国家を代表するような巨大な企業であっても、その栄華が永遠に続くわけではない。その好例が、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)社だろう。「最強企業」はいかにしてその企業価値を失っていったのか──。ノンフィクション作家の岩瀬達哉氏が、話題書『GE帝国盛衰史──「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか』(トーマス・グリタ、テッド・マン・著 御立英史・訳/ダイヤモンド社)を読み解く。 【画像】『GE帝国盛衰史──「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか』の表紙 * * * 発明家トーマス・エジソンの電球からスタートしたゼネラル・エレクトリック(GE)は、140年近い歴史にわたって米国経済を牽引し、「2000年のピーク時には、米国で最も価値のある企業」と称された。 「世界の電力の3分の1を発電」する原子炉や巨大な発電タービンのほか、ジェットエンジン、精密医療機器の超音波診断装置を製造。一方で、