カンボジアの漁民、ネアンさんの網はきょうも空っぽだ。メコン川の支流が流れ込むトンレサップ湖で数十年間魚を捕ってきたネアンさん、「網を投げれば1回で30キロも捕れた時期が懐かしい」と話した。漁獲量が減った理由は「中国のせいだ」という。中国がメコン川上流に超大型ダムを相次いで建設したため、魚が滅びつつあるというのだ。 米時事週刊誌タイム(アジア版)の最新号(9月10日付)は、中国がアジア最後の未開拓地として残っていたメコン川開発に力を入れており、下流での暮らしが大きく変化していると報じた。メコン川は中国のチベット高原を源にラオス、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムを経て、南シナ海に流れ込む。長さは4880キロで世界10位だ。中国はメコン川上流に超大型ダムを作り、水力発電に活用するとともに、中流は大型船舶の航行ルートとしている。 最近数年、東南アジア各国は中国がメコン川流域にダムを建設