いわゆる嫌韓やネトウヨが喜ぶような類の韓国&朝鮮本とは一線を画したすぐれた対談。やはり見解が近い人同士が話したものが一番面白い。嫌韓やいわゆるネトウヨが好む韓国&朝鮮本は、他国を貶めることで自国や自分のプライドと高めるというどうしようもない構造になっているものが多い。 しかし本書を読めばわかるように、この本には朝鮮とのここ150年近くの「交流」を通して、著者二人が明らかにしているのは、近現代日本への率直な批判である。また倉山さんがあとがきで書いているように、その都度の韓国「叩き」に没頭しているいまの日本の多くのネット民、リアル民の姿への批判でもある。朝鮮をそのような脊髄反射的な「点」でとらえるのではなく、「線」いや重なり合う「面」でとらえること、複眼的視点(空間的には日本と朝鮮半島だけではなく、その周辺の陸と海、時間的には近現代だけではなくいくつも流れるそれぞれの「クニ」「国民国家」の歴史
![宮脇淳子&倉山満『真実の朝鮮史 1868-2014』](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3ba3c5d53c1fcd4064f6bdaec1d07cca471e6e56/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51h3mjTGLzL._SL160_.jpg)