「いまだに」という言い方は、あるいは正確さを欠いているかもしれない。 現代の社会は、バブルの時期やそれ以前の高度成長の時代と比べて、むしろ、老人支配の度合いが進んでいる。 たとえば、1980年代の日本では、各界の先頭に立っているリーダーは、おおむね40代の人々だった。 雑誌の編集部に出入りするライターはもちろん、雑誌の編集者やデスクも、30代以下の人間が多かった。 こういう話は、なかなか統計にあらわれにくい事例だとは思うのだが、明治政府の初期や、高度成長期の企業のリーダーを見ても明らかな通り、変革の時代や、好況が続いている社会では、若い人間が活躍することになっている。そして、どうやら、21世紀のわれわれの社会は、そういう時代とは正反対の原則で動いているように見える。 つい先日、さる広告業界人と話したのだが、かの業界でも、高齢化は、着実に進んでいるらしい。 彼に言わせると、TCC(東京コピー