服装や髪形などで性別にとらわれない「ジェンダーレス化」が進む中、「男女兼用」をうたった下着が登場している。下半身のショーツ(パンツ)だけでなく、男性も着けられるブラジャーもセットにした商品を兵庫県明石市の会社が売り出したところ、購入者の9割が男性という結果に。担当者も「こんなに反響があるとは」と驚いている。同社に寄せられた声によると、さまざまな購入理由があるようで-。「下着もジェンダーレス」が新潮流となる?(津田和納) アニメキャラクターなどのコスプレの衣装やウィッグ、カラーコンタクトレンズなどを扱う「クラッセ」(兵庫県明石市相生町2)。約15年前に創業し、最近はインナーや靴、コスメなどを雑貨店「ドン・キホーテ」に卸したり、ネットで販売したりしている。 男性も着けられるブラジャーを企画したきっかけは約1年前。当初は、男性キャラのコスプレをする女性が、胸を平らに見せるためのブラの開発が主軸だ
兵庫県立西宮病院で2016年、認知症患者の男性=当時(87)=が廊下で転倒して重い障害を負ったのは、看護師が転倒を防ぐ対応を怠ったためとして、男性の家族が兵庫県に約2575万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、神戸地裁であった。高松宏之裁判長は「転倒する恐れが高いことは予見できた」などとして、約532万円の支払いを命じた。 判決によると、男性は16年4月2日早朝、看護師に付き添われトイレに入った。看護師は男性が用を足す間に、別室患者に呼び出されて排便介助に対応。男性はその間にトイレを出て廊下を1人で歩き、転倒して外傷性くも膜下出血と頭蓋骨骨折のけがを負った。男性は2年後、心不全で亡くなった。 男性の家族は、けがによる入院生活の継続で男性は完全な寝たきり状態となり、両手足の機能全廃になったと訴えていた。一方で県側は、別室患者は感染症を患っており、排便の介助を急いだことはやむを得ないなどと主
視聴回数が200万を超えた、関本剛さんの動画(関本雅子さん提供、ユーチューブの神戸新聞チャンネルから) 緩和ケア医としてがん患者約千人を看取り、自らもがんのため今年4月に45歳で亡くなった関本剛さん。生前に収録し、自身の葬儀で上映した「別れのあいさつ」の動画が注目を集めている。遺族の了承を得てユーチューブの神戸新聞チャンネルに掲載すると、半月ほどで再生回数が200万回を超え、高評価も3万に達した。「励まされた」「希望をもらった」-。コメント欄には感謝の声があふれている。(津谷治英) 関本剛さんは神戸市東灘区出身で関西医大卒業後、病院勤務を経て2018年、母雅子さん(72)が開業した緩和ケア専門の関本クリニック(同市灘区)院長となった。翌19年に末期肺がんと脳転移が見つかり、抗がん剤治療を受けながら、亡くなる1カ月前まで患者の診療を続けた。 動画は病状が落ち着いていた2年前に収録され、遺言通
阪神・淡路大震災などの被災者の精神的なケアに尽力し、文筆家としても多くの業績を残した精神科医で神戸大名誉教授、文化功労者の中井久夫(なかい・ひさお)さんが8日午前11時5分、肺炎のため神戸市の介護施設で死去した。88歳。奈良県出身。自宅は神戸市。 葬儀・告別式は近親者で行い、供花、弔電は辞退する。喪主は長男伸一(しんいち)氏。 京都大卒。東京大などを経て1980年、神戸大医学部教授に。統合失調症研究の第一人者で、先駆的な診療法で高く評価された。 95年の阪神・淡路大震災では、被災者の心のケアの必要性を早くから訴え、支援体制の構築や支援者の育成に注力。2004年に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究や治療、相談などに当たる全国初の施設「兵庫県こころのケアセンター」が開設され、初代センター長に就任した。 1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件の遺族らとも関わり、犯罪や災害の被害者
兵庫県尼崎市が全市民約46万人の住民基本台帳情報などが記録されたUSBメモリーを紛失した問題に絡み、フリーマーケットアプリ「メルカリ」に23日午後、「尼崎のUSBメモリ」という商品が出品された。価格は45万2600円(税込み、送料込み)に設定されていた。すぐに削除され、市はいたずらとみている。 商品は問題が報じられた直後に出品された。価格は、インターネットで尼崎市の人口を検索したときに一部で表示される「45万2600人」(2015年)と一致していた。 出品者は「Amagasaki」と記され、商品説明の欄には「先日から尼崎で使用しているUSBメモリです。パスワードをかけたまま忘れてしまい、中を開くことができないのでお譲りします」などと記載されていた。(山岸洋介)
「小山ロール」で知られる兵庫県三田市の人気洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」について、社員11人に月最長342時間に及ぶ違法な時間外労働をさせたとして、伊丹労働基準監督署は21日、労働基準法違反の疑いで、運営会社と製造・経営部門の幹部2人を書類送検した。 書類送検容疑は2021年1月16日~2月15日、ロールケーキなどの製造を担う「製造一課」の社員11人に対し、労使協定(三六協定)で定めた上限を超えて、違法な時間外労働をさせた疑い。製造部長(36)と管理本部長(40)の男性幹部2人で、当時、従業員の労務や勤務時間を管理する立場にあった。同労基署は2人の認否を明らかにしていない。 同労基署によると、最長で月に341時間58分の時間外労働と休日労働をさせられた従業員もおり、発症前の直近1カ月の「過労死ライン」とされる月100時間を大幅に超えていた。自己研さんの時間は含まれていないという。 同
建築家の安藤忠雄さんが手掛けた図書館「こども本の森 神戸」が今春、神戸・三宮の東遊園地にオープンする。天井まで続く本棚に最大約2万5千冊の蔵書を並べ、文字通り本に囲まれた空間。「でも、もしこれだけの本が地震で落ちたら? 備えはどうなっているのでしょう?」。神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に寄せられた投稿をもとに、神戸市の担当者を取材した。(広畑千春) 「書籍の落下対策は、ハード面の最も大きな課題の一つでした」。同市文化交流課の西修担当課長は打ち明ける。 図書館の開館時間帯に起きた2011年の東日本大震災では、全国各地の図書館で大量の本が落下。幸い大きな人的被害はなかったものの、床を埋め尽くした本が避難を妨げ、本を載せたまま書架が将棋倒しになった例もある。本の落下はやむを得ないという考えが一般的だったが、落下や転倒防止策が講じられるようになった。 「こども本の森 神戸」では書架を壁沿い
神戸にゆかりのある映画監督2人がこの2年、国際舞台で大活躍した。神戸を舞台にした「スパイの妻-劇場版-」でベネチア国際映画祭銀獅子賞の黒沢清監督(66)は神戸出身でもある。神戸で撮った「ハッピーアワー」が海外飛躍の第一歩だった濱口竜介監督(43)は「ドライブ・マイ・カー」でカンヌ国際映画祭脚本賞、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受けた。東京芸大大学院では教授と学生だった2人に映画と神戸を語ってもらった。(聞き手・片岡達美) ●国際舞台で -コロナ禍で厳しい状況が続いた2年でもあったわけですが。 黒沢 「スパイの妻」の撮影はコロナ前だったが、昨年、ベネチアの授賞式の時は感染が広がっていたので現地には行けなかった。なので、この2年は久しぶりに時間の余裕があり、今後、どうしていくかあらためて人生の計画を立てていたところ。幸か不幸か映画監督には定年がない。ただ老後の蓄えもないけど。 濱口
12日午前7時20分ごろ、兵庫県姫路市別所町別所の民家物置で、この家に住むSF作家の八杉将司さん(49)がロープで首をつった状態で亡くなっているのを、近くの女性(59)が見つけた。兵庫県警飾磨署は自殺とみて調べている。 同署によると、八杉さんは一人暮らし。今年夏ごろ、家族に「最近仕事が少ない」と話していたという。遺書は見つかっていない。 八杉さんは2003年、「夢見る猫は、宇宙に眠る」という作品で日本SF作家クラブが主催する「第5回日本SF新人賞」を受賞。その後もSF小説の執筆を続けていた。 ◇ 厚労省は自殺対策などの情報をまとめたサイト「まもろうよ こころ」で、電話やSNSに対応した複数の相談窓口を紹介しています。
投票率アップに向け、神戸市長選で初導入された「記号式」の投票用紙(下)。同日の衆院選は従来の「自書式」(上)が使われる 【質問】投票する時、候補者名や政党名を投票用紙に書くのが当たり前になっていますが、書き間違いなどで無効にならないか、毎回心配です。こうした方式を続ける国は世界でも少ないと聞きます。候補者名に印を付けるなど、正確で効率的な仕組みにできないのでしょうか。 有権者が投票用紙に直接記入する方式は「自書式」と呼ばれます。最も単純な方法ですが、書き誤ったり、略し過ぎたりして、毎回、一定の疑問票や無効票が出てしまいます。 その問題点を補うのが、あらかじめ投票用紙に印刷された候補者名に丸印を付ける「記号式」です。その利点は、文字を書きにくい障害者や高齢者も投票しやすく、疑問票や無効票も減って、集計のスピードが上がる、といった点です。 地方選挙では早くから導入され、1962年と70年の公職
男性用は青色、女性用が赤色って当たり前?-。兵庫県明石市が公園に整備するトイレについて外装の色を市民投票で決めたところ、「性的少数者への配慮が足りない」と指摘され、男性用を青、女性用を赤とした最多票の案を撤回した。最近は街中で、利用者の性を特定しなかったり、男女で色分けしなかったりするトイレを見かけるが、どんな「配慮」が求められるのだろうか。(小西隆久) 市民から最多の票を得た配色案が覆ったのは、同市大久保町松陰、石ケ谷公園にある「あそびの丘」に設置するトイレ。市は「利用者の声を反映させたい」として配色が異なる5種類のデザイン案を用意。7月17日から約2週間、公園に投票箱を置き、親子ら743人が投票した。 開票の結果、男性用が淡い青色、女性用が淡い赤色の案が最多の208票を獲得した。次点は8票差で、全体を落ち着いた茶系色で統一し、性別の色分けがない案だった。 明石市の担当課は最多の配色案を
市立小学校の教諭が陽性を隠して授業をしていた問題について、会見で説明する尼崎市教育委員会の幹部ら=1日午後3時38分、尼崎市役所 兵庫県尼崎市教育委員会は1日、市立小学校の教諭が8月30日、新型コロナウイルスに感染しながら出勤していたと発表した。教諭は感染の事実を学校に伝えず、市教委に「体調が改善したので出勤できると判断した」と話しているという。この小学校は、接触した可能性がある教職員と児童計38人にPCR検査を行うため、3日まで臨時休校する。 市教委は「コロナ患者であり、個人の特定につながる恐れがある」として性別や年齢は公表しなかった。 この教諭は学級担任を務め、30日は各教室で始業式をした後、4時間目まで授業をした。全員がマスクを着け、昼食は教諭同士が離れて無言で食べたため、同市保健所は「濃厚接触者はいない」としている。 市教委によると、教諭は25日に38・8度の発熱があり、同日に医療
コロナ禍で賛否が渦巻く中、1年の延期を経て開催された東京五輪が閉幕した。東京五輪・パラリンピック組織委員会の40代職員が神戸新聞の取材に応じ、相次ぐ方針転換に翻弄された現場の様子や、組織内から見た開閉会式の評価、膨れあがった開催費などについて明らかにした。 -開閉会式の周囲の評判は。 組織委内でも特に閉会式はひどすぎると話になった。演出は残念だった。多くの人に忖度しすぎた結果、子ども、若者、高齢者、被災地、医療従事者などいろいろ盛り込んでいったように感じた。 開会式もドローンがなかったら厳しいものになっていた。しかし、ひとつ気になったのは、リハでは流れていた曲の歌詞をドローンで夜空に描き出す演出のようだったが、本番にはなぜかなかった。うまくいかなかったからやめたのか、失敗する可能性があったから安全策をとったのか。 -ネットでは担当者の相次ぐ辞任・解任を受け、大ヒットした「マツケンサンバ」待
兵庫県警兵庫署はこのほど、特殊詐欺の被害を防いだとして、ファミリーマートJR和田岬駅前店(神戸市兵庫区和田宮通4)の植原康恵店長(48)に署長感謝状を贈った。 同署によると6日午前、同店に「弁当に髪の毛が入っていた」との電話があった。特殊詐欺について、苦情で店員の気をそらせた隙に現金自動預払機(ATM)を操作させる手口があることを知っていた植原店長は、すぐに防犯カメラの映像を確認。すると高齢女性が携帯電話で通話しながらATMを操作していた。 駆け付けた植原店長は、女性に「詐欺かもしれない」と伝え、110番。同署員が到着するまでの間、説得を続けて時間を稼いだという。 贈呈式で植原店長は「前にいた店では被害を防げず悔やんでいたので、今回は防げてうれしい。今後も安心して利用してもらえる店でありたい」と話していた。(大橋凜太郎)
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