近年、教育や勉強に関する本が数多く出版されています。教育への関心が高まっているからでしょう。しかし、教育評論家やジャーナリストが書いた本の主張の多くは、子どもの学力の低下を問題視し、「こうなったのは先生が悪い」「文科省が悪い」「家庭でのしつけが悪い」と、その責任を一方的に決めつけるものばかりです。あるいは、教育実践者や子育てに〝成功〞したと自負している親による著書の多くは、自分が実践したことや体験したことを普遍化して証拠や検証を示すことなく、「自分がやったことが一番だ」という主張をくり返すばかりです。 けれども、犯人探しや自慢話には意味がありません。大切なのは、自分が何をするか、です。高校生なら自分のために、保護者や先生なら子どものために何をすべきなのかを徹底的に考えることです。 オーナーシップとパーパスの欠如が問題 親が「子どものためにいい学校に入れさせたい」と思い、子どもたちも将来のた