「機能安全」という考え方をご存じでしょうか。 英語でいうと,「functional safety」。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが,もともと石油化学や原子力発電などのプラント制御分野で生まれた考え方で,その後,国際規格化され同分野の制御装置などに利用されています。システムを構成する要素や部品の故障リスクなどを算出し,そのリスクを減らすような安全装置を「機能」として実装することで安全性を高める。大まかに言って,そうした考え方の国際規格です。システム全体の安全性が対象のため,ハードウエアの偶発的な故障にも,ソフトウエアの設計ミスにも両方関連しています。 この機能安全。IECやISOの国際規格ですので,日本も当然,規格化作業に参加していますが,どうやら日本が加わったのは,規格策定の大部後半になってからだそうです。そうした出遅れも影響してか,日本ではあまり知名度は高くありません。しかし,次