ITの活用によってより突っ込んだ設計検討や新たな開発が可能になる中で、そのデータをより綿密に検証したいというニーズも強まってきている。それに応えるツールの1つが3次元プリンタだ。設計段階で3次元データが存在していることが多くなった昨今、その存在感が増している。
ドイツはフランクフルトでEuromoldが開催した。前回は筆者がこれまでの取材で知った3D業界の可能性について紹介したが、ここではEuromoldの会場で見た現時点での3D造形技術についてリポートしたい。まずはEuromoldがどんなイベントかの紹介と3Dプリンタ業界の最新の動向についてだ。 本来は大型工作機械のイベント「Euromold」 そもそものEuromoldの展示は、ホール8や9で見る写真のような雰囲気で、大型の工作機械が中心だ。筆者もこちら側のホールでは、ファナック社のドリルロボが展示されていないか探してみた(アップルは非常に高価なこの工作機械を大量導入して、あれだけ質感の高い製品を年間数千万個単位で量産する体勢を整えたのだ。ただ、残念ながら同社は出展していなかったようだ) 本題に入る前に、Euromoldというイベントそのものについても少し触れておこう。Euro-moldの「
暗がりの中に鎮座するのは,ミマキエンジニアリングと長野工業高等専門学校が共同で開発したインクジェット・プリンタの試作機だ。とはいっても,ただのプリンタではない。自由曲面上に直接,プリントできる「3次元プリンタ」である。右の写真の左上に四つ並んでいるのがプリントヘッド,その右斜め下にある銀白色の円形がワーク(プリント対象物,実物は半球状)だ。 従来,立体物の表面にプリントする方法としては,平面に展開した状態でプリントしてから立体物として組み立てたり,プリントした短冊状のシートを張り付けたりするのが一般的だった。これに対し3次元プリンタであれば,2次元に展開できない硬い材質にもプリントできるし,張りつける手間も要らない。例えば,半球状の樹脂製ワークから地球儀の北半球部分を完成させるのをたった1工程で済ませられるのだ。ヘルメットや自動車の内装部品などへの応用も考えられるという。 さて,この3次元
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