アンドルー・シフ氏は今月、米カリフォルニア州で交通渋滞に巻き込まれ、車の外に出て大声でわめき散らした。投資家会議で金について講演した帰り道だった。 「ねずみ取りの中のねずみのように出口のない状況になると錯乱するんだ」と、ブローカーディーラー、ユーロ・パシフィック・キャピタルでマーケティング担当ディレクターを務める同氏はインタビューで語った。 シフ氏(46)は今、別の面でも動けなくなっている。ボーナスが減ったせいで生活が立ち行かないのだ。同氏によれば収入は35万ドル(約2820万円)と米国の上位1%に入るが、子供たちが通う私立の学校の学費やニューヨーク市ブルックリンの111平方メートルの家の改築費用が出ない。 「閉じ込められた気分だ。私の求めるニューヨークには、やっぱり手が届かない」と同氏は言う。 多くの金融機関従業員に今月支払われたボーナスの額は、ウォール街に働く彼らが期待する生活を維持す