政府が約8千万枚の在庫を保有している布製の「アベノマスク」を巡り、安倍晋三元首相は「2億8千万枚の配布希望があった」と胸を張った。ただ、配布を申し込む時に、実際に必要とする枚数よりも多い枚数が自動的に申請されるケースもあったことなどが、配布希望を押し上げる方向に作用した可能性がある。 (前田倫之) 安倍氏の発言があったのは27日昼のこと。応募締め切りは、翌28日に迫っていた。新型コロナウイルス対策として登場した布製マスクだが、家の防災備蓄用に活用させてもらおうと27日夜、厚生労働省のホームページから配布を申請した。 応募できるのは「介護施設等」「自治体」「個人」となっている。氏名、住所、電話番号などを打ち込み、「必要枚数」の欄に来ると「100枚単位でご記載ください」との記載が。「個人」なので、そんなに大量のマスクが届くと困る。駄目元で「10枚」と入れてみると、あっさり受理された。