鶏の胸肉に多い成分を中高年のボランティアに3カ月間、朝晩の食事の際に取ってもらったところ、脳の記憶機能に関連する部位が年齢とともに萎縮する傾向が抑えられたとの研究成果を、東京大と国立精神・神経医療研究センターのチームがまとめた。川崎市で開催中の日本農芸化学会で30日に報告する。 この成分はアミノ酸で構成される「イミダゾールジペプチド」。肉類では鶏の胸肉に100グラム当たり1.2グラム程度と多く含まれ、豚肉やマグロ・カツオの赤身にも比較的多いという。 東大大学院新領域創成科学研究科の久恒辰博准教授は「実験では1回の食事で有効成分0.5グラムの顆粒(かりゅう)を摂取した。胸肉を日常のメニューに取り入れた場合の効果を調べるのは今後の課題」と説明。脳に影響する仕組みを調べるため、マウスの実験に取り組んでいるという。