2025年の大阪・関西万博で350億円をかけて建設される木造建築物「大屋根(リング)」について、大阪府の吉村洋文知事は9日の記者会見で、「参加する約150カ国の価値観や多様性が一つの輪になってつながるという万博の理念に根ざしたものだ」と述べた。 建設に巨額な費用を要することに批判が出ている中、自見英子万博担当相は8日の衆院内閣委員会で「日よけの熱中症対策として大きな役割を果たす」と答弁した。 吉村知事は「(自見氏は)日よけだけでやっているっておっしゃっていない」と擁護したうえで、リングにはくぎを用いない日本建築の伝統的な工法が採用されていると指摘。「国宝・清水寺の舞台でも使われている技術で、伝統建築の技術力や魅力も世界に発信する」としてリング建設の必要性を強調した。【東久保逸夫】