ざんばら髪を振り乱しながらピッチを暴れまわる一方で、河童の皿のように禿げあがったトップ。それでいて誰よりも速く、テクニックも突出し、ゴールも量産する。Jリーグが産声をあげた1993年。鹿島アントラーズのブラジル人FWアルシンド・サルトーリが与えたインパクトは強烈だった。 通算125試合に出場して79ゴール。記録もさることながら、独特の風貌とユニークなキャラクターが社会現象を呼び起こすほどの人気者となり、『友達ならアタリマエ』のフレーズが流行語にもなったアデランス社のテレビCMにも出演。地元鹿島の蕎麦屋では『あるしん丼』という料理も発売された。 一大ブームから20年。Jリーグ20周年記念試合と銘打たれ、埼玉スタジアムで開催された11日の浦和レッズ対鹿島アントラーズ前のセレモニーに特別ゲストとして登場。元レッズのポンテさんとともにスタンドから喝さいを浴びたアルシンドさんの目には、ハタチを迎えた