私の愛馬は凶悪です(新井輝) 『Room No.1301』の新井輝の最新作。『Room』シリーズのファンにはぜひお薦め。 高岡霧理は直情径行な女の子。武道をやっていて、まっすぐな性格で、そして奥手。えっちなことはあんまり考えたことないし、詳しくない。いるよねえ、こういう女の子。ライトノベルとかゲームにはさ。現実にはいないかもしれないけど。そんな風なありがちな設定に見える女の子、男の子がありがちでない恋愛をしていくのが、新井輝の小説である。 えっちなことに耐性が無い霧理は、えっちな男の子に関わろうとは思わなかった。だけど堪忍袋の緒が切れることもある。放課後の教室で、堂々と女の子との「予約」の日程を調整している女たらしを前にすれば。他校の教室にやってきて、そんな話をしている女の子を見れば。怒るのも仕方ない。 しかし非常識な行為を説教していたはずが、何故だか、射水君が「予約」をやめるかわりに、霧