コミュニケーション・デザインという考え方が注目されている。メディアニュートラルな視点で、企業と生活者の間のコミュニケーションを設計していくという考え方だ。最近話題になっている『コミュニケーションをデザインするための本』(電通刊)の著者、岸勇希氏がその提唱者だ。広告の力を取り戻す新たな視点を聞いた。 ――広告会社に入る前にメディアの研究をされていたと聞いていますが。 電通に入る前は大学の研究員として、市民メディアの研究をしていました。より深くメディアのことを知ろうとした結果、コミュニケーションで社会を動かしている電通に行き着きました。研究活動は今もライフワークとして継続しています。 ――コミュニケーション・デザインという言葉ですが。 この言葉を使い始めたのは電通に入社した04年ごろからです。自分がやりたい仕事に、しっくりくる職種がなく、たぶんコミュニケーションをデザインするという