中学で留年,高校を中退,大学でも留年した落第生として,三児の父として,教育には一家言を持っているつもりだ.僕自身,いまのところ人並み以上に世間を泳げるだけの学ぶ力や生きる力は中学・高校の時に学んだつもりでいるから,これからの高校がどうなるか,我が子がどんな高校生活を送るのかには非常に興味がある. 自分の経験という非常に狭い視野で考えると,生きる力は今の普通高校でも,本田氏の提案する専門性を持った高校でも育みようがある気はする.『世の中を渡ってゆくための「足場」や「力」や「武器」や「殻」』は専門的な職業能力よりも,学習能力や論理的思考力,対人関係能力であって,これらは普通過程でも専門課程でも,いろいろなやり方で教えることができるからだ. ぼくが中学・高校に通った十数年前と比べて,学校や教師の権威を支える共同幻想そのものが崩壊しつつある中,もういちど教育にリアリティを持たせる意味で,本田女史の