「イケムラレイコ」とは誰なのか。 画家でしょうか? でも彼女は彫刻をつくりますし、ドローイングや水彩を独立した作品としてたくさん制作してもいます。 それだけではありません。彼女は詩を書きます。また、文学を愛し、ドイツ語圏で出版された松尾芭蕉や大江健三郎の本などに挿絵を寄せてもいます。ちなみに、ヨーロッパでの生活の方が日本でのそれを上回る彼女は、日本語のほかに、ドイツ語、スペイン語、英語を解します。いわゆるクアドリリンガルですね。 瞑想的な作品で知られていますが、彼女自身はとてもアクティヴです。ベルリン芸術大学で、そう多くはない女性の教授陣のひとりとして長く務めていますし、東日本大震災の後では、ベルリンを代表するアートスペースで、東日本を思うための展覧会を開催するために、文字通り奔走しました。(Fukushima and the Consequence, KW Institute fo