共同研究者の医者の家にブランチに呼ばれた。ひさびさにドイツ語だけ。隣に座ったのが右がヘブライ語学者、左が家具デザイナーで、ユダヤ人の歴史に関する話になった。 関係への欲望は、関係をすることの意味とは独立に作動する。したがって、関係性が生じたことによるイベント、現象、社会的影響力は結果であって目標ではないという事態が、そこここに生じる。”関係性のみがある”という高校生のリアルや、瞬時にして暴露する・暴露される関係が入れ替わるネット実名・匿名の世界は、どうやらこの関係性への欲望の自動的な作動であるように思う。だからそれは結果から見れば妙に良心的な方向や極めて邪悪な方向のいずれにも作動するのだが、こうした結果はあらかじめ方向付けられるものではない。 ネットにおける連帯と関係性への欲望とその極端な作動の背景には、ネットという特殊な社会性が始まってものの10年、という点がおそらくポイントである。いわ