これまで私は「Ruby」には縁がなかった。「話題になっているな,勢いがあるな,面白いんだろうな」と思いつつ,横目で眺めていた。でも最近,思いがけないことがあったので書きたい。 恩人に,日本のコンピュータ産業の発展と共に生きてきたような人がいる。昭和一桁生まれで,先ごろ喜寿を迎えた。若い頃はアセンブリ言語をたしなみ,FORTRANが登場すればいち早く修得し,人に教えていた。メインフレーム全盛期には,そこそこ大きな電算室の運営にもかかわった。 80年代になり国産PCが登場すると,早速自宅にNECのパソコンを導入し,N88-BASIC(NEC独自のBASIC言語)であれこれとプログラムを作り,仕事にも活用していた。メインフレーム相手の仕事が多かった彼にとって,いつでも勝手にいじれるコンピュータ,コンパイルの要らないプログラミング言語はさぞ魅惑的だったのだろう。この後もPCには投資を続け,自宅には