続きを読む 福島の影 福島の影 今回の仮処分の背景には、福島事故が収束していないことがある。大津地裁の山本善彦裁判長は、「福島の事故の大きさに真摯に向き合って同じような事故を防ぐためには、原因の究明を徹底的に行うことが不可欠だが、この点についての会社の説明は不十分だ。もし会社などが原因究明を重視しないという姿勢であれば非常に不安を覚える」と指摘した。 さらに、「福島の原発事故を踏まえた事故対策や津波対策、避難計画についても疑問が残る。住民の生命や財産が脅かされるおそれが高いにもかかわらず、関西電力は安全性の確保について説明を尽くしていない」とした。 福島では、もう一つ大きな問題が発生(というより発覚)している。東京電力による隠蔽が疑われる事案だ。東電は事故直後から2カ月後の2011年5月まで、炉心の状態について、メルトダウン(炉心溶融)ほど深刻ではなく、燃料が傷ついた状態を指す「炉心損傷」