同通信社 引き金はこの日、韓国で行われた文在寅大統領の年頭会見。徴用工問題について日本人記者に問われた文氏が「日本政府はもう少し謙虚な立場を取らなければならない。日本の政治家が政治争点化するのは賢明でない」と言い放ったのだ。 外遊中の安倍晋三首相とすり合わせをすることもなく、「阿吽(あうん)の呼吸」(官邸担当記者)で作り上げられたコメント。翌11日の会見で菅氏は一言ずつ噛み締めるように読み上げた。 「韓国側の責任を日本側に転嫁しようというものであり、極めて遺憾であります。日本側としてはこの協定違反の状態を解決すべく、協定に