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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (2)

  • 第88回 プレスリー・パラシュート・オーキッド

    モンテベルデの森は、樹木の間を渦巻いて通り過ぎていく強風で、日海の荒波のような音に包まれている。乾季に入ったとは言え、カリブ海側(東)からの貿易風が雲や雨をたくさん運んできて、晴れたり、曇ったり、雨が降ったりと、分刻み、秒刻みで天気が流れていく。モンテベルデ特有の気候だ。 そんな気候にも支えられ、ここモンテベルデには多種多様なランが生息している。これまでにモンテベルデの地域で見つかっているのはコスタリカ全体の約40%に当たる600種以上と、中南米で一番多様な場所と言ってもいい。 さて、前回紹介したのは極小から小さな花のランだったが、今回は少し大きめの花をご覧いただこう。ぼくが注目したのは、花のがくと花びら(花弁)の中心から飛び出した、コラム(ずい柱)とリップ(唇弁)と呼ばれる部分。独特な形をしているものがあって、興味深い。 例えば、冒頭の写真のエピデンドルム・エクサスペラトゥム。白と紫の

    第88回 プレスリー・パラシュート・オーキッド
  • 第16回 残酷非道な標本作り

    たまに、クマムシを捕まえた方からその写真を見せられながら「どの種類のクマムシか教えてほしい」というお願いをされる。こんなときはクマムシの専門家として、「わかった……引き受けよう……」とゴルゴ13ばりにクールにOKを出したいところ。だが、実際にはそんな簡単に依頼を受けることはできない。 というのも、動き回るクマムシを実体顕微鏡で観察しても、種同定(種類を決めること)を行うことはできないからだ。では、どうすればよいのか。ここで、たいへん悲しいお知らせをしなくてはならない。そう、この愛おしいクマムシを殺して標にしなければならないのだ。標にした上で、体の器官などを観察したり計測することにより、どの種類のクマムシかを決めていくのだ。 標にするには、まずクマムシを殺(あや)めるところからはじめる。アルコールに浸したり、熱を加える方法が一般的だ。これにより、クマムシの体が硬直し、その後の標作りで

    第16回 残酷非道な標本作り
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