(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト) テレビは連日、コロナウイルス報道である。もうさすがにうんざりする。毎日毎日「感染、拡大止まらず」「警察官初の感染」「大分県初の感染」「広島県初の感染、8回受診して検査行われず」「どこどこで1人、どこどこで2人」「クラスター感染か」「依然つづく“トイレ紙”不足」。もう気が滅入る。テレビのワイドショーはどの局もくどくて、しつこい。報道の仕方に相変わらずの違和感しかない。 感染の世界流行(パンデミック)になるのか、その逆に、いつごろ収束しそうか、東京オリンピックは大丈夫なのか、世界経済はどうなるのか、といった大問題は個人にはどうしようもない。いずれなるようになるだろうと思うしかない。わたしが関心をもつのは、一つひとつのもっと小さい事象や身の回りの人々の反応である。われわれの生活にとって問題になるのは、いつも小さなことや一人ひとりの人間の言動である。 クラスタ