4月15日、カンボジアの元首相、ポルポト氏が死んだことをニュースで知ったとき、筆者は驚きつつ「やっぱり・・・」と思った。その2週間ほど前、3月30日付の「ニューーヨークタイムス」に、ポルポト氏は殺される可能性がある、と指摘する記事が出ていたからだ。 ポルポト氏が昨年まで率いていたカンボジアの反政府組織「クメールルージュ」は、今年3月には崩壊の危機に瀕していた。 冷戦時代、反ベトナム・反ソ連をかかげるアメリカ、中国、そしてインドシナにおけるアメリカの代理役だったタイにとって、クメールルージュは重要な「仲間」だった。カンボジアの首都、プノンペンには、親ベトナム政権があって、クメールルージュはそれに敵対するかたちでカンボジア西部を支配していた。 だが1990年に冷戦が終わり、アメリカがベトナムと仲直りすることを決めると、クメールルージュは「用済み」になってしまった。 カンボジアでは今年7月、冷戦
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