好立地なのでホテルを――。京都市中京区の世界遺産・二条城前に市がホテルの建設を強く求めている。昨年末に閉館した「京都国際ホテル」の跡地だが、新たな所有者の阪急不動産(大阪市)はマンション開発などが主体。市は2020年の東京五輪などで市内の宿泊施設が不足すると懸念し、同社に要望書まで出す事態になっている。 「国際観光都市にふさわしいホテルの誘致を切望する」。市は1月20日付の要望書で同社に訴えた。門川大作市長は2月5日の記者会見で「極めて異例(な要望)」と畳み掛けた。 京都国際ホテルは1961年、「京都初の本格的なシティーホテル」を掲げて藤田観光(東京都)が開業。「老朽化に加え、周辺は夜になると人通りも少なく、これ以上の需要は望めない」(同社広報部)として昨年12月26日、53年間の歴史に幕を閉じた。 敷地は約7700平方メートルと広く、同日付で買い受けたのが阪急不動産。同社は高級マンション