少女時代のある時期、クラシック音楽ばかりを聞いていた。家には河出書房かどこかから出ていたクラシック音楽全集があって、いわゆる名曲といわれているものはたいていあった。そんな中で、自分がはじめて買ったクラシックのレコードは、バレンボイム指揮のホルスト「惑星」だった。オケがどこだったか、フィラデルフィア管弦楽団だと記憶しているんだけど、現物はアナログプレーヤーが家になくなってからどこかへしまいこんでしまったし検索してもそれらしいのがないので、あやふやなんですが。 でだ。平原綾香のジュピター。これを聞くと気分の悪さが胸の奥というか腹の奥というかとにかく奥のほうから沸き上がってきて、抹殺したくなるのだ。 原曲を聞いたことのある人ならわかるとおり、「木星」という曲は、テンポの緩急とリズムの歯切れの良さが際立つ曲だ。そのメリハリの効いた緩急と歯切れが、太陽系最大の惑星である木星のスケール感とかダイナミッ