「相生ライフ」紙の2000年新春特集号のトップを飾ったのは、高島俊男さんの「だれもがすることはするな」と題した一文でした。これは高島さんが恩師の大ヶ瀬先生から聞かれたことばで、高島さんは「この言葉に従って生きてきてソンをしたが、大ヶ瀬先生は生涯にであった多くの先生がたの中で一番なつかしい先生である」と書いておられます。(原文は下欄にあります。) 私も大ヶ瀬先生からこのことばをうかがっています。私の場合は、このことばの考え方を、次のようなところで使って、トクをしたと思っています。 (1) 開発技術者にとっては、みんなと違った経験があり、異なった発想が出来るということはひとつの財産です。例えば新商品の開発会議で、全員が同じ考え方で同じような経験しかしていないメンバーでは、10人で会議しても、出てくる結論は1人で考えるのと大差ありません。異分子がいると議論になり、その過程で誰も気付かなかったよう