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ブックマーク / note.com/iovis_takahasius (4)

  • TVアニメ『月が導く異世界道中』が描く現代日本の前向きな諦め:「ブサイク」の異界と張り出した女性嫌悪|髙橋優

    2023年7月8日追記:過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、文に修正を加えました。) はじめに いつのころからだろうか――この世のほかに、もっと別なところに、自分を受け入れてくれる「場所」があるのではないか、というほのかな期待が生まれたのは。 疲れ切って帰路につくとき、ふと電車の窓を眺めていて「ここは私のいるところではないかもしれない」といった奇妙な気分に陥ることがある。今の生活に不満があるわけではない。だが、「ここではないどこか」へのあこがれは、いつも私の心のすきまにひそやかに入り込んでくるのだ。青臭い感情と、人はたぶん笑うだろう。 (田中貴子『鏡花と怪異』平凡社、2006年、137頁) 「俺は夜なんて駆けない 未来に賭ける」、「そうアタシは半人前 ブサイク ただ凡人/転生さえ願った業人」――「うっせぇわ」を手がけたシンガーソングライター・

    TVアニメ『月が導く異世界道中』が描く現代日本の前向きな諦め:「ブサイク」の異界と張り出した女性嫌悪|髙橋優
    rAdio
    rAdio 2021/10/01
  • TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資本主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて|髙橋優

    TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて はじめに資主義の終わりを想像するより世界の終わりを想像する方が簡単だ。 ――フレドリック・ジェイムソン「アメリカのユートピア」 (フレドリック・ジェイムソンほか著、スラヴォイ・ジジェク編(田尻芳樹/小澤央訳)『アメリカのユートピア:二重権力と国民皆兵制』書肆心水、2018年、13頁) 資主義を飼いならすことはできないし、資主義の外に出ることも決して容易ではない。2021年3月に放送が終了したTVアニメ『弱キャラ友崎くん』(以下『友崎くん』)は、そんなことを教えてくれる傑作である。 作の主人公・友崎文也は、友達も彼女もいない「陰キャ」で「ぼっち」の高校生だ。しかし、その裏の顔は家庭用格闘ゲーム「アタックファミリーズ」(通称「アタファミ」)のレート一位、日最高峰

    TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資本主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて|髙橋優
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    rAdio 2021/03/30
  • TVアニメ『彼女、お借りします』が投げかけ続ける問題:疑似恋愛商売の深淵と丸谷才一「花柳小説論ノート」の射程|髙橋優

    TVアニメ『彼女、お借りします』が投げかけ続ける問題:疑似恋愛商売の深淵と丸谷才一「花柳小説論ノート」の射程 (2023年7月8日追記:過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、文に修正を加えました。) はじめに性産業におけるサービスの提供者とサービスの受益者の相互の軽蔑の度合いは、たいてい、ぼったくりのブティックに予想されるそれよりもはるかに強力である。 (デヴィッド・グレーバー(酒井隆史/芳賀達彦/森田和樹訳)『ブルシット・ジョブ:クソどうでもいい仕事の理論』岩波書店、2020年、44頁) 2020年9月、TVアニメ『彼女、お借りします』第1期の放送が終了した。作に関する評価は賛否両論の様相を呈しているが、作が雨宮天の代表作として挙げられるべき傑作となったことは否定できないだろう。作が世に問われたことによって、『モンスター娘のいる日常』(2

    TVアニメ『彼女、お借りします』が投げかけ続ける問題:疑似恋愛商売の深淵と丸谷才一「花柳小説論ノート」の射程|髙橋優
  • TVアニメ『魔王学院の不適合者』が拓く批判的思考の地平:「時下り」と「対」に注目して|髙橋優

    はじめに私は次第に理解しつつあった。将来に向かって航行するとは、どこか遠い彼方からの緻密な積み上げの延長線上において、という特別な仕方においてではあるが、今私がここにいる、その現実を引き受けることである、と。 (木庭顕「現代日法へのカタバシス」同『現代日法へのカタバシス』羽鳥書店、2011年、79頁) 2020年9月に放送が終了したTVアニメ『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』が出色の出来だ。作はそのタイトルが簡潔に示す通り、二千年後に転生した魔族の始祖、「暴虐の魔王」ことアノス・ヴォルディゴードが、平和に慣れて弱体化した子孫と衰退を極めた魔法を叩き直すという物語で、いわゆる「最強系主人公」の無双譚の一つとして世間の耳目を集めている。 作でヒロインの一人を演じる夏吉ゆうこも、ダ・ヴィンチニュースのインタビュー記事(2020年9月19日公開)の

    TVアニメ『魔王学院の不適合者』が拓く批判的思考の地平:「時下り」と「対」に注目して|髙橋優
    rAdio
    rAdio 2020/10/27
    個人的には、ゴルゴとかコブラみたいなのを今風のラノベ的に美味しく味付けし直した作品という印象を受けた。
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