古代ギリシャの時代にも産後うつの症状に関する医師の記録が残されている。だが、よくある症状にもかかわらず、産後うつは長年にわたってほとんど解明されてこなかった。1899年に女性写真家ガートルード・ケーゼビアが撮影した幻影のような母子の写真。(PHOTOGRAPH BY GERTRUDE KÄSEBIER) 産後うつは、出産の合併症のなかでは最もかかる人が多く、現代の子育てでは避けられない一面だ。さまざまな推計があるが、2023年2月に医学誌「American Journal of Obstetrics & Gynecology」に発表された米国での調査結果では、出産後の女性の13.9%、およそ7人に1人が産後うつを経験しており、近年その割合は急激に上昇している(編注:2020年に医学誌「Annals of General Psychiatry」に発表された日本での調査結果でも、出産後1カ月時
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