産油国ロシアで金づまり? 2008年11月3日 河東哲夫 世界中から搾りたてたオイルマネーがあふれているはずのロシアで、深刻な問題が起きている。 一言で言えば、こういうことだ。 つまり、これまでロシアはオイルマネーの大半を税金で取り立て(一部は予算に使い、残りは積み立てて外貨準備とする)、国内の企業活動はM&Aであれ、建設投資であれ、消費者ローンであれ、欧州の資本市場から短期資本を安く借りて賄っていたのだ。 ロシア人の貯蓄率が低く銀行に資金が集まらないことも、欧州の資本市場への依存性を高めた。 欧州で借りた金は返さなければならないが、期限が来ると同額をまた借りては、それで前の借金を返済する方式でうまくやっていたのだ。ところがサブプライム問題で猜疑心を募らせた欧州の銀行達は、ロシアにも殆ど貸さなくなった。 8月のグルジア戦争も外国投資家のマインドをすっかり冷やし、ロシアの株式市場から短期の外
ロシア軍の撤退合意が成立したので、18日時点での見方をまとめておく。 河東哲夫 1.帝国崩壊は100年にわたって問題を残す 平和な日本にいると、どうしてこういう戦争が起きるのかわからないが、世界は赤裸々な欲、憎しみ、嫉み、嘘で動いている。多数の民族、人種が共存し、問題が押さえ込まれている帝国が崩壊すると、紛争がいつまでも続きがちだ。 端的な例はトルコで、オスマン帝国が崩壊してかれこれ100年もたつのに、ここが抑えていたバルカン、中近東は今でも紛争が相次ぐ。 ソ連も同じことだ。ソ連の中にグルジア民族がおり、グルジアの中にオセット、アプハスという少数民族がいて、それぞれ独立したがったということだ。まるで、民族問題のマトリョーシカ(大きな人形の中に小さな人形がはいっており、またその中に小さな人形が入っているという、ロシアの土産物)のように。 今回の場合も人間の欲望が大きな役割を果たしている。グル
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