(挿絵はブレイクの『ヨブ』より) 田島正樹氏が、10月6日より、ご自身のブログ「ララビアータ」で、旧約の「ヨブ記」について覚書を連載されている。↓ http://blog.livedoor.jp/easter1916/ 実にスケールの大きな興味深い解釈なので、この問題に関心を持つ者として、氏の「ヨブ記」論を取り上げてみたい。私も8月の日誌で「ヨブ記」に触れたが、今回の田島氏の論稿を拝見して、ようやく「ヨブ記」を理解できそうに思う。 ヨブ記は旧約中でおそらくもっとも問題を孕む書といえる。ヨブが神に力ずくで屈服させられる経緯に、何ともいえない割り切れない思いが残るし、ユングのように、神ヤハウェの未熟さを正面から批判して、「神が人間に追い越された」という解釈をする論者もいる。田島氏は、ラカンのテーゼを根底に置いて「ヨブ記」を読む。すなわち、「主体が象徴界に生まれる時、不可避的に象徴界に対して遅れ
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