記憶には、頭で覚える「陳述的記憶(ちんじゅつてききおく)」と、体で覚える「手続き記憶」(技の記憶)の2種類があります。 むずかしい漢字を覚えたり、計算のしかたを覚えたりするのが「陳述的記憶」です。「海馬」は、「陳述的記憶」をするときに、大切な役割をはたしています。この記憶は、一度覚えても、けっこう忘れてしまったりします。 「手続き記憶」は、自転車の乗り方や泳ぎ方などを覚える記憶です。一度しっかり覚えれば、なかなか忘れることはありません。10年間も自転車に乗らなくても体が覚えていて、ちゃんと乗ることができます。 この2種類の記憶は両方とも、脳を使って記憶している点では同じです。 「手続き記憶」(技の記憶)で中心的な役割をはたしているのは、海馬ではなくて脳のずっと奥にある「大脳基底核(だいのうきていかく)」と、後ろ側の下のほうについている「小脳(しょうのう)」です。 「大脳基底核」は脳が体の筋