「朝貢外交」というのは、「中華」の側からいえば、「辺境の地からこの世界の中心の都へよくやってきた」といって野蛮人の王たちを手厚くもてなすことにより、「天子の徳」をあまねく天下に知らしめるというものである。 この観点からみると、今回のタイ国王戴冠60年式典における、タイ国の両陛下にたいする待遇は「朝貢外交」以下であったといわなければならない。 小中華王国を目指すタイだが、「中華」の真似事をするには蛮夷にすぎたようである。 昨日、両陛下はバンコクに到着されたが、空港に出迎えたのは皇太子で、国王との接見は今日が初めてになるはずだった。 「御座船行列」のおこなわれる今日の夕方、国王と王妃は宮殿の広間に椅子をしつらえて各国の王族を迎えた。 私はいまタイの深南部の町にいて、この様子を先ほどホテルのテレビで見たところである。(正式の会見は別に行われた。その実況は見なかったが、録画で後に流していた。これは