女性ホルモンの一種であるオキシトシン。この匂いは人を「信用」させる作用があることがチューリヒの研究チームの実験で新たに証明された。 英科学誌ネイチャーに発表されたこの研究によると、今後、恐怖症や自閉性などの社会的な機能障害と関連した病気の解明に役立つかもしれない。 オキシトシンは脳内視床下部で生成され、脳下垂体黄後葉に運ばれて貯蓄され、刺激に応じて分泌される。脳のこの小さな部分では空腹、喉の渇きや体内の温度調節など生物学的な反射と関係している。また、恐怖や怒りといった感情と関連して本能的な闘争逃避反応も脳のこの部分で扱われる。 これまでに判っていること 人間と哺乳動物では、オキシトシンが分泌されると出産時の子宮の収縮を刺激し、乳汁産生を促す。これまでも、オキシトシンを鼻にスプレーして授乳を手助けするといったことも試されてきた。 出産中や出産後には脳脊髄中に高い濃度でオキシトシンの分泌がみら